新NISAの金額変更のデメリット
始めに新NISAの積立金を変更するデメリットから紹介します。
(2)下落時の損失が大きくなる
(3)資産形成のスピードが遅くなる
金額変更は必ずしも行わなければいけないわけではありません。金額変更することによって起こるデメリットをひとつずつ確認しておきましょう。
(1)ドルコスト平均法の恩恵を受けにくくなる
新NISAで金額変更を頻繁に行うと、ドルコスト平均法の恩恵を受けにくくなるというデメリットがあります。
ドルコスト平均法とは、株式や投資信託、外貨預金などのように価格変動がある商品を毎月同じ時期に(定期的に)、一定金額分ずつ購入する投資方法です。
この方法により価格変動のリスクを抑えることができますが、金額変更を何度も行うとドルコスト平均法の恩恵が受けられなくなります。
(2)下落時の損失が大きくなる
新NISAの金額変更をすると、下落時の損失額も大きくなるデメリットがあります。値動きが下落している時に積立金を増やすと、その分損失額も大きくなるためです。
例えば利回りが-2%となっている銘柄を運用していたと仮定します。毎月5,000円ずつ積立していた場合、1年間で1,200円の元本割れが生じます。その金額を取り返そうと積立額を増やしても、利回りがマイナスになっていれば比例して損失額も大きくなります。
一方で、積立額を低くすれば損失額も抑えられるようになります。
ただし、そもそも利回りがマイナスなまま運用すると、損失額が大きくなるので資産の組み換えを検討しましょう。
(3)資産形成のスピードが遅くなる
積立額を減額させた場合、資産形成のスピードが遅くなります。
例えば目標金額を1,000万円とすると、利回り5%の銘柄であれば5万円の積立額で12年2ヶ月で達成します。しかし、積立額を1万円にすると32年11ヶ月かかることになります。
運用途中で積立額を減額させると、目標到達まで時間がかかってしまうことになるため、減額は慎重に判断する必要があります。
新NISAの金額変更のメリット
一方金額変更にはメリットもあります。ここでは2点紹介します。
(1)投資リスクの管理がしやすくなる
金額変更には投資リスクの管理がしやすくなるメリットがあります。保有資産の利回りがマイナスとなっていた場合、積立額を低くすれば損失額を抑えることができます。
新NISAは長期運用することで利益が安定するものですが、確実に増えるという保証はありません。場合によっては元本割れが続くこともあるのです。
そのような事態に対処するには、保有銘柄の組み換えや積立額の減額などが挙げられ、金額変更は柔軟にリスク管理ができるメリットがあります。
(2)収入に合わせて運用できる
金額変更は自身の収入に合わせて運用することができるメリットがあります。
大きな出費が嵩んだり、自身の収入が低下した際は、積立額が生活の負担になる可能性もあります。
その際に金額変更できれば、無理なく運用を続けることができるでしょう。
もちろん金額が減ると将来得られる利益も少なくなりますが、新NISAを休止せずに運用できます。
新NISAの金額変更を行うタイミングは
では新NISAの金額変更はどのタイミングで行うべきなのでしょうか。
ここでは3つのタイミングを紹介します。
(1)目標金額が変わった時
目標金額が変わった時は、積立額の金額変更を行うタイミングです。
目標金額が変わることはよくあるケースです。
・老後にやりたいことが明確にでき、現状の目標金額では足りないので増やす
・子どもが独立した段階で住み替えを検討したい。そのための住宅取得資金を貯めておきたい
上記のように、目標金額は各家庭によって変わることが多々あります。
目標金額が増えた場合、増額し、さらなる利益を狙う運用を行います。また、現状の積立額では目標金額に到達するまで時間がかかる場合も増額して時短を図ります。
一方、目標金額が下がった場合は計画通り現状のまま運用するか、減額して時間軸は変わらないようにするという選択肢もあるのです。
(2)収入が増減した時
積立している方の収入が増減した場合は、金額変更を行うタイミングです。
昇給や転職により収入が増えた場合、銀行に預け入れておくより新NISAの積立額に回した方が、効率よく増やすことができるでしょう。(元本割れのリスクはあります。)
一方結婚や出産などにより支出が増えた場合や収入が減少してしまった場合、新NISAの積立額も減額した方が生計の安定につながります。
新NISAをはじめ、資産運用や投資は余剰資金で行うのが鉄則です。無理な金額で運用するのではなく、柔軟に調節しましょう。
(3)他の投資と分散投資する時
他の投資や資産運用などと分散投資する際は、金額変更を行うタイミングです。
現在投資している銘柄の成長が見込めそうにないと思えば、投資銘柄を分散する方法もあります。
また、新NISA以外にも、iDeCoや投資信託、株式投資など資産運用にはさまざまな種類があります。
これらの資産運用を始める際は、まずは余剰資金があるのかを確認します。現状の資金では難しい場合、新NISAでの積立額から回して運用することもできます。
分散投資は、損失リスクを抑えるために行うものであり、資産運用や投資の世界では当たり前のことです。
新NISAだけで運用しても、損失が生じた時の金額も大きくなるため余剰資金からいくつかの投資や銘柄に分けて運用しておくものなので、金額変更するタイミングでもあります。でもあります。
金額変更がおすすめできないケース
金額変更がおすすめできないケースは「損失を取り戻そう」とするタイミングです。
例えば株式などは安値で購入し、高値で売却するのが鉄板です。しかし、どこが安値であるのかは専門家であっても見極めるのが困難です。
そのタイミングがわからないにもかからわず、損失を取り戻そうと株価が下落したタイミングで買い増しや積立額の増額を行うと、さらに損失が嵩む可能性も高くなるでしょう。
資産運用初心者の方は、短期的な損失に我慢できなくなる人も多く、すぐに売却したり、増額しようと考えます。その結果損失が膨らんだり、将来的に資産が伸びる可能性を失くしているのです。
新NISAは毎月定額で長期間運用する積み立て投資であり、それにより短期的な損失をカバーすることが特徴です。値動きに合わせて積立額を変えているとバランスが崩れてしまうため、損失を取り戻そうと考えずに運用しましょう。
金額変更を検討する際は、専門家であるファイナンシャルプランナーへ相談することをおすすめします。
新NISAの運営状況やお客様の収入・資産状況に合わせ、適切な金額を設定してくれます。また目標金額に対してのシミュレーションなども一緒に行ってくれるため、安心して金額変更することが可能です。
ココザスはファイナンシャルプランナーとして、お客様の新NISAに関するお悩みや疑問の相談を承っております。
金額変更すべきか悩んでいる方や、そもそも新NISAの運用がうまくいっていない方のサポートを行っています。
ココザスは相談料が無料です。新NISAでお困りごとがございましたら、ぜひ一度ご相談下さいませ。
新NISAの積立額を変更する方法
ここでは、新NISAの積立額を変更する方法を紹介します。
(1)楽天証券で新NISAの金額変更をする場合
楽天証券で新NISAの金額変更をする際は以下の手順で進めます。
・STEP 2 積立設定の変更する項目を入力する・・・積立設定の変更したい項目を入力します。
・STEP 3 変更内容を確認する・・・変更内容と設定適用開始日を確認します。
・STEP 4 変更を完了する・・・暗証番号を入力し、設定するをクリックすれば完了です。
楽天証券では積立設定にはお申込み締切日があり、締切日までに変更すると、次回の積立購入から変更されます。
(2)SBI証券で新NISAの金額変更をする場合
SBI証券で新NISAの金額変更をする際は以下の手順で進めます。
・STEP 2 金額変更する銘柄の「変更」をクリックします。
・STEP 3 「設定変更入力(積立買付)」画面にて、変更される項目と取引パスワードをご入力し、「設定確認画面へ」をクリックする。
・STEP 4 「設定変更確認(積立買付)」画面で、内容を確認いただき「設定変更」をクリックする。
以上がSBI証券で金額変更する方法です。
(3)その他の金融機関で新NISAの金額変更をする場合
上記の証券会社以外の金融機関などで金額変更する方法は、各証券会社のPCサイトにログインし、新NISAの画面へ移行します。
その後金額変更の項目があるので、クリックして変更しましょう。最後に暗証番号などを入力すれば手続き完了です。金額変更の方法は各証券会社によって異なるため注意してください。
新NISAの金額変更でよくある質問
ここでは新NISAの金額変更でよくある質問を紹介します。
(1)旧NISAのつみたてNISAは2024年以降も金額変更ができる?
旧NISAのつみたてNISAは、2024年以降は新規積立と金額変更はできなくなっています。
旧NISAは2023年12月に終了した制度ですが、非課税期間終了までそのまま運用を継続できます
(2)何回金額変更できる?
新NISAの金額変更は、制限なく何回でもできます。金額変更に関しても手数料などは発生しません。
ただし、変更された積立金額の反映は金融機関や設定タイミングによって異なるため、確認しておきましょう。
(3)金額変更が反映されるのはいつ?
金額変更が反映されるのは、各証券会社によって異なります。積立指定日の前営業日までや、前月の12日までと定められているケースが多いです。
タイミングを誤ると、金額変更する前の額が引き落とされるので、事前に確認しておきましょう。
まとめ
新NISAの金額変更をすることで、ドルコスト平均法の恩恵が無くなったり、将来得られる利益が減るなどのデメリットが生じます。
しかし、自身の収入や投資リスクの管理など、柔軟に金額変更される方も多いです。
金額変更をする際は、事前に専門家に相談し、「今すべきか」「どれくらい変更したらよいか」のアドバイスをもらうようにしましょう。
むやみに金額変更すると大きな損失につながったり、資産を増やす機会を失うことにもなりかねないため、専門家のアドバイスを受けながら検討することをおすすめします。