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 「ブーム」の兆しが、株価上昇の合図?!|うちだまさみのマーケットコラム

うちだまさみのマーケットコラム

近年、若い世代の方々で投資に興味を持つ方が増えていると聞きます。
このコラムでは、そんな投資を始めたばかりの方々に向けて、投資すべき銘柄や投資を動かす要因などについて書いていこうと思います。

さて、初回のテーマは「花粉症」です。
私を含め、多くの人にとってつらい時期の到来。
特に今春は、過去10年で最多の飛散量となる恐れがある上、飛散する期間も長く、ピークの3月中旬まで大量飛散が続くのだとか。
政府が新型コロナウイルス対策のマスク着用について、「3月13日からは原則として着用を推奨せず、 個人の判断に委ねる」との意見を公表したことから、いよいよ「脱マスク」生活だと思いきや、花粉のせいでもうしばらくはマスク生活が続きそうです。
でも、このような例年とは違う「ブーム」が、株式相場にも大きく影響するのです。

この記事の監修者

内田 まさみ

フリーライター

内田 まさみ

Masami Uchida

1998年にラジオNIKKEIへ入社。
『経済情報ネットワーク』、『東京株式実況中継』等の株式情報番組を担当し、その後はフリーに転身。
現在はラジオNIKKEIや日経CNBCの番組パーソナリティを務めるほか、ライターとして複数のメディアに記事を執筆するなど、多方面で活躍中。
2017年11月には、初の著書となる『FX億トレ! 7人の勝ち組トレーダーが考え方と手法を大公開』を刊行した。

・現在出演中の番組
 ・ザ・マネー 14:30-16:00(毎週月曜日担当)
 ・吉崎誠二の五時から“誠”論 毎週月曜日 17:00-17:50
 ・ザ☆スマートトレーダーPLUS 毎週木曜日16:00-16:30 
 ・夜トレ 21:30-22:30(隔週金曜日担当)
 (上記いずれもラジオNIKKEI)
 ・昼エクスプレス 15:15-15:45 毎週水・金曜日(日経CNBC)

・現在連載中の雑誌等
 ・Forbes JAPAN
 ・東洋経済オンライン
 ・All About FX担当ガイド
 ・東京人
 ・上場企業の統合報告書、株主通信など
 
・著書
FX 億トレ! 7人の勝ち組トレーダーが考え方と手法を大公開

花粉症が日本経済を動かす?

花粉症が日本経済を動かす?

もともと花粉が大量に飛散すると、日本経済に大きく影響すると言われています。

花粉症の方は覚えがあるでしょう。
外出したいくらいの天気でも、天気予報で「花粉大量飛散注意報」的なコメントを見ると、それだけで鼻がムズムズ、くしゃみ、鼻水まで。
急用でないなら、外出そのものをやめてしまうなんてこともあります。
それが大量飛散ともなれば、なおさらです。
花粉症は、「国民病」とも言われるほど患者数も多く、個人消費に大きな影響を与えてもおかしくないのです。

では、花粉症が及ぼすかもしれない、「個人消費」への影響について考えていきましょう。

仕事や通学と同じように、必要なものを買うための外出はやめることはできません。
ネットで買えるものもありますが、毎日の生活に必要な食材や飲み物、使いたいのに洗剤がなくなってしまった時なども買い物に行かざるを得ません。
花粉症の必需品である、マスクや薬などが急になくなった時も同様です。
そんな時、あなたならどうするでしょう。
もしかしたら、できるだけ家から近い場所で済ませて、なるべく早く家に戻るという人もいるでしょう。
そういう人が多ければ多いほど、地域に密着したスーパーマーケットやドラッグストアの売上が上がりやすい一方、少し郊外にあるショッピングセンターなどではその分の売上が減少するかもしれません。

現在のスーパーマーケット市場は、景気悪化?

現在のスーパーマーケット市場は、景気悪化?

1月のスーパーマーケット販売統計を見ると、景気判断DIの現状判断は44.8となり、前月から4.0ポイントの悪化。
先行きを示す見通し判断も1.8ポイント悪化して、39.8となりました。
スーパーマーケットでは、多くの商品が値上げされたことで、消費者の節約志向が強まり、買い上げ点数が減少。来店客数も減少しています。
新型コロナウイルス感染拡大を背景に、多くの人が家で食事をするようになった2020年~2022年の反動もあるでしょう。
経済再開、人流復活と騒がれていますが、現在のスーパーマーケット市場は、決して景気がいいとは言えない環境です。

では、スーパー大手のライフコーポレーションの月次売上高を見てみましょう。
実際、この1年間で売上高が前年同月を下回ったのは8カ月。
客数が前年同期を下回ったのはなんと10カ月もあります。
足元、客単価が上がっているのは、さらなる値上げの影響が出ているのでしょう。

※ライフコーポレーションのホームページから抜粋
※ライフコーポレーションのホームページから抜粋

次に、スーパー大手のライフコーポレーション(証券コード:8194)のここ3年間の株価の動向を見てみます。
コロナで中食が盛り上がっている時期に株価が上昇し、大きな山をふたつも作りましたが、人流が戻った今は、株価がずいぶん安値で推移しており、現在の景況感の悪さを表しているようにも感じます。

※SBI証券のホームページから抜粋
※SBI証券のホームページから抜粋

ライフコーポレーションは、本当に業績が悪くなっているのでしょうか。
このグラフは、コロナ前からのライフコーポレーションの売上高にあたる「営業収益」と本業の儲けを表す「営業利益」、販管費などを引いた後の「経常利益」をグラフにしたものです。

※ライフコーポレーションのホームページから抜粋
※ライフコーポレーションのホームページから抜粋

実は、前期2022年2月の実績は、コロナ前の2019年2月期を上回り、営業利益はなんと1.8倍超に。
インフレによって仕入原価が上昇していることに加え、人件費増、光熱費や配送費の高騰など、利益圧迫要因を数多く抱えているにも関わらず、好業績を残しているのです。
本来、株価にはこの「業績」も反映されるはずです。
しかし、株価には、「人気投票」という一面もあり、このところインバウンドの復活などが材料視されて、下記の株価チャートの三越伊勢丹ホールディングスのように、百貨店株は軒並み高値をつけています。

三越伊勢丹ホールディングスの株価チャート

百貨店の業績は回復しているものの、まだコロナ前に戻らず

百貨店の業績は回復しているものの、まだコロナ前に戻らず

しかし、全国の百貨店売上高では、足元の1月まで11ヵ月連続で前年同月を上回っているものの、実は、コロナ前の2019年1月と比較すると、金額ベースではまだ87.5%の回復にとどまっています。
それなのに、株価は、「期待」を先取りするかのように上昇トレンドを形成しています。

話を、花粉症が消費に及ぼす影響に戻しましょう。
外出したくないくらい大量の花粉が飛散していたら、買い物は近場のスーパーで済ませ、百貨店などに遠出する頻度は減るかもしれません。
もし、期待で買われていた百貨店の売上に少しでも陰りが出ればどうでしょう。
短期的だとしても売られ、逆に、安値に放置されているスーパーの株価が動きだしたとしても不思議ではありません。
もう必要ないと思われていた「マスク」ももうしばらく必要ですし、花粉症を抑える「薬」も例年より多く売れることが想像できます。
このように、皆さんの周りでも、消費者の動きを変える「ブーム」が起きそうな兆しがあれば、ぜひ、連想ゲームのように関連銘柄を考え、その株価をチェックしてみてください。

この記事の監修者

内田 まさみ

フリーライター

内田 まさみ

Masami Uchida

1998年にラジオNIKKEIへ入社。
『経済情報ネットワーク』、『東京株式実況中継』等の株式情報番組を担当し、その後はフリーに転身。
現在はラジオNIKKEIや日経CNBCの番組パーソナリティを務めるほか、ライターとして複数のメディアに記事を執筆するなど、多方面で活躍中。
2017年11月には、初の著書となる『FX億トレ! 7人の勝ち組トレーダーが考え方と手法を大公開』を刊行した。

・現在出演中の番組
 ・ザ・マネー 14:30-16:00(毎週月曜日担当)
 ・吉崎誠二の五時から“誠”論 毎週月曜日 17:00-17:50
 ・ザ☆スマートトレーダーPLUS 毎週木曜日16:00-16:30 
 ・夜トレ 21:30-22:30(隔週金曜日担当)
 (上記いずれもラジオNIKKEI)
 ・昼エクスプレス 15:15-15:45 毎週水・金曜日(日経CNBC)

・現在連載中の雑誌等
 ・Forbes JAPAN
 ・東洋経済オンライン
 ・All About FX担当ガイド
 ・東京人
 ・上場企業の統合報告書、株主通信など
 
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FX 億トレ! 7人の勝ち組トレーダーが考え方と手法を大公開

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