浪費家が貯金するには収支を“ざっくり”把握するだけでOK

貯金をするためには、支出の流れをある程度は把握しておく必要があります。
まずは「毎月どこにどれだけ使っているか」をざっくりつかむだけで十分です。
自分の支出を把握していないと、なぜお金が貯まらないのか、その原因を見落としがちです。
ここでは、浪費ぐせがある人でも取り掛かりやすい収支の確認方法を紹介します。
最初は固定費だけを見直してみる
支出の流れをつかむには、まず毎月決まって出ていく固定費から確認するのがおすすめです。
固定費は金額がほぼ一定で変動が少なく、通帳やクレジット明細を見れば把握しやすいのが特徴です。
例えばスマホ代やインターネット料金、サブスク(月額制サービス)、習い事や保険料などが該当します。
こうした費目は一度見直せば金額が明確になり、毎月いくら使っているかの感覚をつかみやすくなります。
支出のたびに記録が必要な変動費とは違い、固定費は明細を確認するだけで把握することが可能です。
そのため、収支の全体像をつかむ入口として、取り掛かりやすい項目といえるでしょう。
次に「つい使ってしまう出費」を軽く記録してみる
固定費の把握ができたら、次は「なんとなく使ってしまう支出」に目を向けてみましょう。
例えば、コンビニでのちょっとしたおやつや、スマホでの無意識なネットショッピングなどは、合計すると意外と大きな金額になっていることもあります。
すべてを記録する必要はありませんが、「いつ・どこで・なにに使ったか」だけでもメモしておくと、無駄遣いの傾向に気づきやすくなります。
金額の管理ではなく、自分の浪費パターンを見える化することが目的です。
毎日つけるのが負担に感じる場合は、週単位や月1回だけざっくり振り返るだけでも構いません。
「完璧に管理しなければ」と思わず、ゆるく続けることが習慣化のコツです。
浪費家でも成功しやすい貯金方法9選

ここでは、意志の強さや性格に左右されず取り組める、再現性の高い貯金方法を紹介します。
全部を一気に実践する必要はありません。
気になったものを1つだけ試すつもりで読み進めてみてください。
(1)先取り貯金を自動化する(給与天引き or 銀行の自動積み立て)
浪費家でも確実にお金を残すには、「先に貯めて、残りで暮らす」仕組みを作るのが鉄則です。
もっとも手軽で効果的なのが、給与からの天引きや銀行の自動積み立てを使った“先取り貯金”。
例えば、給与振込日に1万円を自動で貯金用口座に移すよう設定しておけば、強制的に貯金できます。
意識しなくても貯まる仕組みがあることで、「気づいたら使っていた」がなくなります。
なお、自動積み立ての有無や設定方法は銀行によって異なります。
多くの都市銀行やネット銀行では、アプリやネットバンキングから簡単に手続き可能です。
ただし、一部の地方銀行やゆうちょ銀行では来店が必要な場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
(2)1日単位で使える金額を決めて、残りは分ける
浪費を避けたいなら、「1日いくらまで使えるか?」をあらかじめ決めておくと支出をコントロールしやすくなります。
例えば、1カ月の生活費が6万円なら、1日あたりの予算は約2,000円です。
意志の力に頼らず日々の予算を守り続けるには、使えるお金を物理的に分けておくのが効果的です。
例えば、週のはじめに1週間分(約1万4,000円)だけを財布に入れ、残りは別の口座や封筒に移しておきましょう。
手元の金額を制限することで、自然と使いすぎを防ぐ仕組みができます。
細かく記録するのが苦手な人でも、最初に金額を分けておけば、管理の負担が少なくて済みます。
(3)貯金用口座を別に作り、“引き出しにくさ”を活用する
お金があるとつい使ってしまう人は、「見えにくく、引き出しにくい」口座を用意するのが有効です。
給与口座とは別に貯金用口座を作り、自動で積み立てるだけでも引き出そうとする気持ちにブレーキがかかります。
ネット銀行の定期預金や、キャッシュカードをあえて発行しない設定にできる口座を使えば、物理的にアクセスしづらくなり、無駄遣いの抑止につながります。
また、スマホ送金の利用設定をオフにできる銀行もあるため、使えない状態にしておくと衝動的な引き出しを防げるでしょう。
(4)サブスクの棚卸し(見直し)を月1でルーチン化
毎月何気なく払い続けているサブスク(定額サービス)は、気づかぬうちに支出を増やす要因になります。
まずは、スマホのアプリやカード明細を見ながら「本当に利用しているか?」を確認してみましょう。
例えば、動画配信や音楽アプリ、オンラインサロンなど、月に2,000円〜3,000円を払っているのに利用していないケースは少なくありません。
「毎月◯日」「給料日の翌日」など見直す日をあらかじめ決めて、スマホのカレンダーやリマインダーに登録しておくと、意志の力に頼らず自然と見直す習慣が身につきます。
毎月の固定費を1つでも減らせれば、自然と貯金に回るお金も増えていくでしょう。
(5)「欲しいものは3日後に買う」ルールで衝動買いを抑制
その場の勢いで買ってしまうことが多いなら、「3日後に買うルール」を試してみましょう。
欲しいと思ったらすぐに買い物カゴへ進まず、まずは「欲しい物リスト」にメモして、“3日寝かせてから本当に必要か”を考えてみます。
衝動買いの多くは一時的な感情によるもので、時間を置くだけで「やっぱり不要だった」と感じるケースは少なくありません。
放っておいて気にならなくなったなら、それは本当に必要な物ではなかったというサインといえるでしょう。
(6)スマホの買い物アプリをホーム画面から削除する
Amazonや楽天などの買い物アプリを、スマホのホーム画面から消すだけで出費がグッと減ることがあります。
ワンタップで開ける環境は、「つい見て・つい買ってしまう」を誘発しがちです。
アプリをアンインストールする必要はなく、すぐに開けない場所へ移動したり、フォルダに隠したりするだけでも効果があります。
「使えなくする」のではなく、「めんどくさくする」ことで、無意識の浪費を減らす仕組みが作れます。
とくに夜の暇つぶしやストレス時に買い物アプリを開きがちな人にとって、有効な対策になるでしょう。
(7)支払い方法を“現金”に戻して出費を実感する
クレジットカードやスマホ決済は便利ですが、お金を使った感覚が薄れやすい点がデメリットです。
そこで一時的にでも現金払いに戻すと、「減っていく感覚」が手元で実感でき、使いすぎの抑制につながります。
財布に入っている現金だけを使うルールにすれば、1日単位での支出も管理しやすくなるでしょう。
もちろん、キャッシュレスが悪いわけではありません。
ただ、支出への意識を取り戻すには、あえて現金を使う方法が有効です。
「1カ月だけ現金生活」といった期間限定でも、十分な効果が期待できるでしょう。
(8)1週間単位の振り返りメモ(日記)を書く
支出をコントロールするには、記録というより「気づき」を増やすことが重要です。
毎週日曜の夜など、振り返りやすいタイミングを決めて、「どこで無駄があったか」「気が緩んだのはどんな場面だったか」をスマホやノートにメモしてみましょう。
うっかり忘れてしまわないよう、スマホの通知やリマインダーを使えば、習慣化しやすくなります。
目的は反省ではなく、「次はこうしたい」と思える小さな発見を積み重ねること。
記録とは別に振り返る仕組みをもつことで、浪費への意識が高まり、行動も少しずつ変わっていくはずです。
(9)ご褒美制の目標設定「1万円貯めたら〇〇してOK」
「1万円貯めたらお気に入りのカフェに行く」など、目標にご褒美をセットするだけで、貯金が習慣として根づきやすくなります。
目標をやり遂げた満足感と、ちょっとした気分転換の両方が得られるのがポイントです。
「貯金=我慢」と思っていた人でも、ゲーム感覚で取り組めるようになります。
ただしご褒美は、貯めた金額の一部を使う程度にとどめてください。
ご褒美が大きすぎると貯金が減ってしまい、本来の目的が達成できなくなります。
厳しすぎずに、楽しみも適度に取り入れながら貯金を継続していきましょう。
・給与天引き・自動積立で「先取り貯金」を習慣化
・1日単位の予算管理や現金払いに戻して「使える額」を実感
・サブスクの見直し、買い物アプリの削除、「3日ルール」で衝動買い防止
・週1の振り返りメモや「1万円貯めたらご褒美」などで楽しく継続
浪費家こそ将来のための「目的別貯金」を考えよう!

浪費ぐせのある方が、なんとなく貯金しようと思っただけでは、すぐに挫折してしまうケースが多いでしょう。
そこで「何のために貯めるのか」を明確にすることで、貯金へのモチベーションがぐっと高まる場合があります。
こちらでは、貯金に“意味”を持たせることのメリットを紹介します。
「なんのために貯めるか」があると継続しやすい
貯金に目的があると、「我慢している」という感覚が薄れ、日々のお金の使い方を前向きに見直しやすくなります。
例えば「年末に旅行へ行くために5万円」「30歳で引っ越すために20万円」といった具体的な目標があれば、節約の先にある楽しみをイメージしやすくなります。
金額の大小よりも、「なぜ必要なのか」に意識を向けることが大事です。
優先順位が見えてくると、余計な出費にも自然とブレーキがかかるようになります。
例えば、メモ帳アプリで目的ごとの貯金項目を記録したり、封筒に「旅行用」「引越し資金」と書いた付箋を貼ったりするだけでも、目標の意識づけになるでしょう。
将来の不安を“今の行動”で軽減できる
将来への漠然とした不安を感じたときこそ、「目的別貯金」は力を発揮します。
例えば、老後資金や教育費のように時期が予測できる出費に加え、病気や失業に備えた生活防衛費など、将来に向けて準備しておきたいお金は意外と多いものです。
そうした将来の負担に備えておくことで、心に余裕が生まれやすくなります。
いきなり大きな金額を貯めるのではなく、「月に3,000円だけ」といった小さな一歩から始めることがポイントです。
「今の積み重ねが未来の安心につながる」という意識が、自然と貯金を続ける原動力になります。
まとめ|浪費家は“仕組み”を変えれば貯金体質になれる

浪費ぐせは、気の持ちようだけで抑えるのは難しいものです。
無駄遣いをやめて貯金を作りたいなら、意志に頼るより先に、自動でお金が貯まる仕組みを作ることが大切です。
先取り貯金やサブスクの見直し、スマホでの無駄な買い物を減らす工夫など、手軽に始められる対策から試してみてください。
ちょっとした取り組みでも続けていけば、「自然とお金が貯まっていた」という状態に近づいていくはずです。