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第11回 区分マンション投資の3つの「なぜ?」を解説|不動産エコノミストが語る、不動産投資COCOだけの話

  • #不動産投資

今回は、「区分マンション投資」について考察します。
広く一般的な方が行う(=本業ではない方が行う)「不動産投資」と言えば、その代表格は区分マンションへの投資でしょう。
その中で、初めて投資を行う方が「なぜ?」と思うであろうことについて解説します。

この記事の取材協力者

吉崎 誠二

不動産エコノミスト

吉崎 誠二

SEIJI YOSHIZAKI

不動産エコノミスト、不動産企業コンサルタント、CREビジネスコンサルタント
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション、CREコンサルティング、などを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数行う。

・レギュラー出演
 ラジオNIKKEI:5時から“誠”論(月~水:17時~)
 ラジオNIKKEI:吉崎誠二のウォームアップ 830(月:8時30分~)
 テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演

URL: https://www.yoshizakiseiji.com/

なぜ、区分マンション投資で中古物件が増えているのか? 

なぜ、区分マンション投資で中古物件が増えているのか 

一つ目は、「なぜ最近、中古物件への投資が増えているのか」についてです。
区分マンションへの投資は、かつては新築物件が圧倒的多数を占めていました。
しかし、いまでは、既に賃貸中の物件(=中古物件)への投資(オーナーチェンジ)もかなり増えています。

その主な理由は、以下の3つでしょう。

1:新築物件の値段が高騰していること 
工事費・土地価格とも高騰を続け、しばらくは(少なくとも25年くらいまでは)、新築物件は、かなり高額が続く見通しです。

2:2000年代前半に多く建築された投資用区分マンションを手放すオーナーが増えていること
2000~2008年くらいまでは、ここ10年と比較にならないほど、多くの新築投資用区分マンションが供給されました。築20年前後を迎え必然的に、手放す方も増えています。

3:貸用(=投資用)区分マンションの中古物件の流通量が増えていること
(2)の理由に加えて、区分マンション投資において中古物件だけを探す投資家が増えていることも、大きな要因です。

なぜ、投資物件はワンルームマンションが主流なのか

なぜ、投資物件はワンルームマンションが主流なのか

二つ目は、「なぜ、区分マンション投資のメインはワンルームマンションなのか」についてです。
区分マンション投資の部屋のサイズは、主に単身者用である、1Rタイプや1LDK(1DKなど=コンパクトタイプ)タイプが主流です
ワンルームタイプは20~30㎡、またコンパクトタイプは35~50㎡程度の広さで、このサイズ感の投資用マンションが多く見られます。

その理由として主なものは4つあります。

1:投資総額が安いこと(決して坪単価が安いという意味ではありません)
2:流通量が多いこと
3:単身者向けの賃貸需要は今後も安定していること
4:賃料(家賃)の変動が大きくないこと

とくに、都市部においては、単身向け賃貸マンションの需要は、旺盛であり、景気悪化時においても、比較的安定していることから、リスクに強い不動産投資といえそうです
また、70㎡を超えるファミリー向けの広い部屋は、賃料変動時に大きく下がるリスクがありますので、「安定感」を求める投資家には、ワンルームやコンパクトタイプが向いていると言えるでしょう

なぜ、ファミリータイプ区分マンション投資が増えているのか?

なぜ、ファミリータイプ区分マンション投資が増えているのか?

しかし、このところは、もう少し広めのファミリータイプ区分マンションへの投資をする方も増えてきました。
三つ目の「なぜ」は、ファミリータイプ区分マンション投資が増えている理由についてです。

主な理由としては、以下の2つが考えられます。

1:分譲マンション価格高騰が続き、価格上昇期待、キャピタルゲイン期待がある
ワンルーム&コンパクトタイプも値上がり期待はありますが、上がってもキャピタルゲイン額は、上昇「率」で見れば同じくらいかもしれませんが、「金額」ではそれほど大きくありません。

2:売却時の需要は実需(自宅用)と投資用の2パターンある
ワンルームタイプ物件の需要は、ほぼすべて賃貸需要です。
しかし、ファミリータイプでは、実需(自宅用)の購入もあれば、賃貸需要もあります。
こうしたことも、価格上昇時に上昇幅に拍車がかかる要因です。

しかし、当然のことながら賃貸中の物件の売却は投資用需要に限られます
そのため、ファミリータイプの「分譲マンション」では、売ろうと思うタイミングで売却活動ができるように、近年は2~3年の「定期賃貸借契約」を結ぶ例が増えてきました。

ご承知の通り、期間の定めのある「定期賃貸借契約」における賃料は、期間の定めのない「普通賃貸借契約」における賃料に比べて安くなります(一般的には)。

そのため、利回り計算での想定賃料ではこうした考慮が必要です。

まとめ

まとめ

ここまで、区分マンション投資における3つの「なぜ」について解説しました。
初めて区分マンション投資を行う方は、安定性のある、ワンルームやコンパクトタイプを、キャピタルゲインも合わせて狙いたい方は、ファミリータイプ区分マンション投資を検討してもいいかもしれません。

ただし、ファミリータイプ区分マンションの価格は、相当高くなってきており、この先の価格下落リスクについては十分な注意が必要だと思われます。

この記事の取材協力者

吉崎 誠二

不動産エコノミスト

吉崎 誠二

SEIJI YOSHIZAKI

不動産エコノミスト、不動産企業コンサルタント、CREビジネスコンサルタント
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション、CREコンサルティング、などを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数行う。

・レギュラー出演
 ラジオNIKKEI:5時から“誠”論(月~水:17時~)
 ラジオNIKKEI:吉崎誠二のウォームアップ 830(月:8時30分~)
 テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演

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