共働きで年間300万円を貯める|月々の貯金額とボーナスの使い方

年間300万円の貯金を目指す場合、単純計算では月25万円を貯める必要があります。
ただし、毎月それだけの金額を安定して確保するのは、多くの家庭にとって容易ではありません。
毎月の貯金だけで300万円を目指すのが難しいときは、ボーナスを組み合わせて計画を立てるのが現実的です。
例えば、毎月15万円を12カ月、残りの60万円をボーナスから確保するイメージです。
共働きだからこそ、2人の収入と家計の全体像を踏まえて、無理のない貯金ペースを考えることが大切です。
共働きで年間300万円を貯めるための家計の立て直し方

年間300万円を貯めるには、日々の支出をその場しのぎで調整するのではなく、あらかじめ全体像を整理しておくことが大切です。
生活費と貯金のバランスを設計しておくと、支出の優先度がつけやすくなり、計画的にお金を使えるようになります。
ここでは、支出を管理するための基本ルールと実践方法を紹介します。
(1)貯金目標に合わせて生活費の上限を設定する
まずは「年間300万円を貯金する」という目標を最優先に考え、残った金額を「1年間で使える生活費」とする逆算思考が基本です。
例えば手取りが年間600万円であれば、300万円が生活費の上限になります。
このように最初に「使えるお金の総額」を明確にすると、無意識の使いすぎを防ぐことができます。
(2)支出を「投資・消費・浪費」に仕分けする
日々の支出を「①投資」「②消費」「③浪費」の3つに分類してみましょう。
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①投資
教育費など将来のプラスになるもの -
②消費
食費など生活に不可欠なもの -
③浪費
外食や娯楽など、必須ではないものの心を豊かにしてくれる支出。
この仕分けによって「①投資」は維持しつつ、「②消費」と「③浪費」から見直す部分を判断できるようになります。
浪費の部分をゼロにするのではなく、ほどほどに楽しむ余裕を残すことが、貯金を長く続けるためのポイントです。
無理をせず、家族の満足度にも配慮した支出管理を心がけましょう。
(3)固定費を見直して家計を引き締める
毎月自動的に引き落とされる固定費は、一度調整すれば節約の効果が長く続きます。
通信費は格安プランへの変更や不要なオプションの解約により、料金を削減できる可能性があります。
また、保険料はライフスタイルに合わない契約を続けていると負担が大きくなりやすいため、補償内容を確認し、必要な範囲に調整するのが有効です。
さらに、定額で支払いが発生するサブスクも、使っていないサービスがあれば解約するだけで無駄を減らせるでしょう。
固定費を見直すことで毎月の支払いが減り、その分を自然に貯金へ回せるようになります。
(4)先取りで“貯める”を当たり前にする
給料が入ったタイミングで、あらかじめ設定した貯金額を別の口座に移す「先取り貯金」を使えば、年間300万円の貯金も着実に積み上げやすくなります。
貯金専用の口座を用意し、銀行の自動振替機能で給与日の翌日に移すよう設定しておくと、手間なく続けられるでしょう。
仕組みさえ整えれば、意識しなくても自然と貯金が積み上がっていきます。
夫婦で協力して貯金を継続する3つの方法

夫婦のどちらか一方だけが頑張っても、貯金は長続きしません。
自然と協力し合えるような体制づくりが、貯金を継続するポイントになります。
ここでは、夫婦で年間300万円を貯めるためにできる工夫を紹介します。
(1)生活費は共通口座で管理して家計を一本化する
生活費は共通の口座でまとめて管理し、夫婦それぞれが収入に対して同じ割合を負担する形にしてみましょう。
あわせて、自由に使えるお小遣いを別に確保しておけば、日常のストレスも減らせるはずです。
共通口座で支出を一元化すれば、「何にいくら使っているか」が見えるようになり、無駄遣いに気づいて支出を見直すきっかけになります。
家計の状況をふたりで把握できるようになれば、年間300万円の貯金目標にも現実味が出てきます。
(2)家計簿アプリで共有と見直しの習慣をつくる
家計簿アプリを使って、年間300万円の貯金に向けた支出状況を夫婦で確認しましょう。
支出を自動集計・可視化できるアプリを使えば、毎月の収支が一目でわかり、「あといくら使えるか」を具体的に把握できます。
例えば「マネーフォワード ME」や「Zaim」など、銀行口座やカードと連携できるものなら、入力の手間もかかりません。
あらかじめ「いつ記録するか」「どこまで入力するか」などのルールを夫婦で決めておけば、家計の見直しも無理なく続けられます。
(3)貯金目標を一緒に立てて価値観をすり合わせる
「なぜ年間300万円を貯金するのか」、目的を夫婦で共有しておくことが大切です。
例えば住宅購入、教育費、老後資金など、短期・中期・長期の目的を挙げておくことで、目標に向けて前向きに取り組めるようになります。
また、必要なときに確認できるよう、夫婦で決めたことはできるだけアプリや紙に書き残しておきましょう。
言葉として記録を残しておくことで、貯金の目的を再確認するときに役立ちます。
年間300万円を貯金できる夫婦・できない夫婦の違い

計画的に貯金を進めているご家庭には、いくつかの共通した傾向が見られます。
代表的な3つのポイントを紹介しますので、ご自身の家庭はどちらに近いか、チェックしながら読み進めてみてください。
(1)家計を「数字」で把握しているか
お金が貯まりやすい夫婦は、家計簿アプリなどを活用して支出を〝見える化〟し、「あといくら使えるか」を数字で把握しています。
一方、貯まらない夫婦は「なんとなく使って、余れば貯金」という感覚的な管理に頼りがちです。
収支が見えないままで、思ったよりお金が残らない状況を繰り返してしまいます。
(2)お金の役割分担が「明確」か
夫婦の協力体制も、貯金を左右する重要なポイントです。
「家計簿の記録担当」「NISAの管理担当」といったお金の役割分担が明確で、定期的に情報共有も行い、協力して家計を管理しています。
一方、お金が貯まらない夫婦は役割が曖昧なため、どちらか一方に任せきりになりがちです。
「相手がやってくれるはず」という期待が家計への無関心を生み、結果として二人とも無駄遣いに気づけず、お金が貯まりません。
(3)貯金の目的が「具体的」か
貯金のモチベーションを保つ「目的」が具体的なのもお金が貯まりやすい夫婦の特徴です。
「子供の教育資金として10年後までに〇〇万円」のように、目的と金額を具体的に話し合っています。
一方、貯まらない夫婦は、漠然と「貯めなきゃね」と話すだけで終わる傾向にあります。
目的が曖昧なため日々の誘惑に負け、貯金が後回しになってしまうことが少なくありません。
貯金を増加させる|共働き夫婦が活用したい制度・優遇

家計の見直しとあわせて実践したいのが、公的な制度の活用です。
知っているかどうかで、年間数万円の差が生じることもあります。
「もらえるお金」と「戻ってくるお金」をしっかり活用して、貯金をさらに加速させましょう。
もらえるお金:給付金・補助金をチェック
代表的なのは、子育て世帯が対象の児童手当(子供1人あたり月額5,000円〜15,000円)です。
また、お住まいの自治体が独自に行っている、子育て支援や家賃補助なども見逃せません。
これらは、「お住まいの自治体名 子育て支援」などで検索したり、自治体のホームページで確認したりできます。
「自分たちには関係ない」と思い込まず、一度チェックしてみると良いでしょう。
受け取った給付金は、そのまま貯金用の口座に入れれば、着実に300万円の目標達成に近づきます。
戻ってくるお金:税制優遇(控除)で支出を抑える
とくに以下のような支出がある方は、控除の対象になる可能性が高いです。
・年間の医療費が家族で10万円を超えた
・住宅ローンを返済中
これらの控除の申請は、年末調整や簡単な確定申告で完了します。
会社から年末調整の書類が配られる11月頃に、夫婦で「今年の年末調整で申請できるものはない?」と話し合ってみましょう。
戻ってきたお金はご褒美に使うのも良いですが、一部でも貯金に回すことで、年間の貯金計画がぐっと楽になるはずです。
【発展】貯めたお金をさらに増やす:NISA・iDeCoの活用
年間300万円の貯金に慣れてきたら、次のステップとして、貯めたお金の一部に働いてもらう「資産形成」を考えてみましょう。
その代表例が「NISA」と「iDeCo」です。
これらは投資で得た利益にかかる約20%の税金がゼロになる、お得な制度となっています。
やることは以下のとおりです。
シンプルな仕組みなので、誰でも始められます。
目的で選ぶ
- 将来の教育資金など、途中で引き出す可能性があるお金は「NISA」
- 60歳まで使わない老後資金なら「iDeCo」
少額から始める
- 最初は月々5,000円や1万円から試してみて、必要に応じて積み立て額を増やしていく
まずは「こんな制度があるみたいだよ」と夫婦で情報共有してみてください。
もし興味が持てそうなら、一緒にネット証券のサイトでシミュレーションを試してみるのがおすすめです。
このバランス感覚が、「子供の大学資金」や「住宅購入」、そして「夫婦の豊かな老後」といった、将来の大きなライフイベントに備えるための鍵になります。
よくある質問|共働きの貯金計画でよくある悩みと対応例

子供が生まれたら貯金計画はどう見直す?
生活費を再調整し、貯金のペースを見直す必要があります。
育児関連の支出が増える一方で、児童手当や出産育児一時金などの制度も利用できます。
一時的に貯金額を減らしても問題はなく、家計が安定したら再設定すれば十分です。
ボーナスがない・時短勤務でも300万円を目指せる?
不可能ではありませんが、支出の徹底的な見直しと、副業などによる収入増の両方が必要になるでしょう。
もし難しい場合は、無理に300万円に固執せず、まずはご家庭に合った現実的な目標額から始めてみてください。
「目標の変更=失敗」ではないことを忘れないでください。
どちらかが退職・転職した場合はどうすればいい?
貯金計画を収入に合わせて柔軟に立て直しましょう。
失業給付や退職金などを一時的な生活費にあてながら、再就職後の再開を目指す形でも問題ありません。
目標の一時中断は「撤退」ではなく、必要な戦略と捉えましょう。
まとめ|年間300万円を貯めたいなら、まず生活費を見直そう

共働き家庭であれば、年間300万円の貯金は決して無理な目標ではありません。
大切なのは「先取り貯金」で貯金を自動化する仕組みと、夫婦で家計を共有するルールづくりです。
まずは「どこに、いくら使っているか」を夫婦で一緒に把握することから始めてみましょう。
仕組みが整えば、貯金は「頑張って続けるもの」から「自然と達成できるもの」に変わってくるはずです。