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公務員がiDeCoをやらないほうがいいといわれる3つの理由
公務員の方がiDeCoをやらない方がいいと言われる理由は以下の3点です。
(2)運用商品の種類が限られるため
(3)税制優遇も少ないため
ひとつずつ確認しておきましょう。
(1)掛金の拠出上限額が低いため
iDeCoには掛金の拠出上限額が定められており、公務員の場合は個人事業主やフリーランスと比較すると低く設定されているためです。
掛金が高いほど利益も大きくなりますが、公務員の場合、企業型確定拠出年金が無し、確定給付型年金が有りとなるため、月々12,000円が上限です。
他の区分と比較して分かるとおり、月額拠出限度額は最も低いという特徴があります。
(2)掛金に対する手数料の負担割合が高い
iDeCoの運用期間中かかる手数料は、掛金の金額が変わっても手数料は変動しません。
毎月171円の手数料がかかり、年率1.4%となりますが、会社員や自営業の人と比較すると負担割合が高いです。
(3)税制優遇も少ないため
iDeCoの掛金は所得控除の対象となりますが、月額拠出限度額が低いため、税制優遇も少なくなります。
掛金は全額所得控除でき、所得税や住民税が軽減されます。つまり、掛金が大きいほど節税効果が高いということです。
もちろん節税できることは大きなメリットですが、会社員の方と同じ収入であっても節税効果は低いということになります。
公務員がiDeCoに加入する3つのメリット
公務員はiDeCoをやらないほうがいいという理由を紹介しましたが、加入するメリットも3つあります。
(2)運用益は非課税となる
(3)資産を受け取るときも所得控除の対象となる
ひとつずつ確認して加入するか検討しましょう。
(1)掛金は節税につながる
先程もお伝えしたとおり、掛金は全額所得控除となるため、所得税・住民税の節税につながります。
例として、年間400万円の所得の公務員が、月々1万2,000円の掛金でiDeCoを運用した場合、所得税は2万8,800円、住民税(税率10%)は1万4,400円の節税になります。
合計すると、4万3,200円の節税となり、10年で約43万円もの節税効果が見込め、長期になるほど効果は大きくなるメリットがあります。
(2)運用益は非課税となる
iDeCoの運用益は非課税となるメリットがあります。
資産運用や投資で得た利益に関しては、20.315%の税率を掛けた税金が課せられます。
しかし、iDeCoの運用益に対しては非課税となるため、納税する必要がありません。
公務員の方は、一般企業と比べて収入が大きいとは言い切れません。
納税せずに利益を伸ばせる点は、大きなメリットとも言えるでしょう。
(3)利益を受け取るときも所得控除の対象となる
iDeCoで得た利益を受け取る時も、所得控除の対象となります。
iDeCoの運用益を一括で受け取る場合は退職所得控除、分割の場合は公的年金控除が適用されます。
退職所得控除は、加入していた年数に合わせて以下の計算式で算出します。
加入年数20年以下:40万円ⅹ勤続年数(80万円未満の場合は80万円)
加入年数20年以上:800万円+70万円ⅹ(勤続年数-20年)
参考|国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」
公的年金控除は、年間合計所得が1,000万円以下の方は、以下の計算式で算出した金額が非課税となります。
引用|国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
公務員の方の場合、iDeCoの月額拠出限度額が低いため、一括でも分割でも非課税となるケースが一般的です。
いつから公務員のiDeCoの掛金が2万円になりますか?
2024年12月から、公務員の方のiDeCoの月額拠出限度額は2万円まで引き上げられます。
2024年6月21日(金)、厚生労働省より共済掛金相当額等の告示があり、以下のように定められました。
第二号厚生年金被保険者(国家公務員) 8,000円第三号厚生年金被保険者(地方公務員) 8,000円
これにより、iDeCoの掛金が引き上げられるため、従来より大きな金額を運用することができます。
公務員がiDeCoを始める際の注意点
ここでは公務員がiDeCoを始める際の注意点を3つ紹介します。
(2)育休時はiDeCoへの拠出を一時停止する
(3)転職や退職時はiDeCoの移管が必須
ひとつずつ確認しておきましょう。
(1)年末調整・確定申告を忘れない
iDeCoを運用している方は、年末調整や確定申告を忘れないように注意しましょう。
申告しないと、所得税や住民税の節税になりません。
公務員の場合、ほとんどの方が年末調整で申告します。
勤務先から渡される「給与所得者の保険証控除申告書」に「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」という欄にiDeCoで拠出した金額を記入する流れです。
また、毎年10月~11月頃に国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」の原本も提出します。
年末調整に間に合わなかった場合は、確定申告で手続きしましょう。
(2)育休時はiDeCoへの拠出を一時停止する
育休中はiDeCoへの拠出を一時停止を検討しましょう。
育休中は給料が支払われないため、iDeCoの掛金の引き落としができなくなります。
公務員は最長で3年間の育児休暇を取得することができます。
しかし、育休中は給料が支払われることがなく、「育児休業手当金」が支給されます。
満額保障されるわけではなく、支給期間も原則1年間となっています。
支給額は、育児休業開始から約半年(180日)間は、標準報酬日額の2/3、180日以降は1/2です。
しかし、育児休業手当は収入とみなされないため所得控除の対象とならないため、一時停止を行い、育休が終了したタイミングで再開しましょう。
(3)転職や退職時はiDeCoの移管が必須
公務員の方が転職、退職する際は、iDeCoの移管が必須です。
転職先に企業型確定拠出年金がある場合、「個人別資産管理資産移換依頼書」を提出し、転職先の企業型拠出年金に加入する手続きを行いましょう。
転職先に企業型確定拠出年金がない場合、個人型確定拠出年金を扱う金融機関を1つ選び口座を開設をして、「個人別資産管理資産移換依頼書」を提出しましょう。
公務員がiDeCoを始める手順
これからiDeCoを始めようと検討している公務員の方に向けて、始める手順を紹介します。
(2)書類の準備と加入手続き
(3)納付方法や年金の受け取り方を選ぶ
ひとつずつ紹介します。
(1)金融機関と金融商品を選ぶ
はじめに、口座開設をする金融機関を選ぶようにしましょう。
ネット証券や銀行、信用金庫などさまざまな金融機関で開設することが可能です。
金融機関の口座開設をした後は、金融商品を選びます。
金融商品には、リスクの低い元本保証型の商品と、元本割れのリスクがあり、利益の大きい投資信託の2種類あります。
安定を重視する方は元本保証型、多少リスクを取って利益を狙いたい方は投資信託を選ぶようにしましょう。
ただし、口座開設する金融機関によって取り扱い商品も異なるため、ラインナップを確認してから開設することをおすすめします。
(2)書類の準備と加入手続き
iDeCoに加入する手続きの流れは以下のとおりです。
1. 口座開設した金融機関から入手した「個人型年金加入申出書」に記入をし、事業主証明書を勤務先に記入依頼を行います。
2. 本人確認書類を金融機関へ提出します。
3. 金融機関から国民年金基金連合会へ書類が送られます。
4. 申出者宛に記録関連運営管理機関から「口座開設のお知らせ」と、国民年金基金連合会から「加入資格確認結果通知」が届きます。
手続きが完了した後は、毎月26日に引き落としされる流れです。
(3)納付方法や年金の受け取り方を選ぶ
iDeCoの納付方法と受け取り方法を選ぶことが可能です。
納付方法は、所属する事業者から納付する「事業者振込」と、加入者本人が納付する「個人振込」があります。
また、受取方法は一括で受け取る「一時金」と、一定金額を定期的に受け取れる「年金」から選ぶことが可能です。
受取方法によって税制優遇される額が異なるため、確認して選びましょう。
まとめ
公務員の方はiDeCoをやらない方がいいという意見がありますが、メリットを見て分かるとおり、税制優遇を受けることができます。
さらに、2024年12月より月額拠出限度額は2万円まで引き上げられるため、従来より大きな節税が可能です。
やめた方が良いという意見だけに聞く耳を持つのではなく、しっかり自分にとってメリットがあるのかを見極めてから始めるようにしましょう。