金利が上がると不動産投資はどうなる?
今日は視聴者さんから不動産の運用についての質問が来ています。
投資用のワンルーム不動産を都内に複数所有しているのですが、これから金利が上がっていく不安を感じております。今後どのような運用を考えておくのが良いでしょうか?
金利が高くなってくると毎月のローン返済額が上がり、収支が悪くなります。
オーナーさんは当然、不安になりますよね。
金利が上がることで不動産投資家に与える影響というのは、マイナス面としてキャッシュフローが悪化します。
確かにその通りですが…
金利が上がっていくということは、経済全体で考えると物価が上昇して、景気が回復傾向にいくということで賃料収入の増加に繋がっていったりするのです。
これがプラス面です。
なので、マイナス面だけではなくてプラス面もあるということは、まず覚えておいていただきたいです。
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金利が上がると不動産の”物件価格”が下がる
ただ漏れがちなのですが…
金利が上がると不動産の物件価格が下がります。
どうしてでしょうか?
金利が上がると先ほど言ったように毎月の支払い額が増えてしまいます。
不動産価格はどうやって値付けされているのか?
マーケットプライスが決まっているのか?というと、そうではなく…
投資家が投資した時にどれだけの収益が得られるかという収益還元法っていう考え方があります。
ここに左右される部分が大きいのです。
投資家からすると金利が上がって支払い額が増えるということは、利回りが悪い状態です。
そうなると物件価格を下げれば、ようやく利回りは同じ状態になります。
一般的な相場のことですね?
金利が上がることによって物件価格が下がるのはセオリーというか…
決まり事としてそうなっています。
もちろんタイムラグはあります。
しかし、基本的に金利上昇局面では不動産価格は下落しやすいのです。
より不安になりますね…
これから購入する方にとってはチャンスと捉えられますが…
すでに保有している方からすると少し不安になると思います。
特に数年後に売却を考えている場合は不安かもしれませんね。
ただ先ほど言いましたが、景気が巡り巡って上昇局面に入っていくと賃料が上がります。
賃料が上がれば、今言った話と全く一緒です。
金利が上がったとしても結局利回りは高く取れます。
賃料が収益ですものね!
それらの総合的なバランスの中で不動産価格は決まります。
実際ここ数年間、都心部の賃貸価格はものすごく上がっていますよね?
私は長く同じ賃貸で暮らしているので、そんなイメージはありませんでした…
この間、ラジオで話してた時にこのネタを取り上げました。
5年程で数10%も賃料が上がっているのです。
長く賃貸に住んでいたら借主が強いので家賃交渉はあまりされないと思います。
しかし引っ越しの時に上げられてしまいますよね?
実際にココザスも不動産投資家の方をたくさんお客様として抱えていますが…
ここ10年は賃料が上がり続けています。
賃料は物件価格に比例する
賃料は物件価格に比例しているということですか?
そうです。
賃料が上がっていたので物件価格が上がってきていて、その中でマイナス金利を維持していたので、物件価格の上がりがすごく高かったのです。
高水準をキープしていたわけなのですが、これからどうなっていくのかというと…
金利が上がるという不動産にとってのマイナス要因もミックスされるので、不動産価格の上昇幅はこれまでの10年ほどではないといます。
もう少し緩やかになりそうですか?
そうなるでしょう。
賃料が上がっていることに対する具体的データとして、アットホームが出している全国主要都市別の賃貸マンション・アパート募集家賃動向というデータがあります。
30平米から50平米の家賃に関しては、16ヶ月連続で上がり続けています。
14万8,000円が平均価格と出ていますが、16ヶ月連続はすごいですよね?
過去最高更新と書いてありますね…!
しかもシングルタイプも30平米以下は、92,937円です。
2015年1月以降、最高値へと上がっているのですね。
都心部は特に顕著です。
物件価格が上がってるのに家賃が上がらずに下がっていたら、誰も不動産投資しなくなります。
香港の様に利回りが1%・2%になると…
シンガポールのような状態になってしまいますね。
先々で不動産価格だけが上がっていく可能性はあります。
しかし現在は所得も上がっていく流れになっているので、金利上昇が一概に悪いかと言うとそんなことはないのです。
変動金利の5年ルール・125%ルール
不動産を購入されている方は、変動金利で組んでいる方がほとんどだと思います。
変動金利の金銭消費貸借契約、つまりローン契約の時に色々説明を受けたはずなのですが…
5年ルールや125%ルールを知っていますか?
聞いたことはありますが…
5年ルールは金利が上昇したとしても、5年間返済額が変わらないというものです。
額が変わらなくても元本の減るスピードが遅れてしまうのですが、キャッシュフローベースでいった時に変わらないので、お財布には優しい考え方です。
125%ルールでは、金利が上昇した時には返済額は変わっていきます。
どれだけ上がったとしても返済額の1.25倍が上限になります。
一気に上がらないのですか?
ストッパーがあるということです。
金融機関によってもまちまちですが…
このような措置が取られていますので、そんなに気にする必要ないのかなというのが私の意見です。
金利が上がった時の不動産投資アドバイス
今回のこの質問をしていただいた方に関して、対策やアドバイスはありますか?
教科書的なとてもつまらない話をしますが…
繰り上げ返済をしましょう。
返済額減額型の繰り上げ返済と返済期間を短縮する繰り上げ返済の2種類あります。
毎月のキャッシュフローをベースに見ているのであれば金利が上がると、払う額が増えてしまいます。
この増えた分の返済額が減るぐらいの繰り上げを行うことによって、今までと変わらず維持することができます。
キャッシュフローを一緒にするということですか…?
そうです。
当然残財が減っていて、そのお金は物件の売却の出口で戻ってくる感覚ですので繰り上げ返済というのは1つの手としてはありだと思います。
売り上げ返済は手数料がかかるケースがあります。
金融機関との契約内容にもよりますので、そこで無駄な手数料が発生してしまうのであれば、毎月数千のキャッシュフローの悪化を持ちこたえた方がいいという話になります。
他には不動産投資ローンをそもそも借り換える方法もあります。
安い金利の銀行を見つけるということですか?
他の金融機関に借り換えをするのは1つの手としてはあると思います。
実際に私も過去にこんな相談をよく受けていました。
「この金融機関が今金利1.6%でやっている」という情報を伝えて、窓口突撃してもらい、借換えに成功した事例も多々あります。
興味がある方は問い合わせしていただければ相談に乗れると思います。
同じく融資手数料や時間がかかるケースがありますので、そこも踏まえての総合判断ということになると思います。
あとは売却を検討するのも1つの選択肢として当然上がってくると思います。
前回「ワンルームマンションの売却の仕方」という動画や記事をアップしましたが…
より高値で売るためにはどうすればいいのかという情報も発信していますので、そちらも見ていただきたいです。
様々な支出がある中で賃貸管理会社に対する賃貸管理手数料についても見直しができる余地があるのであれば、話をしてみるのもいいと思います。
つまりやるべきことは簡単です。
売上を最大にする、つまり家賃を上げられるだけ上げるのです。
そして経費を最小にする、支払いをなるべく減らすことですね。
家賃の部分もいまは上げられるチャンスですから…
そこも管理会社に相談をするのは重要ですか?
そうですね。
任せきりにしないでご自身で管理会社に相談をしていきましょう。
・入居者が入れ替わったタイミングで家賃3,000円あげたい
・周辺相場を考えるとそれぐらいが適正なんじゃないか
こういうことを考えていけば、金利上昇分は十分にまかなうことができると思います。
あとは、そもそも不動産投資だけに偏ってしまうことが問題だと思っています。
金利が上がるタイミングで価値が上がる資産
金利が上がっていくタイミングで価値が上がっていく資産は、他に何がありますか?
それこそ債権系など…
そうですね。
金利が上がると債券価格は上がっていきます。
しかしもっと顕著なものは銀行株です。
金利が上がるというのは、銀行の金利手数料・金利収入が増えます。
今だって各メガバンクは過去最高益を連続で叩き出していて、すごい絶好調ですよね。
配当の利回りが3%や4%も出ている銘柄もあります。
かつ株価自体が上がるということは、持っている資産の価値が上がるわけです。
金利が上昇した時にネガティブなインパクトがあるのは不動産です。
ポジティブなインパクトがあるのは銀行株。
これをそれぞれ持っていたらあなたのポートフォリオ全体で見たら大した影響はないのです。
そうですね。
逆に不動産の家賃も上がるかもしれないですから、プラスになる可能性もありますね。
いいところしかないのかもしれません…
そうであるためには色々なことをやりましょうという話です。
ですので、うちはライフデザインという言い方をしていてあらゆる金融商品や色々なことを提案しているのです。
その中には投資の話だけではなく「住まい」の話もあります。
住まいも住宅ローンを組んでいれば金利が上がると、出ていく一方です。
「では、ここで借り換えをしましょう」など…
トータルで考えていかなければいけません。
1番は仕事を頑張りましょう!
「給与を上げましょう」ということですか?
あなたが伸びている会社や産業に勤めていることが前提ですが…
金利上昇局面は経済がいい方向に行くわけなので、その上で頑張っていたらボーナスや固定給など、何らかのプラスがあります。
不動産でキャッシュフローが云々と言っているのは、年間で数万円などの話です。
年収を1%上げればそこをカバーできると思います。
年収アップでカバーできるということですね。
金利が上がっていくから苦しいのではなく、自分の仕事も含めてあらゆる方法でリスクヘッジをしていくこと。
これがこういう局面で持っておくべき考え方や対策だと思います。
不動産を保有している方で不安や質問がある方がいらっしゃいましたら、気軽にLINEでお問い合わせください。
借換え先のご紹介もできますよね?
そうですね。
あとは資産の入れ替えですね。
金利上昇局面でプラスになっていくものを増やしましょう。
本日のまとめ
ココザスは不動産だけではなくて、金融もそうですし…
他に景気に一切左右されないトランクルームやコインパーキングなど、全く別ジャンルのものも扱ってます。
日本だけではなくモンゴルの不動産も持っています。
モンゴルは金利も高くて、経済がどんどん伸びている状態なのですが、そういう国の不動産を持つこともリスクヘッジになります。
仕事の紹介もできますし、人生トータルでカバーしていけば全然心配する必要がないというのを是非、頭に入れていただきたいと思います。
今回は「金利上昇局面の向き合い方」をテーマにお届けしました。
ありがとうございました。