賃貸用住宅への投資の種別
賃貸住宅への投資は、まず(1)不動産そのものを投資する(所有する)、(2)証券化された不動産投資するかにより分類できます。
このうち、上記(1)の実際に不動産を所有するタイプの賃貸住宅投資では、
A:土地+建物1棟を所有する
B:土地+建物の一部、つまり区分所有権という形で所有する
という所有権の形態により分類できます。
さらに、Aを分類すれば下記のように分類できます。
A1: すでに所有している土地の活用に賃貸住宅を建築する(土地活用と言われます)
A2:新たに土地を購入して建物を建てる
A3:土地と建物がセットになった分譲型賃貸住宅購入する
また、 Bを分類すれば下記に分類できます。
B1:新築区分マンション
B2:中古区分マンション
賃貸住宅を1棟で所有する場合、土地と建物すべてを所有(所有権の場合)することになり、一方、区分所有の場合は、専有部の所有権と案分された土地(=建付地)の所有権、共用部については区分所有者全員の所有(共同所有)ということになります。
不動産証券化商品
一方、証券化された不動産の代表は、上場された不動産ファンドであるJ-REITです。
J-REITは、2024年5月末現在58銘柄あります。
J-REITの投資口価格は低額のもので1口4万円台から高額なもので1口60万円台となっています。
その他に証券会社等が組成している私募REITやクラウドファンディングで1口1万円といった小口化された商品も増えており、多様化が進んでいます。
J-REITは、株式投資や投資信託と同じように購入することができ、配当金(REITの場合分配金といいます)や値上がり益を狙った投資となります。
賃貸住宅における1棟所有の優位性
賃貸住宅への投資(建築)を行う場合、1棟で所有するか区分で所有するかは大きな分かれ道です。
例えば、ワンルームマンションを1室(区分所有)するのも、10室のワンルームがある1棟の賃貸住宅もどちらも、「ワンルーム物件」への投資と言えますが、内容は大きく異なります。
1棟物件投資のメリットの一つ目は、複数の部屋があることからの空室リスクの分散が効くということです。
区分マンションを10室と10室ある1棟賃貸住宅を保有していれば、空室の分散では同じことですが、管理の手間、あるいは確定申告などにおける手間など、賃貸住宅1棟保有の方が断然ラクです。
二つ目のメリットは、なんといっても敷地(=建付地)の所有権を全て有することです。
相対的に担保価値の高い土地を所有することで、区分マンションを多く保有するより担保資産価値が高くなる可能性が高くなります。
区分マンションへの投資は、投資金額が1棟賃貸住宅に比べて安いため、ハードルが低く「はじめての賃貸住宅投資」には向きますが、高年収サラリーマンなどにとっては、1室だけですと、キャッシュフローや節税の観点から「メリットが限定的」、「物足りない」という声が聞かれます。
こうしたこともあって、ここ数年投資用の区分マンション価格が上昇しているため、所有している投資用区分マンションを手放し、その資金で(あるいはその資金を元手として)、賃貸住宅を建築する方が増えています。