東南アジアで不動産投資が注目される理由

東南アジアは経済成長が続き、若い人口が増加していることで不動産需要が拡大しています。
さらに都市化やインフラ整備が急速に進んでおり、資産価値の上昇が見込まれるエリアも多いのが特徴です。
ここでは、注目される背景となる主要なポイントを紹介します。
経済成長率が高く人口も増加している
東南アジアは世界でもトップクラスの経済成長を続ける地域です。
特に2021年以降、タイ・ベトナム・フィリピン・インドネシアなどはGDP成長率が高く、生産年齢人口が多いことから安定した住宅需要が生まれやすい環境にあります。

引用|第4節 ASEAN経済:通商白書2025年版 (METI/経済産業省)
労働力が豊富で企業の進出が活発なため、都市部ではオフィス需要や賃貸需要も伸びています。
また、新興国特有の所得上昇に伴い、中間層が増えて住宅の購入・賃貸ニーズが旺盛になっている点も魅力です。
人口増加が続く地域では土地や住宅の供給だけでは追いつかず、不動産価格の上昇が起こりやすい傾向があります。
投資家にとっては長期的な需要の裏付けとなるため、安定した賃貸運用や値上がり益が期待しやすいのが特徴です。
物価上昇と都市化による資産価値の上昇
東南アジアでは経済発展に伴い物価が上昇し、それに合わせて不動産の価値も徐々に高まっています。
特に都市部での急速な都市化が進み、交通インフラの整備や商業施設の開発が相次いでいるため、土地やマンションの価格が上がりやすい状況が続いています。
新しいビジネスエリアや工業団地の建設によって雇用が増え、人が集まることで住宅需要がさらに強まるケースも増えています。
また、新築物件だけでなく中古物件でも、都市部の利便性向上によって価値が見直される可能性もあるでしょう。
物価上昇は一般的にはリスクと捉えられますが、新興国の不動産市場においては資産価値の伸びにつながりやすく、インフレに強い投資対象として選ばれる理由の1つとなっているのです。
外国人投資家への規制緩和が進んでいる
東南アジアの多くの国では、経済成長をさらに加速させるために外国人投資家の受け入れを強化しており、不動産分野での規制緩和が進んでいます。
タイではコンドミニアムに限り外国人でも所有権を取得でき、ベトナムでも一定条件下で外国人の住宅購入が認められるようになっています。
マレーシアはもともと外資に比較的開かれた市場で、長期滞在ビザ制度(MM2H)などを通じて海外投資家を積極的に誘致しています。
こうした制度の整備によって、海外からでも購入の手続きがスムーズになり、法的な透明性も高まっているのです。
また、オンラインでの契約や遠隔管理が可能な物件も増えており、日本にいながら投資を進められる環境が整いつつあります。
規制緩和が進むことで市場の流動性が高まり、投資家にとって参入しやすい環境が整ってきています。
東南アジア不動産投資の魅力とメリット

1つずつ紹介します。
高い利回りと成長性が期待できる
タイやフィリピン、インドネシアなどでは、都市部のコンドミニアムで年間5〜8%前後の利回りが期待できる物件も多く、家賃需要の強さが安定的な収入につながっています。
▼目安利回り
| 順位 | 国名 | 想定利回り | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | インドネシア | 約7〜9% | ジャカルタ中心に高水準。規制は厳しめ |
| 2位 | フィリピン | 約5〜6% | マニラ中心部で高利回り。経済成長が追い風 |
| 3位 | カンボジア | 約4〜5% | 米ドル建て運用が可能で為替リスクが小さい |
| 4位 | タイ | 約4〜5% | 日本人に人気。バンコク中心に安定した需要 |
| 5位 | ベトナム | 約4% | 法改正で外国人購入が可能に。規制は多め |
上記の各国では経済成長による所得向上と中間層の増加があり、住宅やオフィスの需要が継続的に伸びていることが挙げられます。
また、都市開発や大型インフラの建設が進む地域では、不動産価格自体の上昇も見込まれやすく、賃貸収入とキャピタルゲインの両方を狙える点も強みです。
特に新興国では、都市化のスピードと人口増加によって供給が追いつかないケースもあり、物件の希少性が高まることで資産価値がさらに押し上げられる傾向があります。
長期的な市場の成長が続く地域だからこそ、安定収益と将来の値上がりを期待できるメリットがあるのです。
為替分散でリスクヘッジが可能
複数の通貨で資産を保有することで、円安・円高に左右されにくいポートフォリオが作れ、長期的なリスク分散につながります。
特に日本は低金利が続いており、円の価値変動が資産全体へ与える影響が大きくなりやすい環境です。
一方、東南アジア諸国の通貨は経済成長に伴い長期的に強含む傾向があり、通貨価値の上昇が不動産のリターンを押し上げる場合があります。
また、現地通貨で家賃収入を得ることで、円以外の収入源を持つことができる点も魅力です。
ただし、短期的には為替変動が大きい国もあるため、国ごとの通貨動向や経済状況を把握しながらバランスよく投資するようにしましょう。
日本よりも少額から投資できる市場が多い
フィリピンやベトナムでは、都市中心部でも1,000万円前後から購入できるコンドミニアムがあり、若い投資家や海外投資の初心者でも比較的始めやすい環境が整っています。
日本のように土地価格が高騰している国と違い、新興国ではまだ開発余地が大きく、価格が上がりきっていないエリアが多いため、初期費用を抑えながら将来の成長を狙える点が特長です。
また、分割払いが可能なデベロッパーも多く、購入時に数百万円程度の頭金でスタートできるケースもあります。
さらに、現地の住宅ローンや外国人向け融資制度を活用できる国もあり、資金計画の幅が広がるのもメリットです。
日本では不動産投資に数千万円から億単位の資金が必要なことが一般的ですが、東南アジアなら小さな資金で国際的な資産分散を実現できる点がメリットとして挙げられます。
投資先として注目される国

ここでは、投資家から注目される人気の国をランキング形式で紹介します。
各国の特徴と投資環境を紹介するので確認していきましょう。
第1位:タイ
特にバンコクは人口流入が続き、コンドミニアムの需要が年間を通して安定しているため、空室リスクを抑えやすい市場として支持されています。
外国人でも「区分所有」であれば土地を持たずに購入できるため手続きが明確で、初めての海外不動産投資にも向いています。
また、日系企業の進出が進んでいることから中間層〜富裕層の居住ニーズが高く、家賃相場も比較的安定しているのです。
平米単価が10万バーツ(約45万6,000円)未満の低価格帯コンドミニアムの供給も増えており、予算に合わせた物件が選びやすい点もメリットです。
一方で、人気エリアでは供給過多になる時期もあるため、立地やデベロッパーの信頼性を重視した物件選びが重要となるエリアでもあります。
第2位:ベトナム
2020年代に入り、都市部では住宅供給が需要に追いつかず価格が上昇しやすい傾向があり、コンドミニアムを中心に投資家の関心が集まっています。
また、2015年の法改正により外国人でも不動産を購入できるようになり、所有上限はあるものの海外投資家の参入が一段と進みました。
ただし、中古物件の購入が制限されていたり、法人名義での所有に条件がつくなど、規制が多い点には注意が必要です。
ホーチミンやハノイなど主要都市の地価は年々上昇傾向にあり、今後もインフラ整備や経済発展に伴って需要が拡大していくと見られます。
一方で、新興国特有の市場変動性や政策変更リスクもあるため、現地情報を正確に把握しながら長期視点で投資を行うことが重要です。
第3位:マレーシア
外国人でも土地所有が可能なケースがあり、東南アジアの中では珍しく、透明性の高い市場です。
クアラルンプールやペナン島、ジョホールバルなどは観光・商業の拠点として発展しており、インフラ整備も進んでいるため、長期的な資産価値の向上が期待できます。
また、英語が広く使われる環境で生活利便性が高く、教育水準も高いため、移住・長期滞在を見据えた投資にも向いているのです。
さらに、マレーシア政府が外国人の長期滞在を促進する「MM2H」制度を展開しており、海外投資家との親和性が高いのも特徴です。
ただし、地域によって供給過多となっているエリアもあるため、物件の需要バランスや将来の開発計画を把握したうえで慎重に選定するようにしましょう。
第4位:インドネシア・フィリピン
インドネシアではジャカルタを中心に表面利回り7〜9%と高水準を維持しており、人口規模の大きさと経済成長が賃貸需要を強く支えています。
ただし、外国人が購入できる物件には最低価格要件が設けられており、取得条件が厳しいため、事前のルール確認が欠かせません。
一方、フィリピンは5〜6%の利回りが期待され、特にマニラ首都圏では経済成長と都市化の進展が収益性を後押ししています。
商業施設やBPO(国際業務アウトソーシング)産業の拡大に伴い、住宅・オフィスともに需要が高く、キャピタルゲインも狙いやすい市場です。
どちらの国も若い人口が多く、中長期的に住宅需要が増えることが見込まれる点が共通しています。
ただし、為替変動や規制変更などリスクもあるため、現地情報の収集と専門家のサポートを受けてから投資することをおすすめします。
東南アジア不動産投資のリスクと注意点

東南アジアの不動産市場は成長性が高い一方で、日本とは大きく異なるルールやリスクが存在します。
法制度、為替、管理体制などを十分に理解しないと想定外の損失につながる可能性があるため、ここでは東南アジア投資で注意すべき主要ポイントを3つ紹介します。
注意すべきポイント
- 法制度や所有権の制限を理解する
- 為替リスクと送金規制に注意
- 現地の管理体制・賃貸需要を見極める
1つずつ確認しておきましょう。
法制度や所有権の制限を理解する
東南アジアでは、外国人が不動産を購入する際に、日本とは異なる所有権のルールが適用されます。
多くの国では土地の完全所有が外国人に認められておらず、コンドミニアムのみ購入可能、または長期リース契約(30〜50年)で権利を確保する形が一般的です。
この仕組みを正確に理解せずに契約を進めると、売却時に所有権の扱いが曖昧になったり、再契約の負担が発生するなどの問題につながります。
さらに、各国の法制度は変更されることも多く、現地政府の方針によって規制が強化される可能性もあります。
為替リスクと送金規制に注意
海外不動産投資では、収益の多くが現地通貨で発生するため、為替の変動が実際の利回りに影響を与えるリスクが伴います。
物件価格が上昇しても、円高が進むと円換算の利益が圧縮されることがあり、キャピタルゲイン・インカムゲインの両面で受け取り額が変動します。
そのため、購入時だけでなく、賃料受け取りや売却時の為替レートも重要な要素となるのです。
また、東南アジアの一部の国では、海外への資金送金に制限があるケースがあり、一定金額以上の送金に申告が必要だったり、年度ごとに送金できる上限が設けられていることもあります。
規制を理解しないまま投資を進めると、日本へ利益を戻せない事態が起こる可能性があります。
現地の管理体制・賃貸需要を見極める
東南アジア不動産で安定した収益を得るには、物件そのものだけでなく「管理品質」と「賃貸需要」が大きく影響するので、事前に見極める必要があります。
管理体制が整っていない物件では、設備トラブルの放置、修繕遅れ、清掃不備などが起こりやすく、入居者の満足度が低下します。
その結果、空室期間の長期化や賃料下落につながり、利回りを押し下げることになるのです。
また、日本の市場と同様に周辺エリアの人口動向、オフィス開発、インフラ整備なども賃貸需要を左右します。
人気エリアでは外国人駐在員や現地富裕層が安定して借り手になりますが、開発が遅れている地域では需要が読みにくく、期待する収益を得られないこともあります。
投資前に確認すべき税金と費用

東南アジア不動産に投資する際には、物件価格や利回りだけでなく、現地で発生する税金や管理費用を事前に把握しておくことが重要です。
ここでは主な税金や費用について解説します。
各国の不動産取得税・固定資産税の違い
| 国 | 取得時の主な税金 | 固定資産税・保有税 | 備考 |
|---|---|---|---|
| タイ | 印紙税、譲渡税 | 年額0.1〜0.3%程度 | コンドミニアム購入時のみ外国人が所有可能 |
| ベトナム | 登録税、譲渡税 | 土地・建物評価額に基づく | 外国人購入は総戸数の30%まで |
| マレーシア | 印紙税、不動産取得税 | - | 州によって税率が異なる、外国人向け最低購入価格あり |
| インドネシア | 印紙税、譲渡税 | 固定資産税あり(都市・物件で変動) | 外国人購入は条件付き、一部リゾート除く |
| フィリピン | 印紙税、譲渡税 | 固定資産税あり(都市・物件で変動) | コンドミニアムは総戸数40%まで外国人が所有可能 |
※各国の法制度や外国人向け制限は変更される可能性があります。
最新情報については、各国の政府公式サイトなどで最新情報をご確認ください。
投資前には各国の最新税制を確認し、購入コストや利回りを正確に見積もるようにしましょう。
日本での申告義務と二重課税への対策
家賃収入は「国外財産所得」として確定申告が必要で、現地で支払った所得税は外国税額控除で相殺できます。
ただし、現地と日本の課税方式や申告タイミングが異なるため、手続きに不備があると二重課税やペナルティのリスクがあります。
売却益も同様に、現地で課税される場合がありますが、日本では譲渡所得として申告が必要です。
投資前には、日・現地双方の税制や条約を確認し、税理士や専門家と相談しながら適切な申告・控除手続きを行うように注意しましょう。
現地での管理コスト・維持費を把握する
タイやマレーシアではコンドミニアム管理費が月額家賃の5〜10%程度かかることがあり、プールやジムなど設備が充実している物件は費用が高めです。
ベトナムやインドネシアでも管理会社に依頼する場合、清掃費・修繕費・管理手数料が別途かかるケースが一般的です。
さらに、現地の税金や公共料金、保険料も計算に入れる必要があるので、投資前には年間トータルコストを見積もり、利回りが適正かを確認することが重要です。
また、現地管理会社の信頼性や実績も収益安定のポイントとなるので理解しておきましょう。
東南アジア不動産投資の始め方

東南アジア不動産への投資を成功させるには、情報収集と現地理解が欠かせません。
ここでは、現地視察や仲介会社の活用、オンライン管理の方法まで、投資を始める手順を紹介します。
現地視察と不動産会社の選び方
写真やオンライン上の情報だけでは、建物の状態や周辺環境、賃貸需要の実態を正確に把握できないためです。
視察時では、交通アクセス、生活インフラ、周辺の開発計画なども確認し、需要が高いエリアなのか見極めるようにしましょう。
また、信頼できる現地不動産会社を選ぶこともポイントです。
実績や口コミ、契約書の明確さを基準に選び、外国人投資家への対応経験が豊富な会社を優先すると安心です。
複数社を比較し、料金体系や管理サポート内容も確認することで、投資後のトラブルを避けやすくなるでしょう。
現地法人・信頼できる仲介業者を活用
特に外国人が土地や建物を購入する場合、現地の法律に精通している専門家のサポートが不可欠です。
契約書の内容チェック、名義手続き、税務処理まで任せられる会社を選ぶと安心です。
また、管理会社を通じて賃貸募集や修繕管理を一括で任せることで、遠隔でも安定した運用が可能になります。
信頼性を判断する際は、過去の実績や顧客レビュー、現地法人の登記状況なども確認しましょう。
オンラインでの購入や管理方法も検討
公式ウェブサイトや仲介会社のプラットフォームを通じて、物件の詳細情報、契約手続き、支払い管理まで一部完結できます。
また、賃貸管理もオンラインで収益確認や入居者対応が可能なケースがあります。
ただし、現地視察と比べて物件の実態把握が難しく、詐欺や契約トラブルのリスクも伴うため注意しましょう。
オンライン活用は現地視察や信頼できる仲介会社のサポートと併用するのが安全ですが、必ず専門家の確認を挟むことが成功のポイントでもあります。
成功するためのポイントと失敗例

東南アジア不動産投資で成果を出すには、単に物件を購入するだけでは不十分です。
短期的な利益を追うのではなく、リスク管理や専門家の活用、経済状況の変化への対応が不可欠です。
ここでは、成功に導くポイントとよくある失敗例を紹介します。
短期転売ではなく中長期視点で運用する
特に、新興都市やリゾート開発地域では需要と供給のバランスが安定していないため、購入後すぐに売却すると損失がでることもあるのです。
中長期的な視点で運用することで、家賃収入による安定したキャッシュフローや物件価値の上昇を享受でき、為替変動リスクも時間をかけて吸収しやすくなるでしょう。
現地事情に精通した専門家に相談する
特に外国人投資家は土地や建物の所有制限、税制、契約書の内容に不慣れな場合が多く、自己判断で進めるとトラブルの原因になります。
信頼できる現地の不動産会社、法律事務所、税理士などの専門家に相談することで、購入手続きや管理、賃貸運用まで適切にサポートしてもらえます。
専門家の助言を受けることで、リスクを最小限に抑え、安定した収益運用を実現しやすくなるでしょう。
為替変動・経済情勢の変化に備える
現地通貨で家賃収入を得ても、日本円換算すると収益が変動するため、為替リスクは無視できません。
また、各国の経済成長や金利政策、政治情勢の変化によって不動産市場の需給バランスや価格にも影響が出ます。
そのため、投資前に複数のシナリオを想定し、必要に応じて為替ヘッジや分散投資を行うことが重要です。
経済ニュースや専門家のレポートを定期的にチェックし、柔軟に対応できる体制を整えることで、予期せぬ損失リスクを軽減できるでしょう。
まとめ

東南アジア不動産投資は、高い経済成長率や人口増加、都市化による不動産需要の拡大など、長期的な成長ポテンシャルを持つ魅力的な投資先です。
利回りの高さや少額での投資開始、為替分散によるリスクヘッジなど、日本国内では得にくいメリットもあります。
しかし、法制度の違いや所有権の制限、為替リスク、現地管理の課題など、理解不足のまま投資すると想定外の損失につながる可能性もあるので注意しましょう。
東南アジアでの不動産投資の成功ポイントは、中長期視点で運用すること、現地事情に精通した専門家に相談すること、そして為替や経済情勢の変化に備えることです。
投資先の国ごとの制度や税制、物件管理体制を事前に把握し、信頼できるパートナーを活用することで、安定した収益運用が可能になります。
海外不動産投資は複雑な要素が多いため、初めて挑戦する場合はファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
資金計画やリスク管理の観点から専門家のアドバイスを受けることで、安心して投資をスタートでき、長期的な資産形成につなげることができるでしょう。
