FPパートナーってどんな会社?
金融庁が、FPパートナーと生命保険会社各社の取引実態調査に乗り出したというニュースがありましたね。
記事によると「生命保険業界のビッグモーター、同業者からそう呼ばれている保険代理店がある」ということで…
FPパートナーの実態に迫る記事になってますね。
FPパートナーは、「マネードクター」の運営会社ですが、知っていますか?
マネードクターは聞きなじみがあります。
FPパートナーは、当初のプライム市場に上場し、株価もすごく伸びていた会社です。
ただ、直近で株価は落ちています。
このような記事の影響ももちろんあると思いますが、それまではすごく伸びていました。
業績も絶好調で…
2023年11月期売上高が300億円を超え、純利益が約40億円。
4年間で売上が約2倍、純利益が6倍と、すごい勢いで成長している会社です。
ファイナンシャルプランナーへ相談に行くと、そこで保険を勧められる。
いわゆる保険の代理店事業、乗り合い代理店と呼ばれるようなビジネスモデルです。
オリックス生命やSOMPOひまわり生命など…
様々な保険会社の商品をこの代理店が乗り合いしています。
様々な保険会社の中から「あなたに1番あった保険はこれですよ!」という営業スタイルです。
これが乗合代理店です。
動画で確認したい方はこちら
金融庁からメスが入った?
マネードクターは大きなイベントに出展されたり、ココザスもイベントでご一緒したことがあるので、名前はよく聞いていましたが…
先ほどの記事を見るとやらかしてしまったように見えてしまいますが…
記事の内容を読むと、何かやらかしたみたいな話ではないのです。
FPパートナーは自社の営業担当社員の採用を各生命保険会社に手伝ってもらっている。
要は、入社見込みのある人を斡旋してもらっているのです。
これだけだと何にもマズくはないのです。
他にもリーズと呼ばれる見込み客の紹介も各生命保険会社から無償で受けていたようです。
「月に1,500件程度のリーズを紹介してもらっている」と記事には書いてあります。
1,500件は相当な数ですね…
FPパートナーが自社で業務委託契約している募集人から…
基本的に保険代理店は正社員の営業マンを雇いません。
業務委託の方々を雇い、無償でもらった情報を1件11,000円で募集人に販売してるらしいのです。
1,500件×11,000円(税込)=1,650万円で…
年間2億円近い売り上げ・粗利を出しているということでしょうかね。
全ての便宜を図っているのが生命保険会社で、それを受け取っている状態なんじゃないかという記事になっています。
無償でお客様を紹介?保険会社のメリットとは
生命保険会社がFPパートナーに見込みのある方を無償で渡しているとのことですが…
生命保険会社にメリットはあるのでしょうか?
要は接待みたいなものです。
FPパートナー社が欲しいものを渡し続ければ、気に入ってもらえます。
各保険会社は自分たちの商品を開発し、代理店経由で保険を売ってほしいですよね?
FPパートナーぐらい勢いがあって売る力がある代理店のことを離したくないはずです。
例えば「安藤生命の保険を売ってください」と細川代理店にお願いするとします。
細川さんはハンバーグとかステーキが好きですよね?
なら、毎日細川社長をハンバーグ屋に連れて行って…
ハンバーグだけじゃなく「ミックスステーキもいいですよ!ライス大盛もOKでドリンクバーもつけていいですよ!デザートも食べますか?」と、接待漬けにするわけです。
次の朝、細川社長のところに行って車で送り迎えまで行って…
どこへ行くにも安藤生命の担当者が色々やってあげる。
ここまでしたら安藤保険を売ってくれますよね?
他とはちょっと差別をしてしまうかも…しれません…
細川社長の元にもたくさんの募集人がいると考えたら、その募集人に何と指示しますか?
「安藤さんの商品をちょっと売ってくれないか?」と…
言ってしまうかもしれませんね…
実際にこの記事によると、FPパートナーの内部資料が出ており…
広告料のようなものが生命保険会社から降りていました。
お金が動いているのです。
たくさんの広告料をもらっている保険会社。
そうしたら安藤生命の保険ばかり売ることにつながりませんか?
その方が評価が上がるのであれば…
となると、安藤生命ばかり売りますよね?
そうなると安藤生命は儲かります。
さらに「細川代理店さんありがとうございます!」ということでさらに接待をして…
構図としてはビッグモーターと損保会社の関係と全く一緒です。
ビッグモーターは損保の代理店の立場でした。
車両をあれだけ取引していたので、契約していただいた方に自動車保険をセットで販売しますよね。
この時に大手の損保会社が営業をしていました。
これは線引きが難しくて…
接待も適切な範囲内だったらやるべきじゃないですか?
接待=営業活動ですから。
例えば会食に行って食事をご馳走して、そこでお酒を飲んで関係を深めて「これからもいい関係でよろしくお願いします」と。
これは白ですよね?
しかし、法律の話でいくと…
「じゃあここは1つ」と言って、細川社長に封筒を渡したらどうですか?
これはブラックですね…
これは贈賄・収賄になります。
なので「こんなものはいただけません」と言うと、次に「中身は見ないでください」と…
「そのまま鞄に入れてください」とやるわけです。
これは黒です。
しかし、接待をしたり広告料を払うことは悪くはないのです。
東洋経済オンラインがこのタイミングで記事にしていますが…
はっきり言ってどこもやってると思います。
どうして金融庁が動いているの?
「金融庁が動く」というのはどういうことなのでしょうか?
6月18日にまた同じく東洋経済オンラインが後追いで取材を進めて記事にしていますが…
「過剰な便宜供与があれば立ち入り検査も視野に」と書いてあります。
こういう話が出た以上、金融庁は各生命保険会社に公平に動いていただきたいわけです。
なので「一応調査します」ということで、実際どんな取引が行われているのか?確認を始めるというような話があります。
決まった一社に商品が偏ってしまうとお客さん本位ではありませんよね…
結局お客様のことは考えていないと思います。
「自分の売上や評価を上げるために」というのを感じてしまいます。
最終的にいち消費者(=お客様)が保険の話を聞くのは、細川代理店の業務委託の募集人です。
この募集人が何を考えているか?と言うと、自分のお金ですよね。
自分の評価が上がる安藤生命ばかりを売ります。
そして、細川代理店の社長である細川さんは美味しいハンバーグを食べることしか考えてないでしょう?
なので、安藤生命は「細川代理店を動かしてやろう」と…
「あいつはチョコレートパフェをいっぱい送っておけば保険を売ってくれるだろう」などと言って、お金で釣って自分の保険をいっぱい売ってもらおうという魂胆です。
それがどんどん流れ、募集人まで行くのですね…
安藤生命の商品がものすごくいいならいいのですが…
コストをかけてまで売りたいということは、黙ってると売れない商品なのでは?と思ってしまいます。
となると、消費者の元には安藤生命のあんまりいけてない保険が広がってしまいます。
これは社会のためにならないよね?というので、金融庁が今乗り出し調査に動き出したという話です。
NGのポイントは?
「ここはNG(=黒)と言えるんじゃないか?」というポイントになるのが、安藤生命が細川代理店に払ってる広告料の金額のようです。
今回で言うとマネードクターのウェブサイト。
あとは、店舗が30店舗弱ぐらいあるみたいなのですが…
リアル店舗のデジタルサイネージに「保険会社の安藤生命の保険はこうだよ」という広告を流します。
タクシー広告とか電車の中の広告と一緒ですね。
月に100万円〜200万円の単位だったら気にされない話なんですが…
A社は年間1億円ぐらい、B社は6,000万円を実際に支払い済みのようです。
月1,000万円ぐらい払っていますね。
これも難しく、マネードクターと保険会社との間で月1,000万円という契約が成り立ってるなら外野がとやかということではありません。
商売は相対で取引するわけですから…
これが過剰な便宜供与に当たるのであればちょっと言われる可能性があるんじゃないかというところなのです。
しわ寄せはどこへ?
自分の保険を相談しに行って、もし裏で何かあったりしたら加入したお客さんは「えっ!?」と思ってしまいますよね…
一般消費者が知ることができないような話ですが…
こうやってネットニュースとかに拡散されていくと「ちょっとなぁ…」と思います。
記事の中に色々書いてありますが、A社やB社はとにかくお金を払ってマネードクターに売ってもらっていたようです。
中には社内表彰のキャンペーンで「3倍で評価する」という話がありましたが…
この期間(半年間)においての成績優秀者にはFPパートナーのストックオプション、株式みたいなものを優秀な営業マンには渡すと。
時価で1,000万円ぐらいのものを付与をするので、競い合いなさい!となると…
この中で頑張ってる募集人の方々は当たり前ですが、3倍や5倍と評価される保険会社の商品を売ると思います。
これは本当に世の中の流れとして良くないのです。
しかし一般の方がこれを知ることは正直、できません。
今は表向きになったからいいのですが…
「一社の商品をゴリ押ししたくないから私は代理店に来たんです!」という本当にピュアな気持ちの募集人の方が、実際は数字に繋がるから会社の商品を販売してしまっているわけなのです。
今関わった各ステークホルダー全員に自分の人生があります。
生きていくために仕事するのは当たり前ですが…
世の中全員がこの世界のために!世の中のために!お客様のために!とは思っていません。
最後にこのしわ寄せはどこに行ってますか?
お客さまです。
だからいい商品を保険会社が作っていて、それが広まっている。
その裏でこういうお金が動いてるのであれば何ら問題ないと思います。
金融庁が把握するべきなのは、そのA社やB社の商品が市場の中でどういう位置付けにあるのか?
これがいいのであれば別に問題ないのではないでしょうか?
いろんな保険の種類の商品があると思いますが…
「たまたまこの方には合っていた」という場合ももちろんありますよね?
あると思いますし、あとそもそも金融庁の厳しい検査を受けた上で作られてる保険商品です。
なので、変なものが売られているという話ではないと思いますよ。
自分に必要な保険を見極めるためにできること
お客さん側が「ありえない!」となるのであれば、自分でどんな商品なのか?を理解して入らないといけませんね。
あとは乗り合い代理店から話を聞くと思いますが…
代理店というのは窓口が1本になっていて、様々な会社の商品を扱っています。
だからこの人から話を聞けばいいんだ!と思いがちですが、実はそうではありません。
裏でいろんな思惑があったりするので…
代理店から話を聞くにしても3社の代理店から聞いたり。
あとは1社専属の保険会社からも聞いてみるなど、いくつかの方向から話を聞いてその上で自分でジャッジするという話になります。
ココザスも保険の代理店の免許を持っていますが、正直全然ちゃんとやっていません。
ちゃんとやってないの意味にもよると思いますけど…
ちゃんとやってないというのは、営業をしていないということです。
本当に欲しいなという方が目の前にいた時に「こんなのありますけど、どうですか?」と差し出す。
なので、営業をちゃんとやっていません。
保険だけではなく、ゴリ押しセールスとは無縁だと思います。
ご相談に乗りますし、やりたいのであればやってみては?と選択肢を広げたいというか…
デパート百貨店のようになりたいなと昔から考えています。
棚にいい商品がいっぱい並んでいて、どれにしますか?どんな気分ですか?と言いながら…
お客様に選んでもらえばいいじゃないですか?というやり方をしています。
中立な立場の人間に対して「代理店からこんなの勧められているよ!」と相談していただいたら、いいと思います。
「それはいいと思いますよ!」や「なんでそんなに条件の悪い保険を代理店が進めているんでしょうね?」ということもあります。
ありますね…
「情報としてこうだよ」はお伝えしますが、最後は自分で決めていただく必要があります。
プッシュしてくるその裏側の思惑はどうなっているんだろう?というところまで考える。
これがとても大事なことです。
これは、保険だけじゃありませんよね。
そのほかの商品もそうですね。
家を買う時や、不動産投資をやる時もそうです。
複数方向に話を聞くことを是非やっていただければと思います。
そのうちの1つに資産形成チャンネル(ココザス株式会社)を加えていただくと、細川が相談に乗りますのでぜひお問い合わせください。
これからどうなるか分かりませんが…
今回は「FPパートナーのマネードクターというサービスがざわついています」というニュースを取り上げていきました。
ありがとうございました。