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第36回リスク選好とポートフォリオ理論。不動産投資におけるポートフォリオ理論|不動産投資COCOだけの話

  • #不動産エコノミストが語る不動産投資COCOだけの話

「資産を増やす・残す」を考えた時に、まず考えるのが「節税」と「投資」でしょう。

このうち、節税効果を狙った商品メニューは、国税庁が封じるような形でメニューが減っています。
一方、投資は商品バリュエーションが増え、また新NISAなどに代表されるように、政府も積極的な投資を後押ししている状況です。
現行制度では、株式譲渡益や配当にかかる税率は約20%ですから、分離課税で申告すれば、所得税率20%を超える方にとっては、ある種の節税となります。

税制度のすき間をついた節税メニューは一般的にリスクがないものとされます(微妙なラインというものもありますので、その場合はリスクがあります。
あくまで、一般論です)が、何かに投資を行う場合には必ずリスクがあります。
リスクをとる対価としてリターン(収益)があるわけです。

そして、投資の種別によって、リスク⇔リターンの大きさは異なり、「どのくらいのリスクをとるか、つまりどのくらいのリターンを狙うか」は投資をする方の好みにより、これにより投資先や投資種別が概ね決まります。

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この記事の取材協力者

吉崎 誠二

不動産エコノミスト

吉崎 誠二

SEIJI YOSHIZAKI

不動産エコノミスト、不動産企業コンサルタント、CREビジネスコンサルタント
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション、CREコンサルティング、などを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数行う。

・レギュラー出演
 ラジオNIKKEI:5時から“誠”論(月~水:17時~)
 ラジオNIKKEI:吉崎誠二のウォームアップ 830(月:8時30分~)
 テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演

URL: https://www.yoshizakiseiji.com/

リスク選好と選好の変化

リスク選好と選好の変化

個々の投資における判断基準を突き詰めれば、リスクをどれだけ許容できるか(=どれだけ大きなリターンを求めるか)に帰着します。

これはファイナンス用語では、「リスク選好」と呼ばれるものです。

国債投資はローリスクローリターン、株式投資において小型株はハイリスクハイリターン、大型株はローリスクローリターン、そして実物不動産投資はミドルリスクミドルリターン、などと一般的に言われます。

ザックリとはそうかもしれませんが「個々により異なる」というのが実際でしょう

リスク中立的な立場に立てばリスクとリターンの関係は線形のグラフ(Y=aX)となりますが、リスク愛好型の場合はY=aX2型のグラフとなり、リスク回避型の場合はその逆となります。

リスク許容度

投資家のリスク許容度は様々状況で変化しますが、一般的には初期はリスク回避型の方が多く、多少のリターンを得ることができれば、次第にリスク許容度は大きくなる傾向にあります
このようなリスク選好と投資経験値により、どんな商品に投資をするかが決まってきます。
もちろん、ステディに「いつも同じ」という投資家もいます。
しかし、誰もがリスクを最小限にして大きなリターンを得たいと考えるのは自然のことです。

そこで、「どうすれば、それが実現できるか」の答えの1つがポートフォリオ戦略です

ポートフォリオ理論

ポートフォリオ理論

ポートフォリオ(Portfolio)とは、株式や債券などの資産の組み合わせのことを指します。

そして、複数の資産を組み合わせた分散化されたポートフォリオを作成することによって、「より低いリスクで高いリターンが期待できる」、これがポートフォリオ理論「Modern Portfolio Theory(MPT)」と呼ばれるものです。

MPTは、アメリカの経済学者マーコウィツ氏(1990年:ノーベル経済学賞)が1950~60年代に論文で発表した分散投資理論がベースとなっています。

J-REITにポートフォリオ理論があてはまるのか?

JREITにポートフォリオ理論があてはまるのか?

ポートフォリオ理論は不動産投資にもあてはまるのか?は議論の分かれるところです。

各J-REIT銘柄は相当数の物件を保有しており、その意味では分散が効いています

しかし、J-REIT銘柄にはオフィスのみ、レジデンスのみ、物流施設のみ、ホテルのみといったシングルアセットクラスタイプもあります。

一方で、これらのうち2つを組み合わせた複合型、あるいは多くのアセットクラスを組み合わせた総合型があります。

分散が効いている

 ポートフォリオ理論に基づけば、シングルアセットタイプよりも総合型の方が「分散が効いている」ということになり、投資のパフォーマンスが上がることになりますが、現実には、「そうとも言えない場合もある」という状況になっています

 J-REITは、保有する資産を主にメインスポンサー関連企業のアセットマネジメント会社が運用します。

その収益が配当原資となります。

不動産の運用は専門性が高く、とくにホテルや物流施設などのオペレーショナルアセットでは高い専門性が求められます。

シングルアセットクラスの場合はアセットクラスの分散は聞いていませんが、一方で、その専門性を活かして、高いパフォーマンスを上げているということもあり一概には言えない、という状況です

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吉崎 誠二

不動産エコノミスト

吉崎 誠二

SEIJI YOSHIZAKI

不動産エコノミスト、不動産企業コンサルタント、CREビジネスコンサルタント
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション、CREコンサルティング、などを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数行う。

・レギュラー出演
 ラジオNIKKEI:5時から“誠”論(月~水:17時~)
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