【県民共済】医療保険よりも審査は比較的ゆるやか
県民共済の審査は、他の医療保険と比べると、比較的ゆるやかな傾向があります。
これは、たとえ持病があっても、一定期間経過していれば加入できる場合があるためです。
もし、糖尿病や高血圧などの慢性疾患をお持ちでも、症状が安定していれば加入が認められることがあります。
ただし、保険商品によって審査の条件や基準は異なります。
したがって、他と比べて「厳しい」「ゆるい」と一概に言えない部分もある点は理解しておきましょう。
県民共済の審査基準・審査方法
県民共済は、告知だけで加入できることが多くなっています。
地域によって多少の例外はありますが、県民共済の告知内容はおよそ以下のようになっています。
●現在の治療状況
・現在、病気やケガの治療中である
・健康診断や人間ドックで検査や治療が必要と指摘されている
・検査中である
●慢性疾患の有無
・慢性疾患の診断を受けている、または医師から治療をすすめられている
・慢性疾患が治ってから5年以内である
●薬の常用
・慢性疾患や中毒のために薬を常用している(例:血圧降下剤、抗糖尿病剤、精神安定剤など)
●過去の入院・通院歴
・過去1年以内に、病気やケガで連続14日以上の入院、または同じ病気やケガで20回以上の通院治療を受けた
・過去3ヵ月以内に心身に異常を感じる症状や変調があった
●手術歴
・手術を受け、治ってからまだ1年以内である
●障害や先天性の病気
・身体に残る障害や先天性の病気により、日常生活において他人の手助けを必要とする状態である
参考|全国生協連「健康告知内容」
上記に該当しない場合は、加入自体はスムーズにできる場合があります。
しかし、保険請求する際には、再度細かいチェックが入る点は把握しておきましょう。
告知違反をした場合はどうなる?
県民共済の審査において、医師の診断書は不要です。
全て自己申告となります。
よって、中には「心身の不調があっても、告知を誤魔化せば良いのでは?」と考える方がいるかもしれません。
しかし、たとえ嘘の申告で加入ができたとしても、請求の段階で違反が発覚すると保険金がおりません。
例えば、過去に心臓病の手術を受けたことを隠して加入し、その後心臓病で入院した場合、保険金が支払われない可能性があります。
悪質なケースでは、解約となるおそれもありますので、嘘はつかず正確に告知することが重要です。
県民共済のメリット・デメリット
県民共済は、他の医療保険と比べて審査が比較的ゆるやかである一方、特有のメリットとデメリットがあります。
加入を検討する際には、これらの特徴を理解し、自分に合った選択をすることが重要です。ここでは、県民共済の主な利点と欠点について詳しく説明します。
メリット
・掛金が安い(割戻金もある)
・医療保障、死亡保障が一つの共済でカバーできる
・幅広い年齢層が加入できる(ただし上限あり)
県民共済の最大のメリットは、掛金が安いことです。
さらに割戻金があるため、実質的な負担が軽減されます。
割戻金とは、共済の運営が黒字だった場合に、加入者に対して掛金の一部が返金される制度です。
具体的な金額は年度や地域によって異なりますが、年間で数千円程度お得になることもあります。
また、医療保障と死亡保障が一つの共済でカバーできるため、複数の保険に加入する手間が省けます。
加えて、幅広い年齢層が加入できる点も魅力の一つです。
子供から高齢者まで、それぞれの年齢に応じた保障を受けられる点から、家族全員で利用することもできます。
以上の特徴から、県民共済は、手頃な掛金で基本的な保障を得たい人に向いていると言えるでしょう。
※補足
県民共済には年齢制限があります。新規加入の年齢制限は以下の通りです
・こども型:0歳から17歳まで
・総合保障型:18歳から64歳まで
・熟年型:65歳から69歳まで
新規加入は69歳までですが、加入後は85歳まで保障が継続されます。
ただし、後ほど詳しく解説しますが、年齢が上がると保障内容が変わる場合があります。
デメリット
・掛金が安い分、保障額も少なめ
・一定年齢以上で保障が少なくなる
・掛け捨てになる
県民共済は掛金が安い分、保障額も少なめであるため、大きな保障を求める人には不向きです。
また、一定年齢以上になると保障が少なくなる傾向があります。
例えば、60歳を超えると保障額が減少し、70歳以上ではさらに少なくなることがあります。※
加えて、掛け捨て型であるため、保険料が戻ってこない点も考慮する必要があるでしょう。
以上の理由から、県民共済だけでは不安な方は、年齢や保障内容に応じて他の保険と併用することも検討したほうが良いかもしれません。
※補足
・60歳を迎えると、保障内容が減少します。
例えば、入院保障額が1日あたり6,000円から3,000円に減少するなどの変化があります。
・65歳を迎えると、保障内容が「総合保障型」から「熟年型」に移行します。
この移行により、保障額がさらに減少します。
・70歳を迎えると、さらに保障額が減少します。
具体的には、入院保障の期間が短縮され、1回の入院につき最大124日から44日に減少します。
また、死亡保障額も減少し、全体的な保障内容が縮小されます。
なお、県民共済は85歳までしか保障されず、終身保障がありません。
県民共済の審査に通らなかった場合はどうすれば良い?
たとえ県民共済の審査に通らなかった場合でも、保険加入を諦める必要はありません。
他の選択肢を検討することでも、適切な保障を得られる可能性があります。
以下に具体的な対応策を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
条件付きの県民共済を検討する
県民共済の審査に落ちた場合でも、条件付きであれば加入できる可能性があります。
例えば、「特定の部位に対する保障を一定期間除外する」「持病に関する保障は対象外とするが、その他の保障は通常通り提供される」といったような条件です。
具体的な条件や手続きについては、県民共済の窓口や公式サイトで一度確認してみてください。
民間の保険会社の引受基準緩和型保険を検討する
引受基準緩和型保険は、持病や既往症がある方でも加入しやすい保険です。
通常の保険と比べて告知項目が少なく、健康状態に不安がある方でも加入しやすいのが特徴です。
例えば、糖尿病や高血圧などの持病がある方でも、引受基準緩和型保険なら加入できる可能性があります。
ただし保険料は、一般の保険よりも1.5〜2倍ほど高めに設定されていることが多いです。
また、「加入後1年間は保険金の支払いが半額になる」など、支払い削減期間が設定されている場合もあります。
これにより、保険会社はリスクを管理しつつ、より多くの人々に保障を提供しているのです。
最近では、保険料を抑えた商品も増えていますので、さまざまな選択肢を検討してみると良いでしょう。
専門家に相談する
ファイナンシャルプランナー(FP)など保険の専門家に相談することで、自身に合った保険を見つける手助けをしてもらえます。
FPは保険商品に関する知識が豊富で、あなたの健康状態や経済状況に基づいて最適な保険プランを提案してくれるはずです。
例えば、持病がある場合や特定の条件で保険に加入できない場合でも、FPは他の保険会社の選択肢や、引受基準が緩和された保険商品を紹介してくれることがあります。
また、保険の審査に落ちた理由を分析し、次回の申請時にどのように改善すれば良いか具体的なアドバイスを提供してくれることも期待できます。
FPとの相談はオンラインで受けている場合も多く、忙しい方でも手軽に専門的なアドバイスを受けることが可能です。
無料相談を提供しているサービスもありますので、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。
県民共済の審査に関してよくある質問
Q.持病がある人でも加入できますか?
A:はい、慢性疾患(持病)があっても症状が安定している場合、県民共済に加入できる可能性があります。
ただし、具体的な加入条件や保障内容は、持病の種類や治療状況によって異なります。
詳しいことは、県民共済の窓口や公式サイトで確認してみてください。
Q.審査に必要な書類は何がありますか?
A:「自己申告による告知書の提出」が主な手続きとなります。
告知書には、現在の治療状況や慢性疾患の有無、過去の入院・通院歴、手術歴などを記載します。
Q.県民共済の審査にはどれくらい時間がかかりますか?
A:審査には通常、1週間程度かかります。
また、申請から保険金が支給されるまでの期間も、およそ1週間が目安です。
しかし、審査の進捗はケースバイケースであるため、前後する可能性は考慮しておきましょう。
Q.審査に落ちた場合の再審査は要求できますか?
A:審査に落ちた場合でも、再審査を要求することは可能です。
ただし、再審査の際には、初回の審査で指摘された点を改善する必要があります。
健康状態が改善された場合や、必要な治療を受けた後に再度申請することで、再審査が通る可能性があります。
まとめ
県民共済の審査は、他の医療保険と比べて比較的ゆるやかで、持病があっても加入できる可能性があります。
告知内容に問題がなければ、スムーズに加入できることが多いです。
ただし、告知義務違反は保険金が支払われなかったり、契約が解除されたりするおそれがあるため注意が必要です。
県民共済のメリットとしては、掛金が安く、幅広い年齢層が加入できる点が挙げられます。一方で、保障額が少なめであることや、掛け捨て型であるというデメリットも考慮しなければなりません。
審査に通らなかった場合でも、他の保険商品を検討したり、専門家の相談を受けたりして、適切な保険を再度探してみてください。
本記事が、あなたの保険選びの参考になれば幸いです。