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現物投資とは?初心者でもわかる基礎知識と種類・メリット・始め方を紹介

現物投資とは?初心者でもわかる基礎知識と種類・メリット・始め方を紹介

「現物投資ってどんなもの?」
「株や投資信託とどう違うの?」
「初心者でも始められるのでしょうか。」

不動産や金、美術品など、実際に手に取れる資産に投資する現物投資が注目されています。
金融商品と異なり、現物資産はインフレに強く、価値の保存手段としても利用されてきました。

しかし、保管や管理コスト、流動性の低さなど、特有のリスクもあるので、現物投資を始める際は、事前に基礎知識を身に付けておく必要があります。

この記事では、現物投資の基礎知識から主な種類、メリット・デメリット、そして初心者が始める際のポイントについて紹介します。

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この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

現物投資とは?

現物投資とは、「実際に手に取れる資産」に投資する方法を指します。

現物資産はそのもの自体に価値があり、長期的な資産保全やインフレ対策として古くから利用されてきました。

実際に「骨とう品や美術品などは価値が高くなる」というイメージを持ち合わせている方も多いのではないでしょうか。

現物投資は投資対象としての魅力だけでなく、「持っている安心感」も大きな特徴です。

そんな現物投資の基礎について紹介します。

現物投資の定義と特徴

現物投資とは、その名のとおり「現物」を対象とする投資です。

現物投資は、法律や学術的に統一された厳密な定義は定まっていませんが、不動産や金、銀、プラチナ、美術品、骨董品などの現物のことを指すことが一般的です。

これらは金融商品と異なり、企業や国の信用力に依存するものではなく、その資産自体に価値があります。

一方で、保管や管理にコストや手間がかかることも特徴でもあるのです。

つまり、現物投資は資産防衛や価値保存の観点から有効ですが、同時に実物ゆえの管理リスクも伴う投資手法といえるのです。

金融投資との違い

金融投資は、株式や債券、投資信託といった金融商品に資金を投じるのに対し、現物投資実物資産に投資するという点で大きな違いがあります。

金融投資は市場の流動性が高く、インターネット取引を通じてすぐに売買できるのがメリットですが、景気や企業業績、金利変動などに左右されやすい特徴があります。

一方、現物投資は流動性が低く、値上がりに時間がかかるケースも多いですが、その分、通貨価値の下落や株式市場の変動といった外部要因に影響されにくい特徴があります。

つまり、金融投資は長期運用による成長でのリターンを追求するのに対し、現物投資は価値の安定と資産保全に重きを置く違いがあるのです。

項目 現物投資 金融投資
投資対象 不動産、金・貴金属、美術品、骨董品など 株式、債券、投資信託、FXなど
特徴 資産そのものに価値がある 発行体(企業や国)の信用力や市場に依存
流動性 低い(売却に時間がかかる) 高い(市場を通じてすぐ売買可能)
リスク要因 偽造・劣化、保管コスト、需要変化 景気変動、金利、企業業績、為替レート
リターンの性質 長期的に価値を維持・安定 市場の成長によるリターンを追求
インフレへの強さ 強い(価値が下がりにくい) 弱い場合がある(通貨価値に影響されやすい)
心理的要素 手元に現物がある安心感 数字上の資産で実感が得にくい

そのため、両者を組み合わせることで資産運用のバランスをとることが可能となります。

現物投資が注目される背景

現物投資が改めて注目されている背景には、世界的な経済不安が挙げられます。

近年、金融緩和政策や地政学リスクの影響で通貨の価値が揺らぎ、株式や債券市場の変動も激しさを増しています。

中東やウクライナでの戦争などは未だ終了の目安が不透明なことから、投資家は株式や債券といった金融資産から資金を引き揚げ、より安全な資産へと逃避する傾向があります。

また、テクノロジーの進展によって、金の小口購入やワイン投資プラットフォームなど、従来よりも少額から始められる現物投資サービスが増えたことも追い風です。

金融市場が不透明な時代において、「実際に存在する資産を持つ安心感」が、多くの投資家にとって大きな魅力となっているのです。

現物投資の主な種類

ここでは現物投資の主な種類を紹介します。

不動産投資

現物投資の代表格といえるのが不動産投資です。

不動産投資は、賃貸用のマンションやアパート、一戸建て、さらには商業用不動産などを購入し、家賃収入や売却益を得る手法です。

日本は人口動態や都市開発の進展により地域ごとによって不動産価値の差が大きいため、投資先の選定が重要です。

また、不動産は融資を活用できる点が特徴で、少ない自己資金からでも大きな投資が可能であることから、現物投資の中でも人気が高いという特徴があります。

一方で、空室リスクや修繕費、固定資産税などのコストも発生するため、長期的な資産運用計画が求められます。

安定した収益性を確保するには立地や需要動向の分析が欠かせません。

金・貴金属投資

インフレや金融不安に強いとされるのが、金や銀、プラチナなどの貴金属投資です。

特に金は「有事の資産」と呼ばれ、世界経済が不安定なときに価格が上昇しやすい傾向があります。

金は不動産投資のように家賃収入などは得られませんが、長期的な価値保存手段としての魅力が高く、資産全体のリスク分散に適しているのです。

美術品・骨董品投資

絵画や彫刻、古美術品、骨董品などに投資するのも現物投資の1つです。

芸術品は世界的に希少性が高く、時間とともに価値が上昇するケースも多いのが特徴です。

特に著名な作家や歴史的に重要な作品は、市場で高額で取引されることがよくあります。

ただし、美術品や骨董品は流動性が低く、売却までに時間がかかる特徴もある現物です。

農産物・ワインなどの代替資産投資

ワインやウイスキー、農産物など、嗜好品や食料関連の現物資産も投資対象となります。

例えば、希少価値の高いビンテージワインや高級ウイスキーは、時間が経過することで価値が上がり、投資対象として人気を集めています。

また、農地や農産物そのものを資産として保有するケースもあり、食料需要の高まりとともに注目されています。

ただし、保管条件や市場の流通規模に左右されやすく、専門的な知識や流通ネットワークが不可欠です。

現物投資のメリット

現物投資を行う際は、メリットを理解しておくことが大切です。

メリット
1. インフレヘッジになる
2. 現物資産としての安定価値
3. 現物保有による心理的安心感
4. 株式や債券と相関が低い資産分散効果

ここでは4つ紹介するので1つずつ確認していきましょう。

インフレヘッジになる

現物投資の大きな魅力の1つが、インフレに強い点です。

貨幣の価値が下落しても、不動産や金といった現物資産はその価値を相対的に維持しやすい傾向にあるのです。

例えば、物価が上昇すれば地価や家賃も上がることが多く、不動産投資家は実質的に恩恵を受けられます。

また、金などの貴金属も、世界的にインフレ局面で需要が高まり、価格上昇が期待できる資産です。

金融資産の多くがインフレで目減りする中、現物投資は価値が目減りしにくいため、資産防衛という点では大きなメリットにつながります。

現物資産としての安定価値

現物資産は紙幣や株式のように短期間で無価値になるリスクが低い点が強みです。

ハイパーインフレーションや会社の倒産・上場廃止が発生するなど、紙幣や株式が国家や企業の信用に依存しているものにはリスクがあります。

一方、不動産や金は歴史的に長期間にわたり価値を保ち続けてきた実績があり、経済環境や企業の業績の変動に左右されにくい安定資産とされています。

金融危機や市場の暴落時でも、一定の価値を維持する傾向があり、資産の下支え役として有効なのです。

また、資産としての寿命が長いため、世代を超えて受け継ぐこともできるメリットがあります。

現物保有による心理的安心感

現物投資には、実際に手に取れる資産を所有できるという心理的な安心感があります

株式や投資信託のように数字上の残高としてしか存在しない資産とは異なり、土地や建物、金地金、美術品などは目で確認し、直接保有することができます。

この実物を所有しているという感覚は、投資家にとって心強いものとなり、不安定な市場環境においても精神的な安定を与えてくれます。

また、資産の価値が下がったとしても、住居として利用したり、鑑賞して楽しむといった実用的・文化的価値が残るメリットもあるのです。

株式や債券と相関が低い資産分散効果

現物投資は、株式や債券といった金融資産との値動きが異なるため、資産分散効果が高いというメリットがあります。

株式市場が下落しても不動産や金が逆に上昇するケースがあり、リスクを相互に打ち消し合う効果が期待できます。

特にポートフォリオ全体を考える際には、相関性の低い資産を組み合わせることで安定性を高められるのが大きな利点となるため、分散投資先として有効でもあるのです。

現物投資のデメリット・注意点

一方で、現物投資にはデメリットや注意点もあるので事前に理解しておく必要があります。

大きく分けると以下の4点が挙げられます。

デメリット
1. 保管・管理コストがかかる
2. 流動性が低い(売却に時間がかかる)
3. 価格変動リスクがある
4. 偽物や品質劣化のリスク

1つずつ確認していきましょう。

保管・管理コストがかかる

現物投資の大きな注意点の1つは、保管や管理にコストが発生する点です。

不動産であれば、固定資産税や修繕費、管理費などが継続的にかかります。

金や貴金属を自宅で保管する場合は盗難リスクが伴い、銀行の貸金庫や専用保管サービスを利用すると手数料が必要です。

ワインや農産物のような投資対象は、温度や湿度の管理が必須で、保管環境の維持に費用と手間がかかります。

これらのコストを考慮せずに投資を始めると、想定以上に利回りが低下する可能性があります。

そのため、保管や管理に必要な費用を事前に試算しておくことが重要です。

流動性が低い(売却に時間がかかる)

現物資産は、株式や債券のように市場で簡単に売買できるものではなく、流動性が低いというデメリットがあります

不動産を売却する場合、買い手を探し契約手続きを経る必要があり、数カ月単位で時間がかかるのが一般的です。

美術品や骨董品も同様に、購入希望者が見つかるまで待たなければならず、すぐに現金化することは難しい場合があります。

この流動性の低さは、急な資金が必要となった時に現金化できないリスクを意味します。

現物投資を行う際は、余裕資金で取り組むこと、または流動性の高い金融資産と組み合わせることが望ましいです。

価格変動リスクがある

現物資産も、価格が常に安定しているわけではありません

不動産であれば景気動向や人口減少、地域の需要低下によって価格が下落することがあります。

金や銀といった貴金属は、為替や国際情勢、金融市場の動きによって価格が大きく変動し、美術品やワインは、流行や投資家の嗜好によって価格が大きく左右されやすい特徴があります。

つまり、現物だからといって安全とは限らず、投資対象ごとに需要と供給が変動するため、価格も変動する点を理解しておきましょう。

偽物や品質劣化のリスク

現物投資ならではのリスクとして、偽物や品質劣化の問題があります

特に美術品や骨董品は、真贋の判別が非常に難しく、専門的な知識がないと偽物を高値で購入してしまうリスクがあります。

ワインや農産物の場合も、保管環境が適切でなければ品質が劣化し、価値が大幅に下がる可能性があり、金や貴金属でも、純度が低いものを誤って購入してしまうケースがあるのです。

こうしたリスクを避けるためには、信頼できる業者を利用すること、鑑定書や証明書を必ず確認すること、そして保管環境に十分配慮することが大切です。

現物投資の始め方

ここでは現物投資の始め方を紹介します。

全体的な流れは以下の4ステップで進めます。

・目的と予算を明確にする
・信頼できる販売業者・仲介業者を選ぶ
・保管方法と保険の検討
・市場価格や需要動向を調査する

1つずつ確認していきましょう。

目的と予算を明確にする

始める前に、まず「何のために投資するのか」と「どれくらいの資金を投じるか」を明確にすることが重要です。

現物投資とはいえ、資産防衛やインフレヘッジ、長期的な資産形成など目的によって、適した投資対象や戦略が変わります。

また、現物投資は購入費用だけでなく、維持・管理費用もかかるため、その点もシミュレーションしておくことが大切です。

信頼できる販売業者・仲介業者を選ぶ

信頼できる販売業者や仲介業者を選ぶことが重要です。

不動産であれば実績ある不動産会社、金や貴金属であれば公認の貴金属商、美術品や骨董品であれば専門のオークション会社やギャラリーを活用します。

業者の信頼性や過去の取引実績、鑑定書や保証制度の有無を確認することで、偽物やトラブルのリスクを大幅に減らすことができます。

また、複数の業者で見積もりや条件を比較しておきましょう。

保管方法と保険の検討

購入後の保管方法も検討しておきましょう。

不動産なら管理会社を通じた適切な維持管理、金や貴金属、美術品なら防犯・温湿度管理の整った保管環境が求められます。

また、万一の盗難や火災に備えて、保険への加入も行っておきましょう。

特に高額な美術品や希少金属は、保険料をかけても損失をカバーする価値があるケースが多く、リスク管理の一環として欠かせません。

保管方法と保険を計画的に準備することで、安心して投資を続けられるでしょう。

市場価格や需要動向を調査する

購入前に市場価格や需要動向を十分に調査することが不可欠です。

不動産であれば地域の人口動態や開発計画、賃貸需要を調べ、金や貴金属なら国際相場や為替動向、美術品や骨董品なら作家や作品の人気、オークション結果などを確認します。

投資対象の価値が将来的にどう動くかを理解することで、リスクを最小限に抑え、効果的な購入タイミングや売却戦略を立てやすくなります。

情報収集と分析が、現物投資で成功するための第一歩となるでしょう。

まとめ

現物投資は、不動産や金、美術品、骨董品、農産物など「実際に手に取れる資産」に投資する方法で、長期的な資産保全やインフレヘッジに向いています。

株式や債券と比べると流動性は低いものの、資産の安定性や心理的安心感、金融資産との相関が低い分散効果といったメリットがあります。

一方で、保管や管理コスト、価格変動、偽物や品質劣化のリスクもあるため、投資を始める際には目的や予算を明確にし、信頼できる業者の選定、保管方法や保険の検討、市場動向の調査が欠かせません。

現物投資は、適切に準備し情報収集を行うことで、資産防衛や安定した価値保存を実現できる手段ですが、まずは自分の目的と資金に合わせて、無理のない範囲で現物投資を行うことをおすすめします。

この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

保有資格

AFP(日本FP協会認定)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

第一種証券外務員

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