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資産運用に欠かせないアセットアロケーションとは?ツールやポートフォリオ例を紹介

  • #アセットアローケーション

「アセットアロケーションってなに?」
「アセットアロケーションの決め方は?」
「アセットアロケーションのポートフォリオ例を知りたい」

資産運用を成功させるカギは、「どの商品を買うか」ではなく、「どう資産を配分するか」にあります。
資産運用の成果の大部分はアセットアロケーション(資産配分)によって決まるとも言われており、初心者から上級者まで欠かせない考え方です。

しかし、資産運用初心者の方にとってはどのような意味なのか分からない方も多いことでしょう。

この記事ではアセットアロケーションの概要と決め方について解説します。重ねてアセットアロケーションツールとポートフォリオ例も紹介するのでぜひ参考にして下さい。

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この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

アセットアロケーションとは?

アセットアロケーションについてよく分からないという方に向けて、ここでは意味やポートフォリオとの違いについて紹介します。

資産配分のこと

アセットアロケーションとは、株式・債券・不動産・現金など、異なる種類の資産にどのように配分するかを決めることを指します。

例えば「株式50%・債券30%・現金20%」というように、リスクとリターンのバランスを考えて資産を分散するのが基本です。

どの資産クラスに、どのくらいの金額を運用するかによって、リスクの大きさやリターンの可能性が大きく変わるため、アセットアロケーションは資産運用の土台となります。

ポートフォリオとの違い

アセットアロケーションは「資産クラスごとの配分割合」を指すのに対し、ポートフォリオは「実際に保有している具体的な金融商品の一覧」のことです。

例えば、アセットアロケーションで「株式50%」と決めた場合、その中身(ポートフォリオ)は「日本株25%、米国株25%」といった形になります。

以下の表に違いをまとめました。

項目 アセットアロケーション ポートフォリオ
意味 資産クラス(株式、債券、現金など)の配分割合 実際に保有している具体的な資産運用商品の組み合わせ
目的 リスクとリターンのバランスを取る 資産運用目的に応じた商品選定
対象 資産クラス(例:株式・債券・不動産など) 個別銘柄や投資信託、ETFなど
株式50%・債券30%・現金20% トヨタ株10%、米国S&P500 ETF30%、日本国債20%など
投資計画への関与 長期的な戦略のベースを形成 アセットアロケーションに基づいた具体的な構成

投資成果の90%近くはアセットアロケーションで決まる

投資リターンの90%はアセットアロケーションで決まると考えられています

これは1986年に発表された有名な論文「Determinants of Portfolio Performance(Brinson, Hood, Beebower)」を根拠とした考え方です。

この研究では、ポートフォリオのリターンのうち約91.5%がアセットアロケーションによって説明できるとされ、業界で広く知られるようになりました。

つまり、「どの銘柄を選ぶか」よりも、「どの資産クラスにどのくらい配分するか」のほうが、長期的なリターンに与える影響は大きいということです。

そのため、どんな投資スタイルであっても、まずはアセットアロケーションをしっかり考えることが非常に重要なのです。

アセットアロケーションの決め方

ではアセットアロケーションはどのように決めていくのかについて詳しく紹介します。

(1)必要なリターンを計算
(2)リスク許容度を決める
(3)資産配分を決める
(4)リスク&リターンのバランスを調節する

上記の4ステップで進めるのでひとつずつ確認しておきましょう。

必要なリターンを計算

はじめに必要なリターンを計算するところからスタートします。

「老後資金を準備したい」「数年後の住宅購入に備えたい」「FIRE(早期リタイア)を目指したい」など、目的によって必要な金額は変わるものです。

例えば現在45歳で老後資金として2,000万円必要なのであれば、20年間の運用で達成するのが目標になります。

その中で毎年平均3%のリターンの資産運用先を選んだ場合、月々60,920円の積み立てが必要だとシミュレーションできます。シミュレーションに関しては「金融庁のつみたてシミュレーター」を活用しましょう。

具体的なリターンを計算できれば、どの資産にどれだけ配分すべきかが明確になります。

明確な目標がないという方も、目安を決めておくことが大切です。数字としての目標があるだけで、アセットアロケーションの設計や見直しが格段にしやすくなるためです。

リスク許容度を決める

次に「資産が何%下がっても平気でいられるか」を示すリスク許容度を決めていきます。

例えばリターンが大きい株式は、そのぶん価格の上下も大きくなります。

1929年の世界恐慌では、最大-89%の下落を記録しました。2008年のリーマンショックでは、最大-50%下落しています。

このような大暴落が発生しても自分がどれくらいの損失なら、資金的な面だけでなく精神的に耐えられるかという意味でリスク許容度を決めなければいけません。

100万円を運用しても10万円の損失が出ただけで「不安」などの精神的なダメージがあるようなのであれば、運用額が大きかったり、リスク許容度が高いことを意味します。

「自分の資産が10%や20%減っても問題ないか」「損失が出ても生活に影響が出ないか」など自問自答すると、明確なリスク許容度を決めることができるでしょう。

資金力は人によって異なるため、一般的なリスク許容度を参考にするのではなく、自分で設定することが大切です。

資産配分を決める

目的とリスク許容度がわかれば、実際にどの資産をどのくらいの割合で保有するかを決めていきます

例を挙げると以下のようなタイプに分けて資産配分する選択肢があります。

・保守的なタイプ:株式20%、債券60%、現金20%
・積極的なタイプ:株式70%、債券20%、現金10%
・中立タイプ:株式50%、債券30%、現金20%

ここで重要なのは、複数の資産に分散させること。異なる動きをする資産同士を組み合わせることで、リスクのブレを小さくすることができます。

資産配分はアセットアロケーションのカギとなるので、初心者の方は必ずファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談して決めましょう。

リスク&リターンのバランスを調節する

最後に、配分した資産のリスクとリターンが、自分の目的や性格に合っているかを再チェックします

例えば「年利6%を目指すつもりが、計算上どう見ても年利3%の配分になっていないか?」「リスクを取りすぎて、値動きに不安を感じないか?」をチェックします。

必要に応じて、資産配分を微調整しながら、自分が納得して続けられるバランスを探りましょう。

おすすめアセットアロケーションツール

ここでは日本語対応と英語対応しているおすすめのアセットアロケーションツールを紹介します。

日本語対応のおすすめアセットアロケーションツール

初心者でも使いやすい日本語対応のツールを紹介します。操作が直感的で、資産配分のシミュレーションやポートフォリオ管理が可能なものを中心に取り上げます。

英語対応のおすすめアセットアロケーションツール

グローバルに評価の高いツールを英語版で紹介します。海外ETFや多通貨対応のサービスも多く、上級者にもおすすめです。

  • Empower
     米国発の人気ファイナンシャルツール。無料で資産配分の診断ができ、退職後シミュレーションも可能。
  • Morningstar Portfolio Manager
     ポートフォリオ全体のアロケーションやパフォーマンスを詳細に分析可能。ETFやミューチュアルファンドに強い。
  • Portfolio Visualizer
     高度なバックテスト機能を搭載。過去のパフォーマンスを基にアセットアロケーションの最適化を試すことができます。

ツール選びのポイント

アセットアロケーションツール選びのポイントを以下にまとめました。

評価項目 チェックポイント
言語対応の有無 日本語対応か英語対応か。日本語対応があると初心者でも安心。
機能の充実度 資産配分のシミュレーション、リスク分析、パフォーマンス追跡、バックテストなど、必要な機能が備わっているか。
データ連携のしやすさ 証券口座や銀行口座、クレジットカードなどの金融情報と連携できるか。
ユーザーインターフェース(使いやすさ) 見やすく操作しやすいUIか、スマホアプリ対応か。使いづらいと続けるのが難しくなる。
コスト(費用) 無料で使える範囲がどこまでか、有料プランにどんな追加機能があるか。費用対効果も考慮。
サポート体制 困ったときに問い合わせができるか、FAQやヘルプが充実しているか。
セキュリティ SSL暗号化やプライバシーポリシーがしっかりしているか。

上記のポイントを押さえると、目的やレベルに合った最適なツール選びができるでしょう。

【タイプ別】アセットアロケーションのポートフォリオ例

ここではタイプ別のアセットアロケーションのポートフォリオ例を紹介します。

紹介するタイプは以下の3つです。

・老後資金に備えたい方
・FIREを目指す方
・現状の資産を維持しておきたい

ひとつずつ確認しておきましょう。

老後資金に備えたい方

老後の生活資金を安定的に準備したい方は、リスクを抑えつつも、インフレに負けない程度の資産成長を目指します

老後資金は各家庭によって異なりますが、一つの目安として2,000万円問題が挙げられます。老後2,000万円問題とは、定年後の20年〜30年間の老後資金が公的年金では賄うことができず、約2,000万円近くショートすると金融審議会が発表した問題です。

そんな老後資金に備えたい方は。元本の安全性を重視しながらも、株式での適度な運用も取り入れていたポートフォリオがおすすめです。

ポートフォリオ例

  • 国内債券: 40%:安定した収入源として元本割れリスクを抑えます。
  • 国内株式: 20%:資産の成長を狙いつつ、比較的リスクは抑えめ。
  • 外国債券: 20%:為替分散と利回り確保に。
  • 外国株式: 15%:長期的な成長を期待。
  • 現金・預金: 5%:緊急時の流動性確保。

リスクを抑えつつ、安定的な収益とインフレ対策を重視したバランス型です。リスク許容度が低めの方に向いています。

FIREを目指す方

早期リタイア(FIRE)を目標に、積極的に資産を増やしたい方向けは、成長性の高い株式を多く取り入れ、リスクをある程度許容して資産拡大を狙います

FIREは資産の4%を毎年取り崩して生活費に充てても、資産は一生減らないという考え方です

総務省が発表している「統計局ホームページ/家計調査(家計収支編)」を確認すると、夫婦2人の平均支出が月255,318円となるため、年間支出額は約306万円となります。すなわち、「306万円÷4%=7,650万円」の貯蓄が必要であるということです。

FIREを目指すためにはある程度の貯蓄が必要となりますが、当然ながら資産運用でお金を貯める選択肢もあります。

そんな方におすすめなポートフォリオ例は以下の通りです。

ポートフォリオ例

  • 国内株式: 35%:高リスク・高リターンを狙い、資産の早期増加を目指す。
  • 外国株式: 40%:グローバルな成長を取り込み、分散効果も。
  • 外国債券: 10%:リスクヘッジと安定収入。
  • 国内債券: 5%:元本保護の役割を持たせる。
  • 現金・預金: 10%:急な出費や投資チャンスに備える。

積極的に成長資産へ配分し、長期的な資産増加を目指す攻めのポートフォリオです。ただしリスク許容度は高めなので注意が必要です。

現状の資産を維持しておきたい

現在の資産を守りながら安定的に運用したい方におすすめのポートフォリオです。リスクを抑え、資産の減少を防ぐことを重視します。安全資産の割合が多く、安定性重視の保守的な運用となります。

ポートフォリオ例

  • 国内債券: 50%:元本保護と安定収入の確保が最優先。
  • 国内株式: 15%:適度な成長も狙う。
  • 外国債券: 20%:為替分散と安全性の強化。
  • 外国株式: 10%:成長性を少しだけ取り込む。
  • 現金・預金: 5%:緊急時の備え。

リスクをかなり抑えつつ、インフレ対策も考慮したポートフォリオです。資産減少を避けたい保守的な投資家に適しています。

アセットアロケーションを組み立てる時の注意点

アセットアロケーションはただ理論的に最適化すれば良いわけではなく、自分の状況や時代背景を踏まえて慎重に組み立てることが大切です。ここでは押さえておきたい3つのポイントを解説します。

・自分のライフスタイルで考える
・各国の景気動向や世界情勢から考える
・専門家にチェックしてもらう

自分のライフスタイルで考える

アセットアロケーションを組み立てる時は自分のライフスタイルを考慮して決めましょう

人によって生活の状況や将来の計画は違います。例えば、まだ働いている人ともうすぐ退職する人では、お金の使い方や増やし方は異なるでしょう。

若い人であれば、早い段階から老後資金に向けての運用ができますが、退職が近い人であれば、守りを意識してアセットアロケーションを組み立てる必要があります。

また、急にお金が必要になるかもしれない状況も考えましょう。自分が「どれくらいリスクを取れるか」や「いつお金を使いたいか」を考えて、それに合った配分を決めることが大切です。

各国の景気動向や世界情勢から考える

資産運用初心者の方には難しいですが、各国の景気動向や世界情勢から考える必要があります

世界の経済や政治の動きはお金の価値に影響します。例えば、国によって景気が良かったり悪かったり、政治が不安定だったりすると、資産運用の結果にも影響が出るものです。

資産運用を始めると将来的に各国の経済や金融市場を理解しておく必要があるので、海外のニュースや経済の動きを時々チェックして、必要に応じてお金の配分を見直すことが大事です。

専門家にチェックしてもらう

自分で組み立てたアセットアロケーションは、必ずファイナンシャルプランナーなどの専門家にチェックしてもらうことが大切です

自分では気づかなかったポイントを教えてもらえたり、安心して運用できるようサポートしてもらえます。

ココザスはファイナンシャルプランナーとして投資や資産運用のサポートを行っております。また、お客様の資産状況や家族構成、将来的なライフプランから適切なアセットアロケーションのアドバイスもしています。

さらに税金アドバイスや余剰金作りのための家計の見直し、保険やローンなどについての相談も承っておりますので、ぜひ一度ご相談下さいませ。

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まとめ

アセットアロケーションは資産運用の成功に欠かせない重要な考え方です。どの資産にどれだけ配分するかが、資産運用の成果の大部分を左右するためです。

自分の資産運用目的やリスク許容度をしっかり見極めた上で、バランスの良い資産配分を設計しましょう。

また、市場や世界情勢の変化に応じて柔軟に見直しを行い、必要に応じて専門家の意見も取り入れながら運用することで、安心して資産を増やしていけます。

初心者の方はまずは基本を押さえ、今回紹介したツールやポートフォリオ例を参考に、自分に合ったアセットアロケーションを作るところから始めてみましょう。

ただし、アセットアロケーションの入口を誤ると資産を減らしてしまうことにもなりかねないため、必ずファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してから始めることをおすすめします。

この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

保有資格

AFP(日本FP協会認定)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

第一種証券外務員

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