株式投資のポートフォリオとは

ポートフォリオとは、投資家の資金をどのように配分・運用しているかを示す資産構成のことです。
円グラフなどで視覚的に表現することもあります。
株式投資のポートフォリオでは、資産の配分先を国内や先進国、新興国の各市場に分け、さらに細分化することが多いです。
さらに国内市場でも、銘柄・運用期間・目標利回り・運用型などで細分化することも考えられます。
市場による分類は分かりやすいため、ここでは別の切り口である“運用型”の例を紹介します。
長期運用目的で国内株式を中心に安定的に運用していきます。
(2)バランス型(目標利回り3%以上5%未満)
国内・先進国・新興国株式とも偏ることなくバランスよく配分します。
(3)積極運用型(目標利回り5%以上)
目標利率を高く設定し、国内株式の比重を抑え、先進国や新興国株式に重点を置く手法です。

ポートフォリオの必要性

投資活動では目的を明確にすることが必要です。
老後の生活資金の確保が目的なのか、子育て資金を増やしたいのか、はたまた手持ち資金の増加を最大限に目指すのかで戦略は異なってきます。
株式投資は投資信託と異なり、利益の変動が大きいハイリスクな投資活動となります。
株式投資を戦略的に行うには、投資分野の全体像を把握した上で、さらに利益を上げるため個々の銘柄についても分析していく必要があります。
ポートフォリオは、自分の投資目的を認識し、当初の目的を達成しているかどうかを常に確認するためのツールとして活用しましょう。
次に株式投資のリスクと分散投資の必要性をお話しします。
株式投資のリスク

株式投資はリスクが高いと述べました。
具体的には次のようなリスクがあります。
(1)価格の変動リスク
株式はそれぞれ個別の銘柄で構成されているため、それぞれの動向を把握する必要があります。
プロが運用する投資信託とは異なり、個別の銘柄について価格動向を把握することが大切です。
投資している株式が少数で金額が大きい場合、市場の動向を直接受ける可能性があります。
銘柄に偏りのある投資は、高リスクの投資手法です。
昨今では、海外の機関投資家の動向で株価が大きく変動する現象が見られます。
(2)市場流動性リスク
いくら有望な株式が見つかっても、実際に入手できなければ意味がありません。
また、売買したくても取引が成立しない場合があります。
例えば、ストップ高やストップ安といった、実際に市場での取引量が少ない場合などが挙げられます。
投資家の意志が即時的に反映されるかどうかは、投資活動に大きく関わってきます。
(3)企業の経営リスク
個別の銘柄を買う以上、個々の企業の経営状況を注視しなければなりません。
決算は年一回だとしても、四半期ごとに決算見込みを発表する企業が多いです。
またマスコミや新聞などの報道に取り上げられると、期待値で高騰したり下落したりします。
短期的な企業情報の影響で長期的な視点を保てず、投資活動が翻弄されてしまう可能性もあります。
倒産すれば、その企業の株式は無価値になる可能性があります。
分散投資とは

こうしたリスクを低減するために、分散投資が行われています。
投資の偏りをなくし、異なる分野にバランスよく投資することで、リスクを抑えることが重要です。
リスクを減らすために、1つの銘柄を重点的に買うのではなく他社や他業種への投資も行うようにしましょう。
分散投資はリスクを減らすだけでなく、利益を上げることにもつながり、取引市場や運用期間、分野銘柄を分散することで、バランスよく収益をあげることができます。
(1)取引市場
株式市場は世界のどこかで常に開いています。
もともと取引が好調な市場や、その国の財政金融政策に過敏に反応する市場があります。
その場合、1つの市場にこだわらず、複数の市場で投資をしていれば、利益率の高い市場で収益を上げることが可能です。
(2)運用期間
投資目的によって、数日といった超短期的な運用期間から、数ヶ月、場合によっては数年単位で投資する場合があります。
短期的に価格が大きく変動することもありますが、長期的には安定した水準に戻ることもあります。
株価の変動がないように見えても、長期的には数倍の利益が得られることも珍しくありませんので、運用期間も長短期でいろいろ分けるのがベストです。
(3)分野銘柄
その時々で注目される業種があります。
コロナ禍では医薬業が注目され取引も活発でしたし、日本でデジタルがもてはやされた時期にはIT産業が好調でした。また、予想外に注目を集める業種が現れることもあります。
すべての業種の株式を保有するのは無理ですが、いろいろな情報を入手して偏らない投資が有効です。
ポートフォリオの作り方

計画的かつ効率的に株式投資をしていくには、どの分野にどの程度投資しているか、一目で分かるようにしておく必要があります。
分散投資を行うと、ポートフォリオの重要性が増してきます。
個人が管理するのであれば、後々の見直しを考えると、あまり複雑にしない方が管理しやすいでしょう。
投資活動にも密接に関わってきますが、次の点に注意すると良いでしょう。
(2)投資金額の上限を決めておく
(3)できるだけ異業種の銘柄に分散しておく
(1)興味が湧かない銘柄には投資しない
いくら分散が大事とはいっても、全く興味の湧かない銘柄に投資するのは止めましょう。
自然と情報収集が疎かになりますし、その企業の強みが分からなくなってしまいます。
結果として、売買のタイミングを逃してしまうことになりがちです。
(2)投資金額の上限を決めておく
分散投資をするからには、資産配分する上限を決めておきましょう。
特定の銘柄を重視しすぎるとリスクが高くなってしまうことはこれまでも述べてきました。
手持ち資金を時期に応じて有効活用するためにも、過度な投資は避けるべきです。
(3)できるだけ異業種の銘柄に分散しておく
リスクを分散するのですから、業種の異なる銘柄に分散するのが基本です。
同じ業種でも業績の好不調はありますが、個別銘柄よりも、業種全体の価格変動リスクのほうが大きい場合があることも覚えておきましょう。
IT業界が不調なときは、業界全体の株価が軒並み低迷することも少なくありません。
ポートフォリオの見直し

ポートフォリオを作成したら、次は見直しです。
ポートフォリオは、見直しを行い再投資するために作成すると言っても過言ではありません。
見直す視点は次のように考えることもできます。
(1)市場単位で見直す
経験の浅い投資家であれば、まずは国内株式の割合を見直すのが確実です。
そもそも外国株式は、国内株式に比べて情報量が少なくなります。
国内株式ほど詳細な情報を得るのは専門家でもない限り困難でしょう。
また新興国では、物価や為替の変動により受ける影響が大きい場合があります。
以上の点から考えると、まずは安定していて判断材料の多い国内株式を中心に、構成比率の見直しを検討するのが良いでしょう。
ただし、これは個人で見直しを行う場合に当てはまる話です。専門のツールやアドバイザーを利用する場合は異なる判断が必要になることもあります。
(2)ライフステージに応じて見直す
投資には目的が必要なことは述べてきました。
たとえその時々で最善のポートフォリオで投資していたとしても、ライフステージの変化に応じて見直しが必要になります。
20代と50代では生活の質も違いますし、抱えている問題も異なります。
そのときどきの優先課題に応じて、運用方針を変更し、ポートフォリオも変えていくことが大切です。
比較的大きな利益を求めるのか、小さな利益でも確実で配当を重視するのか、同じ個人でも重視するポイントが変化していきます。
目先の収益だけにとらわれず、人生を見据えてもっと長期的な視野で見直していくことは欠かせないポイントです。
ポートフォリオ作成に役立つサービス

これまで見てきたように、株式投資は投資信託に比べてリスクが高く、銘柄の見直しや選定には専門知識が必要です。
そのため定期的な見直しが負担となる場合があります。
個人で行うこともできますが、銘柄数が増えたり、投資総額が大きくなったり、海外市場まで手を広げる場合は、大きな負担が伴うこともあるでしょう。
その場合には、専門的な知見を活かして運用の負担を軽減できるサービスを活用するのも良いでしょう。
ポートフォリオ作成に役立つ代表的なサービスとしては、次のようなものがあります。
運用まで見据えて、ご自分に最適なサービスを選択してください。
・証券会社に口座ごと預けて運用を任せるサービス
・FP(ファイナンシャルプランナー)にアドバイスを求めるサービス
まとめ

これまで、株式投資にはリスクが伴うことや定期的なポートフォリオ見直しが大切であることを解説してきました。
近年では、株式投資はスマートフォンで手軽に取引できるなど、利便性が大きく向上しています。
投資規模が小さいうちは問題ありませんが、すべてを個人で管理するには多大な時間と労力がかかる場合もあります。
もしご自身での管理に不安を感じる場合は、専門家の力を借りましょう。
大切な資産を運用するにあたって、不安を感じるのは自然なことです。
投資に詳しく、経験豊富なFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのもよいでしょう。
大切なお金に関する相談は信頼できるパートナーに
FP(ファイナンシャルプランナー)はお金の専門家です。
家計の見直しから年金・社会保険、資産運用、保険まで様々な相談をすることができます。
一人ひとりの人生設計に合ったファイナンシャルプランをご提案することが、FPの役目です。
ココザスでは、中立的な立場からお客様にとってベストな提案を行うことをお約束します。
