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太陽光発電の低圧と高圧の違い
※1:2,000kW以上は特別高圧(基本的には法人が大規模事業として行うため、今回は割愛)
※2:キュービクル高圧受電設備(太陽光発電で発電した電気を100V・200Vへ変圧して送電するための設備)
太陽光発電には、主にソーラーパネルとパワーコンディショナーという2つの設備がありますが、設備容量が50kW未満を低圧、50kW以上を高圧と分類されます。
厳密には、交流電圧や直流電圧の強さも低圧か高圧かを分ける要素になりますが、基本的には設備容量が50kW未満か以上かで区別して問題ありません。
設備容量は、ソーラーパネルとパワーコンディショナーどちらか小さい方の値で決まります。
(例)
ソーラーパネル:110kW
パワーコンディショナー:49kW
パワーコンディショナーが50kW以下なので低圧(49kW)になる
また、50kW以上の高圧の設備になると、安全に維持管理するために、キュービクルの設置や保安規定の届出などのさまざまな義務が発生します。
参考|経済産業省「太陽電池発電設備を設置する場合の手引き」
今の段階では、ひとつひとつの義務がどんな内容かをはっきり理解する必要はありません。
低圧と高圧どちらを選ぶかによって、課される義務やコストに違いが出てくるということは押さえておきましょう。
どちらが自分に合っているのか、双方の特徴をさらに理解するために、低圧・高圧を比較しながら、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
低圧の3つのメリット
低圧のメリットは、以下の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
(2)早く始められる
(3)運営コストが比較的安い
低圧のメリット(1)参入しやすい
低圧が高圧に比べて参入しやすい理由は、以下の通りです。
・小規模で、土地が狭くても設置できる
・特別な義務や手続きがなく、手間がかからない
・第二種工事士でも作業できる
(高圧は第一種工事士(認定電気工事従事者)による作業が必要)
低圧は、キュービクルを設置する必要がなかったり、電気主任技術者を選任する必要がなかったりと、高圧に比べると初期費用・維持費用が安く抑えられます。
また、狭い土地でも設置でき、特別な義務や手続きが発生しないため、高圧よりもハードルが低くなります。
設置工事に関しても、より高度な技術が必要な第一種工事士でなくても可能です。
低圧のメリット(2)早く始められる
低圧は、高圧よりも早く始められる傾向があります。
その理由は、以下の通りです。
・手続きが少ない
・工事期間が短い
低圧のメリット(3)運営コストが比較的安い
低圧か高圧かに関わらず、太陽光発電には初期費用である設置費用以外にも維持管理するためのメンテナンス代や保険代などの運営コストがかかります。
しかし、高圧に必要な費用はかからないため、運営コストは比較的安く抑えられます。
低圧にすることで抑えられるコストは以下の通りです。
低圧の3つのデメリット
メリットだけでなく、デメリットにも目を向けてみましょう。
低圧のデメリットは、以下の3つです。
(2)売電できるのは余剰電力のみ
(3)コストパフォーマンスは高圧ほどよくない
低圧のデメリット(1)売電収入はそれほど大きくない
低圧は小規模発電のため、そもそもの売電収入を大きく見込めません。
低圧発電にも初期費用・維持費は必ずかかるため、収入からコストを差し引けば、手元に残る金額が限りなく少なくなる場合もあります。
低圧のデメリット(2)売電できるのは余剰電力のみ
以前は低圧でも全量売電できましたが、2020年4月にFIT制度が改正されたことにより、それ以降FIT認定を受けた設備は、発電した電力の30%以上を自家消費しなければならなくなりました。
逆にいえば、2020年度までにFIT認定を取得した物件を入手すれば、全量売電が可能です。
低圧のデメリット(3)コストパフォーマンスは高圧ほどよくない
低圧のコストパフォーマンスはそこまでよくありません。
余剰電力しか売買できず、規模が小さいため1kWあたりの建設費用は高圧に比べると高くなってしまう一方、売電収入がそれほど大きくないためです。
また、低圧で発電できる小規模な土地は宅地用のものが多いため、坪単価が高くなってしまうことも、コストパフォーマンスを下げる要因となります。
高圧の3つのメリット
高圧のメリットは、以下の3つです。
(2)全量売電できる
(3)コストパフォーマンスがよい
高圧のメリット(1)売電収入を大きく見込める
規模が大きく発電量が大きいため、売電収入を大きく見込めます。
のちに解説する初期費用や維持費用の高さがデメリットでもありますが、それを差し引いても大きく収益を狙えます。
高圧のメリット(2)全量売電できる
低圧は30%以上を自家消費しなければならない一方で、高圧で発電した電力は、すべて売電することができます。
高圧が売電収入を大きく見込めるのは、規模の大きさだけでなく全量売電できることもひとつの理由となっています。
高圧のメリット(3)コストパフォーマンスがよい
コストパフォーマンスがよいことも、高圧のメリットです。
確かに高圧は、規模が大きく、多額の初期費用と維持費用が必要です。
しかし、規模が大きくなるほど1kWあたりにかかる建設費用は安くなり、売電収入が大きく見込めることで、高い利回りが期待できます。
また、高圧を行えるような規模の大きい土地は、山や原野などの広くて坪単価が安い土地が多く、低圧よりコストを抑えられる要素にもなります。
高圧の3つのデメリット
メリットだけを鵜呑みにするのではなく、デメリットも十分に理解することが大切です。
高圧のデメリットは、以下の3つです。
(2)始まるまでに時間がかかる
(3)運営コストが比較的高い
高圧のデメリット(1)義務・手続きが多く手間がかかる
先に解説した通り、高圧には低圧にはない義務や手続きがあり、手間がかかることはデメリットと言えるでしょう。
・電気主任技術者の選定
・保安規定の届出の義務
・第一種工事士(認定電気工事従事者)による作業
高圧のデメリット(2)始まるまでに時間がかかる
電力会社や国への手続きの工程が多かったり、電力会社が行う連携接続工事に時間がかかったりと、始まるまでに時間がかかります。
それぞれの申請や工事については、そのときの状況によりますが、早くて3ヶ月、平均的には6ヶ月程度かかると考えておくとよいでしょう。
参考|太陽光発電協会「設置までの流れ」
高圧のデメリット(3)運営コストが高い
高圧は、低圧でかかる初期費用・維持費用とは別に、下記の費用が必要です。
最低でも130万円程度、キュービクルの金額や内部機器を含めた場合はそれ以上の追加費用がかかります。
運営コストが高いことがデメリットではありますが、発電した分すべてを売電できたり、大規模施設によって効率的に発電できることにより、総じてコストパフォーマンスがよいと言えます。
太陽光発電でより効率よく発電するコツはパネル過積載
太陽光発電でより効率よく発電するコツとして、パネル過積載という方法があります。
パネル過積載とは、パワーコンディショナーの設備容量以上のソーラーパネルを設置することです。
基本的に、ソーラーパネルが多ければ多いほど発電量が増え、売電収入が増えます。
ただし、たとえ多く発電できたとしても、売電できる最大の量はパワーコンディショナーの設備容量までであり、それ以上の電力は捨てることとなります。
しかしながら、1日を通してソーラーパネルの容量いっぱいに発電できるほどのよい条件は多くありません。
ソーラーパネルは、太陽光がパネルに垂直に照射されないと最大限の発電ができないので、ピークの時間帯以外は悪天候のときには、必然的に発電量が減ってしまいます。
パネル過積載をすることで、ピーク以外の時間帯の発電量を増やせるので、結果的に全体的な発電量が増え、効率のよい発電ができます。
また、パワーコンディショナーの設備容量を50kW未満に抑えておけば低圧として発電できるため、高圧に必要な義務や運営コストを抑えられるというメリットがあります。
まとめ
今回は、太陽光発電の低圧・高圧それぞれの特徴をもとに、メリット・デメリットを解説しました。
まとめると、以下の通りです。
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