投資用不動産のセミナーはなぜ多いのか
このようなセミナーは、土日の午後、平日の夜に開催されることが多いのですが、なぜ「不動産投資セミナー」は多いのでしょう。
例えば、ペットボトル飲料やパンなどは、週に何度も購入する方が多い一方で、生涯で1~数回しか購入(購買)しないものもあります。
例えば、住宅、車、またお墓などは何世代で1度の購入となります。
これらを数値化したものが「購買頻度指数」と呼ばれるものです。
かつてリクルート社が発行していた情報誌の多くは、就職(かつては1度就職すると定年まで勤務していた)、車(=カーセンサー)、住宅(=住宅情報、現SUUMO)、結婚式(=ゼクシィ)と、おそらく生涯に数回程度の購買(=支払い)経験をしないものばかりで、「購買経験が少ない」ため、「情報が少なく(=情報が欲しく)」、めったに起こらないことなので、「失敗したくない」という思いが働きます。
内容のよいセミナーの見分け方
初めての方にとって、「投資用の不動産を購入する」ということは、これと似たような思いが働きます。
以前(前述リクルートが情報誌を多く発刊していた頃)とは異なり、いまではネットで検索すればある程度の情報が入手できますが(本原稿のように)。
しかし、ネットにはない、「より鮮度の高い情報を得たい」・「より真実の投資事情が知りたい」、「生の声を聞きたい」、という思いが強くあるようです。
また、実際の販売会社(=不動産会社)や担当者と接点を持つことで、「確かめたい」
という気持ちもあり、こうしたことからセミナーに参加する方が増える、という構図となっています。
つまり「よいセミナー」選びの基準は、ネットでは得られない「事実に基づいた真実の情報」、「鮮度の高い情報」、「投資をした生の声」を得られるかどうかであり、これらを感覚的な説明ではなく、「誰もが理解できるように論理的に解説」しているか、そして「その論理には再現性があるか」つまり、「参加者の方も実践可能か」という点も大切です。
私の成功体験披露型セミナーには注意
投資の生の声(=実体験)は誰もが聞きたいものです。
しかし、講師の方が、自分の体験を披露して、「だから同じようにしよう」という説明は、いかにも売り込み的です。
先に述べた「理論の再現性がない」とは、「私はこうして上手くいった」という、「私の成功体験を論拠」としている解説です。
こうした解説を聞けば、「それは、あなただから上手くいったのですか?」、「私も同じような事ができますか」と聞き返したいと思うでしょう。
こうした「私の成功体験披露」型のセミナーに参加すれば、その後に「売り込み」が待ち構えていますので、注意が必要です。
成功体験は、あくまで「参考程度」に聞くことが重要です。
セミナーの種類とポイント
ここで、簡単にセミナーの種類について説明しておきます。
不動産投資セミナーは色々ありますが、大きく分けると①イベント会社・メディア企画型②販売会社(不動産会社)主催型③サークル型 に分けられます。
② 販売会社(不動産会社)主催型
③ サークル型
①のイベント会社・メディア主催型は、東京ビッグサイトなどのINDEX会場で行われ、多くの不動産投資系企業が出展します。
そこで開催されるセミナーです。
一度に多くの企業が比較でき、複数の講師のセミナーを聞くことができて、効率的です。
②の販売会社(不動産会社)主催型は、もっとも多く主催されている開催パターンです。
これは、本原稿ではこの②をイメージして執筆していますので、本原稿を読んで見分けてください。
③のサークル型は、「〇〇実践勉強会」「〇〇ワンルーム投資サークル」(名称は、すべてイメージです)とい名前で行われており、年会費などを払って「有益な情報」を得ることができることを謳っています。
しかし、サークルでの勉強会の実態は、「私の成功体験披露会」であることが多いようです。
役に立つ不動産投資セミナーとは
ここまで述べたように、「有用な」不動産投資セミナーでは、鮮度の高い情報を提供し、データなどの論拠に基づいた解説があり、論理的な解説がされ、再現性の高い手法が解説されます。
ここまで、セミナー内容(講師)の良し悪しを見分けることを念頭に述べてきましたが、この見分け方は「営業担当者」から受ける提案でも同様です。
よいセミナーを開催している不動産会社では、こうした教育がしっかりされていると思われますので、セミナーに参加して内容を吟味すれば、「この会社から買っていいかどうか」が判別できるでしょう。