「慎重派」と「即断即決派」どっちがいいの？

社長のように、何でもすぐに決める方と、お店に入って食べ物を選ぶときもパッと決めるような即断即決の方と、大きく2つのタイプに分かれると思います。

投資の観点から見ると、どちらの方が成功しやすいといった傾向はあるのでしょうか？
経営においては、即断即決で判断することが正しいのかなと思いますが…
投資の場合は大切なお金を扱うので、慎重に進めた方が良いのではないかとも考えています。

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即断即決のメリット・デメリット

細川さんがおっしゃるように、私は即断即決派だと思います。
細川さんがおっしゃるように、私は即断即決派だと思います。

投資においても、というより、経営＝投資であると考えています。
教科書的な話をすると、経営とは「人・物・金」という経営資源（リソース）をどのように配分し、動かしていくのかを決めることだと思うのです。

そう考えると、結局は人・物・金の配分を決めるという意味で、経営も投資そのものだといえます。
例えば、細川さんを雇用するかどうかを考えることも、投資の一種ですよね。
そのような考えのもと、私はずっと即断即決派として生きてきましたが、どちらがうまくいくかといえば…

即断即決は怖いと感じてしまいます。
間違えてしまうのではないかと考えると、慎重に確実に、ゆっくりと決めていく方が安心なのではないかと思っていました。

世の中には慎重派の方が多いでしょうね。
しかし、結果を出すのは即断即決派の方だと思いますよ。

それはどういった理由があるのでしょうか？

それぞれのやり方があるとは思いますが、私自身は「即断・即決・即行動」を大切にしています。

実際に、自社の行動規範にも「即断・即決・即行動」と明記しているほどです。

会社のトップである私は、それを実践しているつもりですし、会社のメンバーにも同じように行動してほしいと考えています。
早く決断することで得られた成果はたくさんあります。
細川さんも、近くで見ていてそう思いませんか？

そういう場面は見ていますが、やはりその方向に動けるかどうかが重要なのかなと思います。

もちろん、正しい決断をすることは大事です。

ですが、どちらがより多くの成果を得られるかという話で言えば、即断即決の方が得られるものは多いのではないかと思います。

早めに決めた方が良いケースもあるということですね。

具体例を挙げると、現在COCO VILLAでどんどん物件を購入していますが、かなり良い物件を確保できていますよね。

どこにでもあるような物件ではなく、例えば海の最前列の物件や、山奥にこんな物件があるのかと思うような場所のものなど、特別な立地の物件を手に入れています。
また、リーズナブルな価格で仕入れることで、商品としても手に取りやすい価格で販売できるようになっています。
これは、即断即決しているからこそ、私のもとに多くの情報が集まるようになっているのです。

これがメリットの1つ目です。
すぐに決めることで、一緒に仕事をするパートナーも動きやすくなります。
「安藤に話を持っていけば、すぐに決断してくれる」と信頼されることで、より良い情報が集まりやすくなるのです。
とはいえ、すべてを購入すると決めているわけではありませんが。

何でも買ってくれるから情報が集まってくるわけではないということですね。

即断即決をするということは、返事が早いということです。

そういう人と仕事をしたくありませんか？ 例えば、「1か月待ってください」と言われるよりも、「すぐに決めます」と言われた方が良いですよね。

実際、私はすべての決断をその場で行っています。

提案する側としても、「やらないならやらない」とすぐに教えてほしいものです。
そうすれば、次の人に紹介できますから。
「検討します」と曖昧な返答をされると、時間がかかりすぎてしまい…

細川さんも、「検討します」と言ったことはありますか？

ありますね。
「持ち帰ります」と言ったこともあります。

相手に迷惑をかけてしまうので、やめてあげてください。

その場で決めないといけないということですね。

そうですよ、社内でも同じことが言えますよね。

例えば、安藤のもとに案件を持ってきたのに、まったく決めてもらえなかったら、その間にチャンスを逃してしまうこともありますよね。
そんな状況では、仕事がしづらくなってしまうと思いませんか？

例えば、チャット1通で「イエス」か「ノー」かを必ず返してくれる人がいたら、すごくやりやすいと思いませんか？
私はそういう人間でありたいと思い、なるべくその場で即答するトレーニングをしてきました。

ただ、もちろん良し悪しがあるとも言いましたよね。
悪い点としては、投資で失敗したこともたくさんあります。
もう少し検討していれば良かったと思うこともありますし…

リサーチの部分が影響するのでしょうか？

リサーチもありますね。

冷静に考えたら、この事業には参入しなかっただろう、というケースは多々あります。
正直なところ、リターンの方が確実に大きいと考えて行動しているので、どうしても失敗の数は増えてしまいます。
これは、打席に立ってバットを振る回数が多いから当たり前のことです。
しかし、その分ホームランも打てるようになってくるので、実際に大きな成果も出せているのです。

結果として、1年を通して自分の打率やホームラン数、打点を評価したときに、「まだスタメンとして試合に出続けてもいいのではないか」というくらいの結果は出せていると分析しています。

もし空振りばかりが増えてしまえば…

私が失敗ばかりしていたら、当然、会社は持ちません。
しかし、今のところは失敗も多いけれど、成功の規模も大きいため、全体としてバランスが取れていると考えています。

でも、その良い打率を維持するための秘訣やコツのようなものはあるのでしょうか？

それは、即断即決を続けているからこそ、決断の質が上がっていくのです。
意味が分かりますか？

それは、経験を積むということですか？

そういうことですね。
まずは、やってみることが大切です。

例えば、投資の話で言えば、目の前に来た投資案件に対して、やるかやらないかをその場で決めています。
とはいえ、すべての案件に投資しているわけではありません。
ただ、どちらにしても決断はすぐにしています。

失敗したと感じることがあったとしても、決断の回数が多い分、振り返りや自己レビューの機会も増えます。
その結果、「あの投資は失敗だった」と思うこともたくさんあります。
昨年だけでも、失敗した投資案件を…

そんなに多くの失敗があるんですね。
表には見えない部分ですが。

見えないかもしれませんが、「これは良くなかったな」と思うことは多々あります。

ただし、もしその失敗が1,000万円未満の損失であれば、私はすぐに損切りします。

1,000万円の損失を取り戻すために1年間を費やすよりも、伸びる可能性のある分野や、さらに大きな成果が期待できるところに時間を使った方が、何億円もの利益を生み出せるかもしれません。
そうした考え方で、常に反省をしながら進めています。

でも、その反省もやっぱり大事なんですよね。

とても大事です。

これがないと、同じことを繰り返してしまいますね。

その通りです。

だからこそ、「過去に何回決断しましたか？」と聞かれたときに、「数えきれないほど決断してきました」と言える人は、改善の回数も多いということになります。
反省して改善を繰り返すことで、その数がどんどん増えていき、結果として決断の質も向上していくのです。

つまり、もう一度結論を言うと、慎重派よりも即断即決派の方が…

最初から慎重派だったら、そもそも打席に立つ回数が少なくて、経験を積むこともできませんね。

そうです。

たとえば、150kmの速球を一度も振ったことがなかったら、いつまで経っても何もできないでしょう。
だからこそ、まずは打席に立って、当てずっぽうでもいいからバットを振ってみるべきなんです。

状況に応じた判断と行動

よく、「知識ばかり詰め込みすぎて、頭でっかちになってしまい、結局行動できない」という話を聞きますよね。

投資家として慎重派の人たちは、まさにそういう行動をとっているのではないかと思います。

ただ、ここで動画を終えると、「ちょっと待て、それは失敗してもまた打席に立てるから言えることだろう」というツッコミが必ず来ると思います。
そして、そのツッコミは正しいです。

私は先ほど「1,000万円未満の損失ならすぐに損切りする」と言いましたが、会社の創業期にはそんなことはできませんでした。
では、会社の創業期にはどのような戦い方をしていたのでしょうか？

即断即決とおっしゃっていましたよね。

そう見えるかもしれませんが、実は創業当初は慎重派だったと思います。

なぜなら、当時は「銃弾が一発しか残っていない」状態で戦っていたようなものだからです。
その一発を外したら終わり、そんな状況が続いていました。
だからこそ、当てるために時間をかけて、慎重に狙いを定めて撃つようなことをしていました。

つまり、投資に使えるお金が限られていて、それを失ってしまったら後戻りできないということですね。
だからこそ、創業当初は取れる選択肢が少なく、慎重にならざるを得なかったと。

そうですね。

しかし、小さな成功をいくつも積み重ねていくことで、即断即決をして仮に失敗したとしても、もう一度立ち直ることができるようになりました。
セカンドチャンスやサードチャンスを得られるようになってきたんです。

そうなると、時間のほうが大切だと考えるようになりました。
ダラダラと悩むよりも、すぐ決めて次に進む方が良い。
この考え方でPDCAサイクルをどんどん回していった方が、自分も会社も成長すると気付いたんです。
だから今、「即断即決の方がパフォーマンスが良いですよ」と言っています。
ある意味、ポジショントークかもしれませんね。

例えば、「今、元手がまったくありません。この100万円をどうにかして増やさなければなりません」という状況だったら、どうなるでしょう？
慎重に、たった一つの銘柄を選ばなければならないですよね。
もし、友達から紹介されたよく分からない投資に「おお、やる！」と即決してしまったら、危険です。
それが本当に良い投資なのかもしれませんが、そういった判断は慎重にしなければなりません。

つまり、「慎重派であるべきか、即断即決派であるべきか」は、人によっても、状況によっても、タイミングによっても変わるのです。
その時々に応じて、自分の判断基準を変えていくことが重要だということですね。

以前、どこかの動画でも話したのですが、即断即決は練習できると思うんです。
日常の中でトレーニングできることだと思っていて、例えば、私がやるようにしているのは「お店に着いたら、まず店員さんを呼ぶ」ことです。
メニューを見るのではなく、まず店員さんを呼ぶ。
店員さんが自分の席に来るまでの間に、メニューを決めるんです。
これ、結構難しいんですよね。

自分でタイムリミットを設定する。
このやり方、すごく良いのです。

で、さらに大事なのは、例えばチキンステーキを選んだとしますよね。
その後に、他のページを見て「うわ、こっちのパスタの方が美味しそう…」と思ってしまうことがあるじゃないですか。

社長が後悔しているの、よく見ます（笑）。

でも、私はその後悔から逃げないんです。

ここが重要なポイントです。
自分の選択をしっかりレビューする。

悔しいんですよ、「ああ、こんなパスタがあったのか！」と。
でも、多くの人はこういう失敗を見たくないから、自分が選んだ後は他のメニューを見ずに終わらせてしまうんですよね。

そうですね。
「自分の選択が正解だった」と思い込んで、終わらせてしまいますね。

それって「現実逃避」なんです。

たとえ失敗したとしても、ちゃんと反省して、次に活かさないといけません。
「ああ、こんなパスタがあったのか」と気づくことで、次回以降の判断基準が生まれるんです。

例えば、「次にこのレストランに来た時は、こっちのパスタにしよう」とか。
あるいは、「チキンステーキとパスタを比べた時、自分はパスタの方が食べたくなる傾向がある」とか。
自分の選択を分析することで、次の判断がより良いものになりますね。
だから、即断即決は日常の中でトレーニングできるんですよ。

気づかないうちに、そういう行動を取っていたこともありましたね。

そう、でもそれを意識的に振り返っていくことが大事なんです。

まずは行動してみよう！

さて、最後にもう一度投資の話に戻りますが、自分の投資家人生を振り返ってみると、結局なんだかんだ勝ってるんですよね。

即断即決でいろいろ決めて、もちろん損もたくさんしてきましたけど、当たったときのリターンの方が大きいんです。

最近は、外貨をどんどん円に換えているんですよ。
円安の影響もありますし、手持ちの現金を増やしたいという理由もあって、いろんな外貨を円転してるんですけど、結局ほとんど増えてるんですよね。
今まで、「やる！やる！」みたいなノリでいろんな投資をしてきました。
もちろん、その裏では「これはやらない」という決断もたくさんしていますが、実際にやったものは、結果的にほとんど増えている。

即断即決でも、しっかりとリスクを考えて、過去のデータも見たうえで瞬時に判断しているんですね。

うん、もちろん限られた時間の中で考えています。

適当に決めているわけじゃなくて、その瞬間にできるベストな判断をしている。

そして、それを繰り返していくことで、決断の質を上げつつ、決断のスピードもどんどん速くしていけるんですよね。
慎重派のままでいると、このトレーニングができないわけです。
だから、みなさんもどんどん決めて、どんどんやったらいいと思います。

さっきの例にもありましたけど、日々の生活の中で練習していくことも大事ですね。
お金がかからない部分からトレーニングして、精度を上げていくのも良いやり方ですね。

たとえば、資産運用エキスポ、1月に東京ビッグサイトでやりましたよね？

私も出展しましたけど、1年前の動画で話した24年のエキスポでは、ワイン投資とウイスキー投資を買いましたよね。

あれも即断即決でしたね。

ノリで何やってんのこいつって、多分社内では言われてると思うんだけど（笑）。
でも「5年後見てて」って話なんですよ。

だってワインは2020年の生産本数が決まってるから、理屈上、価値が上がるんですよね。
ビンテージっていうのは後から増えない。
ということは、たとえば2050年になったとき、2020年のワインは30年熟成になってる。
このとき、「2020年のワインが欲しい！」ってなったら、もう市場に限られた本数しかないわけです。
これ、ビットコインと同じ理論なんですよ。
上限が決まってるものは、基本的に価値が上がる。

でもビットコインと違って、社長が飲んじゃう可能性ありますよね？（笑）

まあ、そこは突っ込まなくていいんだけど（笑）

でもあれは一応、投資として買ってるから、売却するのかな？ ちょっとわかんないけど。
まあ、いずれにしても、あの会場の中でウイスキーとワインっていう似たものを買ったのは、そういう理屈があったからなんですよね。

つまり、ノリじゃなくて、経験とか考えた上での決断だったと。

そうです。

「これすぐ決めても、下がることはないな」っていう感覚があったから。
だから、皆さんも投資イベントに行ったら、まず何かやらないとダメですよ。

だからこそ、日常の中からトレーニングしてほしいなって思います。
とにかく「まず動こう」っていうのが、今日一番伝えたいことですね。

2025年、何かしらの投資をどんどんやりましょう。
やってみて「ちょっと違うな」と思ったら、やめればいいんです。
若干の損切りで終えればいいじゃないですか。
何にもやらなかった人よりも、やったほうが圧倒的に学びがある。

たとえば、外貨預金もいろんなところにちょっとずつ投げてたんですけど、一時は円高になって「うわっ」って思ったこともありました。
でも結果的に、この5年間、日本円でただ貯金してた人と比べると、
・外貨預金に対する知識と経験が圧倒的に増えた
・円安の恩恵を受けられた
・定期預金の金利も高かった
と、全部プラスになったんですよね。

この差ですよね。
「5年前にバンバンやっておいてよかったな」って、心から思ってます。

仮にうまくいかなかったとしても、さっと損切りして次に行ってたと思うし、損切りも経験じゃないですか。
だから、「全てやってみる」っていうマインドセットが大事。

ということで、今日は「慎重派 vs 即断即決派、どっちが投資パフォーマンスが高いのか？」について、実体験をもとに話しました。

ありがとうございました！