家計・貯金

40代のボーナス貯金割合は30%が目安!年収・ライフステージ別の最適シミュレーション

ボーナスをもらったとき、いくら貯金に回すべきか迷うことはありませんか?
とくに40代は、教育費や住宅ローンなど、大きな支出が重なるタイミングです。
「世間はどのくらい貯金しているのか?」「自分は足りているのか?」と不安に思う人も多いでしょう。

本記事では、40代のボーナス貯金割合の“目安”を示しつつ、年収やライフステージに応じた具体的な貯金プランを解説します。
公的なデータも参考に、あなたにぴったりの貯金割合を見つけましょう。

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この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

40代のボーナス貯金割合は手取りの「3〜5割」を目標に

結論から言うと、40代がボーナスから貯金に回す割合は、手取り額の3〜5割が1つの目安になります。

この数字は、ボーナスの主な使い道である「将来への備え」「特別な支出(ローン返済など)」「自分へのご褒美」のバランスから来ています。

💡 最低でも確保したい「3割」

家計管理で目標とされることが多い「手取りの2割貯金」を基準にするなら、ボーナスからはそれ以上の割合を貯金したいところでしょう。

まず3割を確保することで、将来の大きな支出に備える足がかりができます。

例えば手取りが80万円なら3割は24万円。

年2回のボーナスであれば約50万円となり、これを数年続ければ大学の入学金など、来るべきまとまった出費にも対応しやすくなります。

💡 理想の目標としたい「5割」

手取りの半分を貯金に回せれば、教育資金や老後資金の準備が大きく進みます。

残り半分はレジャーや買い物に使えるため、生活の満足度と将来への安心感を両立しやすいのがこのラインです。

月々の給料で生活費をまかなえているなら、まずは「3〜5割」を基準に、ご家庭の事情に合わせて配分を考えるのがおすすめです。

ボーナスの貯金割合は年収で考える|40代のシミュレーション

貯金割合の目安は30〜50%といっても、年収やボーナスの額によって現実的な金額は変わってきます。

国税庁「民間給与実態統計調査」では、平均給与460万円に対して平均賞与は71万円というデータが確認できます。

この平均賞与の比率(約18.4%)を1つの参考として、年収ごとのボーナス額を仮定し、貯金額の一例をシミュレーションしていきます。

実際の支給額や家計状況は世帯によって異なるため、あくまでも目安として参考にしてください。

年収450万円のケース

年収450万円の場合、ボーナス額は約83万円が1つの目安です。

この年収帯では、月々の給料だけで家計に余裕を持たせるのは簡単ではありません。

そのためボーナスは、家電の買い替えや車検代、年払いの保険料といった「生活に必要な特別支出」に充てられることが多いのが実情です。

しかし、それらの支払いにボーナスをすべて使ってしまうと、将来のための貯金が全く進みません。

そこで、まずボーナスから約25万円(目安として30%)を先に貯金し、残りの58万円で特別支出をやりくりすることが推奨されます。

年収600万円のケース

年収600万円の場合、ボーナス額は約110万円が目安です。

年収600万円台になると、月々の給料で生活費をまかなえるようになり、ボーナスをまとまった余剰資金として捉えやすくなります。

そのため、生活必需品の補填が課題だった年収450万円のケースとは異なり、娯楽と貯金へどう配分するかの選択が中心になります。

1つの考え方として、ボーナスから約30%(約33万円)を先に貯金する方法があります。

先に貯金額を確保すれば、残りの約77万円は旅行や買い物といった娯楽に安心して充てることができます。

将来への備えと現在の楽しみを両立させやすい、バランスの取れた割合と言えるでしょう。

年収800万円以上のケース

年収が800万円を超えてくると、ボーナス額も150万円以上になるなど、まとまった金額になります。

この年収帯では、資産形成のペースをさらに加速させるため、より高い貯金割合である40〜50%を目指すと良いでしょう。

ボーナスごとに数十万円単位で貯金することで、「住宅ローンの繰り上げ返済」や「現金を1,000万円貯める」といった大きな目標を達成するスピードが格段に上がります。

例えば、ボーナスが180万円の場合、50%を貯金すれば1回で90万円。

年2回なら180万円となり、圧倒的なスピードで資産を築くことが可能です。

高い割合で貯金しても、残りの金額で生活の楽しみを十分に確保できるのが、この年収帯の強みです。

40代のボーナス貯金割合は世帯構成でも変わる

同じ年収でも、世帯構成が違えば支出の中身も貯金に回せる余力も変わります。

「なぜ自分はボーナスをうまく貯金できないのか」「この割合でいいのか」と悩んだときは、家族構成による前提の違いを整理してみるのが有効です。

こちらでは、代表的な3つの世帯パターンで、ボーナス貯金に影響する要因を具体的に見ていきます。

独身世帯

一人暮らしの場合、支出全体を自分の裁量でコントロールできるのが特徴です。

例えば年収450万円(月々の手取り約25万円)で生活費を18万円に抑えれば、毎月7万円ほどの余裕が生まれます。

月々の収入だけで家計が黒字であれば、生活費の補填にボーナスは不要となるため、ボーナスの3〜5割を貯金に回すことも可能です。

一方で、自由度が高い分、趣味や旅行、買い物などで支出が膨らみがちです。

無駄使いの不安のある方は、あらかじめボーナスの予算を「将来のための貯金」「スキルアップなどの自己投資」「現在の楽しみである消費」の3つに、振り分けておくと良いでしょう。

夫婦二人世帯

子供がいない夫婦世帯では、生活費を2人で分担できるため、支出を抑えやすい傾向があります。

例えば、共働きで合算年収800万円(月々の手取り合計約45万円)の家庭を考えてみましょう。

生活費が30万円なら、月々15万円もの貯蓄が可能です。

月々の給料からこれだけ貯蓄できるため、ボーナス貯金の主な目的は、夫婦二人の老後資金作りになります。

ボーナスの3〜4割を目安とし、余裕があれば5割を目標に貯金するのがおすすめです。

※ただし、片働き世帯の場合は可処分所得が減るため、この限りではありません。

子供あり世帯

子供がいる家庭では、夫婦のみの世帯とは異なり、支出の項目と金額が一気に膨らみます。

食費や水道光熱費といった基本生活費が上がるだけでなく、習い事の月謝、塾の費用、学校関連の集金など、毎月数万円単位の「教育関連費」が家計に大きくのしかかります。

月々の給料から十分な貯蓄をすることが難しく、ボーナスを塾の季節講習費や進学費用の一部にあてるなど、「あらかじめ使い道が決まっているお金」になりがちです。

すべての支払いを終えた後で「残ったら貯金しよう」と考えていては、ゼロになってしまう可能性が高いでしょう。

だからこそ、ボーナス支給額の5〜10%だけでも、まず「将来のための資金」として先に確保することが重要になります。

例え少額でも、この習慣を続ければ、数年後には数十万円単位のまとまった資金を作ることができます。

40代のボーナス事情|平均支給額と貯金意識の実態

世の中の40代がどのくらいのボーナスをもらっているかを、公的なデータで確認します。

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によれば、2024年の夏季賞与の平均支給額は約41万4,515円とされています。

貯金とは少し異なりますが、これまで築いてきた資産の全体像として「金融資産(貯金や投資を合わせた資産)」のデータも見ていきましょう。

40代・二人以上世帯における中央値は200万円です。

中央値200万円とは、日本中の40代世帯を資産額の順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる世帯の金額です。

平均ボーナス約41万円と資産の中央値200万円。

これらの数字は、ご自身の現在地を客観視し、自分なりの貯金計画を立てるための「ものさし」です。

例えば、「ボーナスは平均より多いが、総資産は中央値より少ないから、今回は貯金割合を少し上げてみよう」といったように、具体的な目標設定に活用してみてください。

※参考:金融広報中央委員会|家計の金融行動に関する世論調査(令和5年・二人以上世帯)

40代がボーナスを貯金すべき3つの理由

40代は、他の年代に比べて支出の負担が一気に増える時期です。

貯金割合を考える前に、なぜ備えが必要なのか、その理由を3つ整理しておきましょう。

(1)教育費が家計を圧迫しやすいから

40代になると、子供が高校や大学に進学する時期と重なる家庭が多く、教育費の負担が一気に増します。

入学金や授業料などに加え、私立や塾に通う場合はさらに支出が大きくなります。

例えば大学4年間でかかる教育費は、国公立大学でも約250万円、私立大学なら約450〜500万円以上が目安です。

子供が複数いる家庭では進学時期が重なることもあり、家計への負担は想像以上になるでしょう。

このように、40代は教育資金のピークが迫るタイミングであるため、ボーナスの一定割合を貯金に回して備えておく必要があります。

(2)住宅ローンの返済が長く続くから

住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンを組む平均年齢は30代後半〜40代前半とされています。

そのため40代は、これから20年、30年と続く住宅ローンの返済と向き合い始めるタイミングと言えます。

また、毎月の返済に加え、固定資産税や火災保険料の支払いも発生します。

さらに、将来必要になる外壁塗装や給湯器の交換といった、100万円単位の修繕費用についても、計画的に準備を始めるべき時期です。

こうした将来の大きな出費に備えるため、ボーナスから計画的に貯金しておく重要性が高まります。

また、将来の利息を減らすための繰上返済を検討するにも、ボーナスからまとまった資金を捻出できるかどうかが、判断材料の1つになるでしょう。

(3)老後資金も同時に準備を進める必要があるから

老後までの期間が具体的に見え始める40代は、資産形成を本格化させるべき重要な時期です。

年金や退職金だけでは将来の生活をまかないきれないという現実が見えてくるなか、老後への備えの重要性はますます高まります。

iDeCoやNISAなどの制度を活用しつつも、ある程度の現金を確保しておくことで、将来の選択肢が広がります。

とくに、子供の教育費や住宅ローンといった支出と並行して老後資金を積み立てるには、日々の収入だけでは対応しきれないケースも少なくありません。

ボーナスを活用して、老後に向けた備えを同時に進めておくことが重要です。

ボーナスを使う前に確認すべき4つのこと

「ボーナスの3〜5割を貯金に回すのが理想」とはいっても、家庭によって事情は様々です。

実際に貯金割合を決める前に、自分にとって優先すべき支出が何かを整理することで、無理のない配分が可能になります。

ここでは、40代の方がボーナスを使う前に見直しておきたい4つのポイントを確認します。

(1)住宅ローンの繰り上げ返済を優先すべきか

住宅ローンを返済中の方は、繰り上げ返済にいくら充てるかをまず検討しましょう。

まとまった支出になるため「先に繰り上げ返済の金額を確保し、残ったボーナスの中で貯金やその他の支出を配分する」の順番で考えると計画が立てやすくなります。

繰り上げ返済には、総支払利息を減らせる大きなメリットがあります。

特に、変動金利で将来の金利上昇が不安な場合や、返済期間を短縮したい場合には有効な選択肢です。

ただし、手元の現金(生活防衛資金)が不足するリスクも考慮し、ご利用中の金融機関サイトで「繰り上げ返済シミュレーション」を試して、具体的にいくら利息が減るのかを把握してみましょう。

(2)教育資金の積立に十分な準備があるか

子育て中のご家庭にとって、教育資金の準備は優先度の高い課題です。

ボーナスの貯金割合も、この教育資金の進捗状況によって大きく左右されます。

不足額が大きい場合はボーナスの多くを教育資金に充てる必要がありますし、準備が進んでいれば他の目的に回す余裕が生まれます。

ボーナスの配分を決める前に、教育資金の「目標額」と「現在の貯蓄額」を書き出し、不足額を明確にしましょう。

(3)老後資金の備えが不足していないか

40代にとって、老後資金の準備は避けては通れない課題です。

準備が不足していればボーナスからの補填が必要ですし、順調であれば他のことにお金を使えます。

ボーナスの配分を考える前に、金融機関の「老後資金シミュレーション」などを活用し、現時点での不足額を把握しておきましょう。

(4)自己投資やレジャー費を入れすぎていないか

ボーナスはご褒美として使う楽しみも大切ですが、使いすぎは計画倒れの原因になります。

「思ったより使ってしまった」という後悔を防ぐには、客観的な支出の把握が欠かせません。

ボーナスの配分を考える前に、前回のボーナス明細やクレジットカードの履歴を確認し、「ご褒美」にいくら使ったかを振り返ってみましょう。

「3〜5割」を目安に、自分だけの最適解を見つけよう

本記事では、40代のボーナス貯金割合として「3〜5割」というつの目標を提示しました。

しかし、この数字は、あくまで自分だけの答えを見つけるための「ものさし」です。

本当に大切なのは、3〜5割の目安を参考にしつつ、「住宅ローンの繰り上げ返済」や「教育資金の進捗」といったご自身の状況と照らし合わせ、あなたにとって最適な割合を見つけることです。

世間の平均と、ご自身の未来設計

その両方を視野に入れて、納得できるボーナスの使い方を計画していきましょう。

この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
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資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

保有資格

AFP(日本FP協会認定)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

第一種証券外務員

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