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タンス預金はばれる?税務署が把握する仕組み・ペナルティ・正しい対処法を解説

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タンス預金はばれる?税務署が把握する仕組み・ペナルティ・正しい対処法を解説

「タンス預金は税務署にばれるの?」
「タンス預金が発覚した場合、どのようなペナルティがあるの?」
「申告していないお金がある場合は、どう対応すればいいの?」

このような疑問や不安を感じたことはないでしょうか。

タンス預金とは、銀行などの金融機関に預けず、自宅などで現金を保管しておくことをいいます。

「現金で保管していれば税務署にはわからない」と考える方もいますが、相続や贈与をきっかけに、過去の資金移動などからタンス預金の存在を確認される可能性があります。

また、財産の隠蔽や仮装があったと判断された場合には、重加算税(35%または40%)が課される可能性もあります。

この記事では、タンス預金が税務署に把握される仕組みや、発覚した場合のペナルティ、申告していないお金がある場合の対処法、合法的な生前対策について詳しく解説します。

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この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

タンス預金はばれるのか?

タンス預金はばれるのか?

「タンス預金は現金だからばれない」と考える人もいますが、実際には税務調査などを通じて発覚する可能性があります。

現金そのものに取引記録が残っていなくても、現金を用意した経緯や過去の資金移動から、保管している現金の存在を推測されることがあるためです。

ここでは、タンス預金が発覚する可能性と、その背景について解説します。

(1)タンス預金は現金でも税務調査で発覚する可能性がある
(2)相続や贈与をきっかけに発覚する場合がある
(3)現金で保管していても過去の資金移動から推測される場合がある

(1)タンス預金は現金でも税務調査で発覚する可能性がある

タンス預金は現金で保管されていても、税務調査で存在が把握される可能性があります。

過去の預貯金の入出金や収入、申告された財産などを確認することで、相続開始時点の現金の所在を調査されることがあるためです。

「現金なら記録が残らない」と思われるかもしれませんが、現金を用意するまでの過程には、銀行口座からの出金履歴や収入として受け取った記録などが残っている場合があります。

税務署は、こうした情報を確認しながら資金の流れを調査するため、「タンス預金なら発覚しない」とは言い切れないのです。

(2)相続や贈与をきっかけに発覚する場合がある

相続や贈与が発生した際に、タンス預金の存在が税務調査で確認される場合があります。

相続税の申告後に税務調査が行われる場合、被相続人の過去の収入や財産状況、金融機関の取引履歴などと申告内容が照合されます。

その結果、申告された財産と過去の資金状況に差がある場合には、保管されていた現金について確認を求められることがあります。

また、相続税の税務調査では、被相続人から相続人への過去の贈与について確認されるケースもあります。

そのため、タンス預金についても、相続や贈与をきっかけに存在が明らかになる可能性があります。

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(3)現金で保管していても過去の資金移動から推測される場合がある

タンス預金として現金を保管している場合でも、過去の資金移動が税務調査の手がかりになることがあります。

例えば、金融機関の口座からまとまった金額を引き出しているものの、その後の使い道が確認できない場合です。

税務署が資金の流れを確認することで、その現金が自宅などに保管されている可能性を推測することがあります。

また、銀行口座を利用した資金移動には取引記録が残るため、過去の出金履歴などから資金の流れを確認される場合があります。

口座からまとまった金額を現金で引き出した後、その資金が申告された財産に含まれていなければ、税務調査で確認を受ける可能性があるのです。

このように、現金そのものに記録が残っていなくても、現金を準備するまでの資金移動から、タンス預金の存在が把握される場合があります。

タンス預金が税務署にばれる主な理由

タンス預金が税務署にばれる主な理由

タンス預金が税務署に把握される理由には、銀行口座の取引履歴や所得の申告内容など、さまざまな情報があります。

現金そのものには記録が残らないため、「税務署にはわからない」と考える方もいるかもしれません。

しかし、実際には出金履歴や資産の購入状況などから、保有している現金の存在を推測される場合があります。

ここでは、税務署がタンス預金を把握する主な理由について解説します。

(1)預貯金口座からの多額の出金履歴が残っている
(2)金融機関への照会で過去の取引状況が確認される
(3)過去の所得や申告内容と保有資産が一致しない
(4)不動産や高額資産の購入状況から資金の出どころを確認される
(5)税務調査で現金の保管状況や資金の使途を確認される

(1)預貯金口座からの多額の出金履歴が残っている

預貯金口座から多額の出金履歴が残っている場合、タンス預金の存在を推測されることがあります。

タンス預金は、銀行口座から現金を引き出して保管することで作られるケースが多いためです。

税務調査では、必要に応じて金融機関への照会などを通じて、過去の預貯金の入出金履歴が確認されることがあります。

✔
口座から多額の現金を引き出した後、その資金が申告された財産の中に見当たらない場合、「引き出した資金はどこにあるのか」という点から調査が進められることがあります。

例えば、相続開始前にまとまった金額を複数回にわたって引き出している場合、その資金の使い道や保管場所について確認を求められる可能性があります。

(2)金融機関への照会で過去の取引状況が確認される

金融機関への照会によって、被相続人や納税者の過去の取引状況が確認される場合があります。

✔
税務署は、税務調査を行う際に必要に応じて、金融機関へ預貯金の入出金履歴などの確認を行うことがあります。

こうした調査によって、多額の現金引き出しや、通常の資金管理では説明が難しい資金移動が確認されることがあります。

例えば、相続開始直前にまとまった現金が引き出されていた場合、その資金が何に使われたのか、どこで保管されているのかについて確認されることがあります。

また、調査対象は被相続人本人の口座だけとは限りません。

配偶者や子供など、相続人の口座について資金の流れを確認されるケースもあります。

「自分名義の口座に移しておけば税務署にはわからない」と考えるのではなく、資金の移動理由や出どころを説明できるようにしておくことが大切です。

(3)過去の所得や申告内容と保有資産が一致しない

過去の所得や申告内容と、現在保有している資産の状況が一致しない場合も、タンス預金の存在を確認されるきっかけになります。

✔
税務署では、確定申告などの情報をもとに、納税者の所得や財産状況を確認しています。

例えば、これまで申告してきた所得から考えると多額の現金を保有することが難しいにもかかわらず、相続時に多額の現金が確認された場合です。

その現金をどのように取得したのか説明できなければ、過去の収入や資金移動について詳しく確認される可能性があります。

ただし、現金を長期間にわたって貯蓄していたなど、正当な理由によって保有しているケースもあります。

そのため、多額の現金があるというだけで、すぐに申告漏れと判断されるわけではありません。

重要なのは、その現金をどのように取得し、どのように保管してきたのかを説明できることです。

(4)不動産や高額資産の購入状況から資金の出どころを確認される

不動産や高額な資産を購入した場合、その購入資金の出どころを確認されることがあります。

不動産の売買には契約書や登記記録などがあり、資金の流れについても金融機関の記録などから確認できるためです。

例えば、申告している所得や預貯金残高からは購入資金を準備することが難しい不動産を現金で購入している場合、その資金がどこから出たのか調査される可能性があります。

また、高額な美術品や金などを購入した場合も、購入資金の出どころについて確認が必要になることがあります。

✔
さらに、不動産の登記情報は法務局で管理されており、税務署が確認することも可能です。

申告内容と実際の資産状況に大きな差がある場合、その差が生じた理由について調査が行われることがあります。

(5)税務調査で現金の保管状況や資金の使途を確認される

税務調査では、申告内容だけでなく、現金の保管状況や資金の使い道について確認されることがあります。

相続税の税務調査で自宅を訪問する場合には、金庫や現金の保管場所などについて確認を受けるケースもあります。

その際、申告書に記載された財産と実際の財産状況を確認し、多額の現金が申告されていなければ、その現金がどのように取得されたのかを調査することになります。

✔
申告漏れが確認された場合には、本来納めるべき相続税に加えて、延滞税や加算税が課されることがあります。

また、意図的に財産を隠したり、事実と異なる説明をしたりした場合には、仮装・隠蔽に該当し、重加算税が課される可能性もあります。

相続財産に含まれる現金については、金額だけでなく、取得した経緯や保管状況も含めて正確に申告することが重要です。

相続でタンス預金がばれる仕組み

相続でタンス預金がばれる仕組み

相続が発生すると、被相続人が所有していた財産の確認が行われるため、タンス預金の存在が明らかになることがあります。

相続税の申告内容だけでなく、預貯金の入出金履歴や家族名義の口座なども確認対象となるためです。

ここでは、相続時にタンス預金がどのような流れでばれるのかを解説します。

(1)相続税申告をもとに被相続人の財産状況が確認される
(2)相続開始前の預貯金の入出金履歴が確認される
(3)多額の出金と申告された相続財産が照合される
(4)家族名義の預金でも実質的な所有者が被相続人なら相続財産になる

(1)相続税申告をもとに被相続人の財産状況が確認される

相続税申告書が提出されると、税務署は申告内容をもとに被相続人の財産状況を確認します。

具体的には、現金・預貯金・不動産・有価証券などの財産の種類や金額について、税務署が把握している所得や資産に関する情報と照合します。

申告内容と過去の収入や資産状況を比較した際に、不自然な点がある場合には、税務調査の対象となることがあります。

✔
税務調査が行われる場合には、相続人の自宅を訪問し、通帳や金融機関の残高証明書などを確認するケースもあります。

(2)相続開始前の預貯金の入出金履歴が確認される

相続開始前の預貯金の入出金履歴も、税務調査で確認される重要な情報のひとつです。

特に、相続開始前に行われた多額の現金引き出しは、その資金の使い道を確認するきっかけになることがあります。

例えば、相続開始前に1,000万円を口座から引き出していたにもかかわらず、相続財産にその現金が含まれていない場合、「引き出した1,000万円はどこにあるのか」という点について確認される可能性があります。

そのため、「生前に使った」と説明する場合でも、実際の支出内容を確認できる資料を残しておくことが大切です。

✔
説明できない多額の出金については、現金として保管されていたのか、家族への贈与に使われたのかなど、資金の行方について詳しく確認される場合があります。

(3)多額の出金と申告された相続財産が照合される

多額の出金が確認された場合、その金額と申告された相続財産の内容が照合されます。

引き出した資金について、使い道や保管場所を説明できない場合には、申告されていない財産があるのではないかと確認される可能性があります。

✔
実際に生活費や医療費、住宅の修繕費などに使用していた場合は、その支出内容を確認できる資料が調査の手がかりになります。

一方で、「使ってしまった」という説明だけでは資金の使途を確認できないため、追加で確認を求められることがあるでしょう。

(4)家族名義の預金でも実質的な所有者が被相続人なら相続財産になる

家族名義の預金であっても、実質的に被相続人が管理・運用していた場合には、相続財産として扱われることがあります。

このような預金は「名義預金」と呼ばれ、口座名義だけで判断されるのではなく、誰が資金を出したのか、誰が管理していたのかなどをもとに実質的な所有者が判断されます。

例えば、被相続人が自身の収入から1,000万円を子供名義の口座へ入金し、その通帳やキャッシュカードを本人が管理していたケースです。

口座名義が子供であっても、実質的に被相続人の財産であると判断されれば、相続税の課税対象となる可能性があります。

✔
税務調査では、通帳やキャッシュカードの管理者、預金を作った資金の出どころ、名義人が口座の存在を把握していたかなどが確認されます。

そのため、家族名義の口座へ資金を移しただけで、相続税の対象から外れるとは限りません。

生前贈与・贈与税申告でタンス預金がばれる仕組み

生前贈与・贈与税申告でタンス預金がばれる仕組み

生前贈与を行った場合、贈与の方法や財産を受け取った人の資産状況などから、タンス預金や申告されていない贈与が税務署に把握されることがあります。

また、相続が発生した後に、被相続人から家族へ移された資金について確認されるケースもあります。

ここでは、贈与に関連してタンス預金が発覚する仕組みについて解説します。

(1)無申告の贈与が税務署に把握される主なケース
(2)金融機関の口座間送金で贈与の事実が記録される
(3)受贈者の収入と資産残高の不一致で発覚するケース
(4)相続発生後に過去の贈与が遡って調査される

(1)無申告の贈与が税務署に把握される主なケース

無申告の贈与が税務署に把握されるケースとして、相続税の税務調査をきっかけに過去の贈与が確認される場合があります。

相続が発生すると、被相続人が保有していた財産だけでなく、生前に家族へ移した資金についても調査対象となることがあります。

✔
また、贈与を受けた人の収入状況から考えて保有資産が多すぎる場合には、その資金の出どころについて確認されることがあります。

こうした調査を通じて、申告されていなかった贈与の事実が明らかになるケースもあるのです。

(2)金融機関の口座間送金で贈与の事実が記録される

金融機関の口座間で資金を移動すると、贈与に関する取引履歴が残ります。

例えば、タンス預金として保管していた500万円を子供の銀行口座へ入金した場合、子供の口座には500万円の入金記録が残ります。

このような資金移動の履歴は、税務調査において贈与の事実を確認する際の手がかりになります。

一方で、現金を手渡しした場合は、銀行口座の入出金履歴が残らないこともあります。

しかし、記録が残らないからといって、税務署に把握されないとは限りません。

✔
贈与を受けた人の資産状況や、その後の預金・不動産などの取得状況から、資金の出どころや贈与の有無を確認される可能性があります。

(3)受贈者の収入と資産残高の不一致で発覚するケース

贈与を受けた人の収入と保有している資産の金額に大きな差がある場合、資産の出どころについて確認されることがあります。

税務署では、確定申告や源泉徴収票などから把握した収入と、預貯金や不動産などの資産状況を確認することがあります。

例えば、年間の収入が300万円程度の人が、短期間で1,000万円の預金を増やしている場合を考えてみましょう。

本人の収入だけでは説明が難しい資産の増加があれば、「その資金はどこから得たのか」という点について確認される可能性があります。

その資金が親や祖父母から受け取ったものであれば、贈与に該当する場合があります。

✔
贈与税の申告が必要にもかかわらず申告していなかった場合には、税務調査をきっかけに無申告の贈与が判明することもあるのです。

(4)相続発生後に過去の贈与が遡って調査される

相続が発生すると、被相続人が生前に行った贈与についても確認されることがあります。

相続税には、一定期間内に行われた贈与を相続税の課税対象に加算する「生前贈与加算」という仕組みがあるためです。

生前贈与加算の対象期間は、2024年1月1日以後の贈与から段階的に延長されています。

2026年12月31日までに相続が開始した場合は、原則として相続開始前3年以内の贈与が対象です。

2027年1月1日以後は対象期間が段階的に延長され、2031年1月1日以後に相続が開始した場合は、相続開始前7年以内の贈与が対象となります。

なお、2024年1月1日より前の贈与については、従来の制度が適用されます。

✔
また、年間110万円の基礎控除を超える贈与を行ったにもかかわらず、必要な贈与税の申告・納税をしていなかった場合には、相続税の税務調査で贈与の事実が確認される可能性があります。

その結果、贈与税だけでなく、加算税や延滞税が発生する場合もあります。

そのため、申告や納税が必要な贈与については、期限内に適切な手続きを行うことが大切です。

タンス預金がばれた場合のペナルティ

タンス預金がばれた場合のペナルティ

タンス預金が相続財産や贈与財産として申告されておらず、税務調査によって申告漏れが発覚した場合、本来納めるべき税金に加えて、加算税や延滞税が課される可能性があります。

申告していたかどうかや、財産を隠していたと判断される事情があるかによって、適用される税金の種類は異なります。

ここでは、タンス預金がばれた場合のペナルティを紹介します。

(1)相続税・贈与税の本税
(2)過少申告加算税
(3)無申告加算税
(4)重加算税
(5)延滞税

(1)相続税・贈与税の本税

相続税や贈与税の申告漏れが発覚した場合、まず本来納めるべき税金を追加で納付する必要があります。

タンス預金が相続財産として扱われる場合は相続税、贈与財産として扱われる場合は贈与税が計算され、すでに納付した税額との差額を支払うことになります。

さらに、申告や納税が遅れた状況によっては、過少申告加算税や無申告加算税、重加算税、延滞税などが加わる場合があります。

そのため、申告漏れが発覚した場合は、本税のみを納めれば解決するとは限らない点に注意が必要です。

(2)過少申告加算税

過少申告加算税は、相続税や贈与税の申告は行ったものの、本来納めるべき税額より少なく申告していた場合に課される加算税です。

過少申告加算税の税率は、原則として追加で納める本税の10%です。

ただし、税務調査の通知を受けた後に修正申告をした場合などは、追加で納める税額に応じて税率が高くなることがあります。

例えば、タンス預金の申告漏れによって追加で納める相続税が150万円となった場合、過少申告加算税が10%であれば15万円が加算されます。

この場合、本税150万円と合わせて165万円となり、さらに延滞税が発生する可能性もあるため注意しましょう。

(3)無申告加算税

無申告加算税は、申告義務があるにもかかわらず、期限までに申告を行っていなかった場合に課される加算税です。

無申告加算税の税率は、納付すべき税額に応じて段階的に設定されています。

ただし、税務調査の通知を受ける前に自主的に期限後申告を行った場合などは、無申告加算税が軽減される場合があります。

一方で、期限後申告をしたからといって、必ず負担がなくなるわけではありません。

本税に加えて無申告加算税や延滞税が発生する可能性があるため、申告期限を過ぎた場合でも、早めに対応することが大切です。

(4)重加算税

重加算税は、財産を隠したり、事実と異なる内容を申告したりするなど、隠蔽・仮装があった場合に課される加算税です。

単なる計算ミスや記載漏れではなく、税負担を減らす目的で財産を隠していたと判断された場合が対象となります。

重加算税の税率は、過少申告の場合が35%、無申告の場合が40%です。

ただし、申告漏れがあったからといって必ず重加算税が課されるわけではありません。

財産の隠蔽や仮装など、一定の要件を満たした場合に適用されます。

(5)延滞税

延滞税は、本来の納付期限までに税金を納めなかった場合に、納付が遅れた期間に応じて課される税金です。

税務調査によって申告漏れが発覚し、追加で税金を納めることになった場合にも、延滞税が発生する場合があります。

延滞税の税率は、納付が遅れた期間などによって異なり、適用される割合は毎年定められています。

そのため、実際に納付する時点の税率を確認することが大切です。

悪質なケースは刑事告発される可能性もある


悪質な脱税と判断された場合には、行政上のペナルティだけでなく、刑事事件として扱われる可能性があります。
例えば、財産を意図的に隠す行為を繰り返した場合や、多額の税金を免れる目的で虚偽の申告を行った場合などです。
税務調査とは別に、国税局査察部による査察調査の対象となり、脱税の事実が確認された場合には、検察官への告発につながることがあります。
有罪となった場合は、刑事罰の対象となる可能性があります。
ただし、タンス預金があるという事実だけで刑事告発の対象になるわけではありません。
相続税や贈与税の申告が必要な場合には、保有している現金を正しく財産として申告することが重要です。

タンス預金に関するよくある誤解

タンス預金に関するよくある誤解

タンス預金については、「現金で保管していれば税務署にはわからない」「家族名義の口座に移せば問題ない」といった誤解があります。

しかし、このような考え方で財産を管理すると、相続税や贈与税の申告漏れにつながる可能性があります。

ここでは、タンス預金に関する代表的な誤解と、実際の取り扱いについて解説します。

(1)「現金だから税務署にわからない」は誤り
(2)「少額なら調査されない」とは限らない
(3)「家族名義の口座に移せば安全」は誤り
(4)「10年以上前のお金は追及されない」とは限らない

(1)「現金だから税務署にわからない」は誤り

現金で保管しているからといって、税務署に把握されないわけではありません。

現金そのものには取引履歴が残りませんが、その現金をどのように準備したのかという経緯には、記録が残っている場合があります。

例えば、銀行口座から現金を引き出して自宅で保管していた場合、口座には出金履歴が残ります。

また、事業収入や不動産の売却代金などが現金の出どころであれば、その取引記録から資金の流れを確認されることもあります。

✔
相続税の税務調査では、金融機関への照会や申告内容と所得・資産状況の照合などを通じて、財産の内容が確認されます。

そのため、「現金だから記録がなく、税務署には把握されない」と考えることは適切ではありません。

(2)「少額なら調査されない」とは限らない

タンス預金の金額が少ないからといって、必ず問題にならないとは限りません。

✔
税務調査の対象となるかどうかは、金額だけで判断されるものではなく、申告内容と所得・資産状況が一致しているかなども確認されます。

また、申告すべき財産を意図的に隠していたと判断された場合には、金額の大小だけでなく、隠蔽・仮装の有無が確認されます。

その結果、財産の隠蔽や仮装があったと判断されると、重加算税が課される可能性もあります。

そのため、タンス預金の金額にかかわらず、相続税や贈与税の申告が必要な財産については、正しく申告することが大切です。

(3)「家族名義の口座に移せば安全」は誤り

家族名義の口座に資金を移しただけで、その財産が相続財産から除外されるわけではありません。

相続財産に該当するかどうかは、口座名義ではなく、実際に誰が資金を出したのか、誰が管理していたのかなどの事情をもとに判断されます。

例えば、被相続人が自身の収入や預貯金から資金を出し、子供名義の口座に預けていた場合でも、通帳や印鑑を被相続人が管理していたなどの事情があれば、被相続人の財産として扱われる可能性があります。

また、家族へ財産を渡した場合でも、実際に贈与が成立しているかどうかが重要です。

✔
贈与税の申告が必要な贈与について申告していなかった場合、後から贈与の事実が確認されると、贈与税に加えて加算税などが発生する可能性があります。

(4)「10年以上前のお金は追及されない」とは限らない

10年以上前に銀行口座から引き出した現金であっても、現在まで保有している場合は、相続財産として申告が必要になることがあります。

重要なのは、その現金をいつ引き出したかではなく、相続開始時点で誰の財産として存在しているかです。

相続税には更正や決定などに一定の期間制限がありますが、現在保有している財産について申告が不要になるわけではありません。

✔
「昔に引き出したお金だから相続財産には含めなくてよい」と判断するのではなく、相続開始時点で保有している財産を基準に確認することが大切です。

タンス預金の相続税申告はどうすればいい?

タンス預金の相続税申告はどうすればいい?

相続発生後にタンス預金が見つかった場合は、その金額を含めて相続税の申告を行う必要があります。

現金は預貯金のように残高証明書で確認できないため、相続開始時点でどれだけ保有していたのかを正確に把握することが重要です。

ここでは、相続税申告におけるタンス預金の取り扱いについて解説します。

(1)タンス預金は相続財産に含めて申告する必要がある
(2)相続開始時点の現金残高を正確に申告する
(3)出どころや所有者が不明な現金がある場合の確認方法
(4)申告期限(相続開始から10カ月以内)を守る重要性

(1)タンス預金は相続財産に含めて申告する必要がある

タンス預金は、相続開始時点で被相続人が所有していた現金であれば、相続財産に含めて相続税の申告をする必要があります。

自宅や金庫などに保管されていた現金であっても、預貯金などと同様に相続税の課税対象となります。

✔
「現金なら申告しなくても税務署にはわからない」と考えて申告から除外すると、後の税務調査で申告漏れを指摘される可能性があります。

その場合、本来納めるべき相続税に加えて、加算税や延滞税が発生することもあるため、保有している現金は正確に申告することが大切です。

(2)相続開始時点の現金残高を正確に申告する

相続開始時点で被相続人が保有していた現金の金額を確認し、その金額を相続財産として申告します。

現金には預貯金の残高証明書のような記録がないため、自宅や金庫などを確認し、保管されている金額を把握する必要があります。

✔
現金を確認する際は、金庫や引き出し、貴重品入れなど、保管されている可能性がある場所を確認し、見つかった金額を記録しておくとよいでしょう。

また、相続人同士で認識の違いが生じないよう、可能であれば複数の相続人が立ち会って確認し、金額や保管場所を記録しておくと安心です。

(3)出どころや所有者が不明な現金がある場合の確認方法

出どころや所有者が不明な現金が見つかった場合は、まず被相続人の過去の銀行取引履歴や収入に関する資料などを確認し、誰が所有していた現金なのかを調べます。

被相続人が保有していたことが確認できれば、相続財産として申告します。

一方で、資料や取引履歴を確認しても所有者や出どころを特定できない場合は、自己判断で申告対象から外すのではなく、税理士へ相談したうえで取り扱いを判断することが適切です。

✔
申告内容に疑問がある場合も、発見した現金をそのまま除外するのではなく、確認できる資料を整理したうえで、適切な申告方法を検討しましょう。

(4)申告期限(相続開始から10カ月以内)を守る重要性

相続税の申告期限は、原則として被相続人が亡くなった日の翌日から10カ月以内です。

期限までに申告・納税を行わない場合、無申告加算税や延滞税などが課される可能性があります。

相続税の申告では、現金を含む財産の調査や申告書の作成などに時間がかかります。

そのため、相続が発生したら早めに財産を確認し、必要に応じて税理士へ相談することが大切です。

また、遺産分割が申告期限までにまとまらない場合でも、相続税の申告期限は延長されません。

✔
未分割の財産については、原則として法定相続分などに基づいて相続税を計算し、申告・納税を行う必要があります。

申告していないタンス預金がある場合の対処法

申告していないタンス預金がある場合の対処法

すでにタンス預金の申告漏れがある場合でも、適切に対応することで、加算税などの負担を軽減できる可能性があります。

ここでは、申告していないタンス預金がある場合に取るべき対応について解説します。

(1)申告後に漏れが判明した場合は修正申告を行う
(2)申告期限を過ぎている場合は期限後申告を行う
(3)税務署から指摘される前に自主的に申告する

(1)申告後に漏れが判明した場合は修正申告を行う

相続税や贈与税を申告した後にタンス預金の申告漏れが判明した場合は、修正申告を行い、申告内容を訂正します。

税務調査の事前通知を受ける前に自主的に修正申告をした場合、原則として過少申告加算税はかかりません。

そのため、申告漏れに気づいた時点で早めに修正申告を行い、追加で納める税額や延滞税の有無などを確認することが大切です。

(2)申告期限を過ぎている場合は期限後申告を行う

申告期限までに相続税や贈与税の申告をしていなかった場合は、期限後申告の手続きを行います。

期限後申告をした場合は、納付すべき税額に加えて、無申告加算税が課される可能性があります。

ただし、税務署から調査の事前通知を受ける前に自主的に期限後申告をした場合、原則として無申告加算税は5%です。

また、法定申告期限から1カ月以内に自主的に申告するなど、一定の要件をすべて満たす場合には、無申告加算税がかからない制度もあります。

申告期限を過ぎている場合でも、そのまま放置せず、できるだけ早く申告・納税を行うことが重要です。

(3)税務署から指摘される前に自主的に申告する

タンス預金の申告漏れに気づいた場合は、税務署から指摘を受ける前に、自主的な申告や修正申告を検討することが重要です。

税務署から調査の事前通知を受ける前に修正申告を行えば、原則として過少申告加算税はかかりません。

ただし、調査の事前通知を受けた後や、税務調査による更正を予知した後に申告した場合は、加算税が課される可能性があります。

そのため、申告漏れに気づいた段階で、速やかに税理士などの専門家へ相談し、必要な手続きを確認することが適切です。

タンス預金を生前に整理・対策する方法

タンス預金を生前に整理・対策する方法

タンス預金を将来の相続で問題にしないためには、生前のうちに財産を整理し、家族への情報共有や適切な資産移転を進めておくことが大切です。

贈与や生命保険などの制度を活用する方法に加えて、財産の内容を記録しておくことも、相続時の申告漏れを防ぐことにつながります。

ここでは、生前にできるタンス預金への対策について解説します。

(1)暦年贈与を活用して合法的に資産を移転する
(2)生命保険の非課税枠を活用する
(3)生前に家族と財産の状況を共有する
(4)遺言書・エンディングノートでタンス預金の存在を伝える

(1)暦年贈与を活用して合法的に資産を移転する

暦年贈与では、受贈者1人につき年間110万円の基礎控除が適用されます。

贈与税の基礎控除は、受贈者1人あたり年間110万円です。

そのため、一定の要件を満たす贈与であれば、この範囲内では贈与税はかかりません。

ただし、相続税の計算では、生前に行った贈与が一定期間さかのぼって相続財産に加算される場合があります。

2024年1月1日以後の贈与については、相続開始日によって加算対象となる期間が段階的に延長されており、2031年1月1日以後に相続が開始した場合は、相続開始前7年以内の贈与が対象となります。

そのため、暦年贈与を利用する場合は、制度の内容を確認したうえで、早めに計画を立てることが重要です。

また、贈与を行う際は、贈与契約書を作成し、受贈者本人が財産を管理できる状態にしておくことも大切です。

単に家族名義の口座へ資金を移すだけでは、実質的な贈与が行われていないと判断される可能性があります。

(2)生命保険の非課税枠を活用する

生命保険の死亡保険金には、相続人が受け取る場合「500万円×法定相続人の数」という非課税限度額があります。

タンス預金として保管している現金を生命保険の保険料に充て、契約者・被保険者・受取人などの要件を満たした場合、死亡保険金の非課税限度額を活用できる場合があります。

ただし、生命保険金の課税関係は、保険料を誰が負担したのか、誰が保険金を受け取るのかなどによって異なります。

そのため、加入する前に契約内容や税務上の取り扱いを確認しておくことが大切です。

(3)生前に家族と財産の状況を共有する

生前に家族と財産の状況を共有しておくことで、相続発生後の財産調査や相続税申告をスムーズに進めやすくなります。

タンス預金の存在や保管場所を家族が知らないまま相続が発生すると、財産を把握できず、申告漏れにつながる可能性があります。

財産の種類や金額、保管場所、口座情報などを一覧にまとめておけば、相続発生後に必要な情報を確認しやすくなります。

また、財産状況に変更があった場合は、その都度内容を更新しておくとよいでしょう。

(4)遺言書・エンディングノートでタンス預金の存在を伝える

遺言書やエンディングノートにタンス預金の存在や保管場所を記載しておくことで、相続人が財産を把握しやすくなります。

財産の存在を知らないまま相続税申告を行い、後から申告漏れが判明する事態を防ぐためにも、生前から情報を整理しておくことが大切です。

遺言書には、財産の分け方などについて法的な効力を持たせることができます。

一方で、エンディングノートには原則として法的効力はありません。

ただし、財産の保管場所や連絡先など、遺言書には記載しない情報を家族へ伝える手段として活用できます。

作成する際は、必要に応じて専門家へ確認しながら進めるとよいでしょう。

タンス預金で相続税対策をするときの注意点

タンス預金で相続税対策をするときの注意点

タンス預金として現金を保管しているだけでは、相続税の課税対象から外れることはありません。

相続税の対象となる財産を適切に申告したうえで、贈与や生命保険など、法律で認められた制度を活用することが重要です。

ここでは、タンス預金を相続税対策として考える際の正しい考え方や注意点について解説します。

(1)タンス預金にしても相続税の節税にはならない
(2)合法的な節税と財産隠しはまったく異なる
(3)資産を隠すのではなく利用できる制度を検討する
(4)早めに税理士へ相談して相続対策を進める

(1)タンス預金にしても相続税の節税にはならない

タンス預金にしても、相続税の節税にはなりません。

被相続人が相続開始時点で保有していた現金は相続財産に含まれるため、保管場所を自宅や金庫に変えただけでは、相続税の課税対象から外れることはありません。

申告義務のあるタンス預金を意図的に申告しないことは、節税ではなく申告漏れにあたります。

税務調査で発覚した場合には、本来納めるべき相続税に加えて、加算税や延滞税が発生する可能性があります。

そのため、現金を隠すことによって税負担を軽減できるわけではありません。

(2)合法的な節税と財産隠しはまったく異なる

合法的な節税と財産隠しは、税金の負担を減らすという点では似ているように見えても、法律上はまったく異なるものです。

生前贈与や生命保険の活用、小規模宅地等の特例など、法律で認められた制度を利用して相続税の負担を抑えることは、適法な節税にあたります。

一方で、申告が必要な財産を意図的に隠したり、申告書に記載しなかったりする行為は、適法な節税ではありません。

財産を隠して相続税の負担を減らそうとすると、申告漏れを指摘された際に加算税などが課される可能性があります。

そのため、相続税の負担を抑えたい場合は、財産を隠すのではなく、利用できる制度や特例の要件を確認したうえで、適切に活用することが重要です。

(3)資産を隠すのではなく利用できる制度を検討する

相続税の負担を抑えるには、資産を隠すのではなく、利用できる制度や特例を検討することが大切です。

代表的な制度として、暦年贈与や相続時精算課税制度、生命保険金の非課税限度額、小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減などがあります。

ただし、それぞれの制度には適用要件があり、財産の種類や家族構成などによって利用できる制度は異なります。

制度を活用する際は、具体的な条件を確認したうえで、自身の状況に合った相続対策を進めることが必要です。

(4)早めに税理士へ相談して相続対策を進める

相続対策を進める際は、早めに税理士へ相談することが大切です。

相続が発生する前であれば、タンス預金の整理や生前贈与、生命保険の活用、遺言書の作成など、財産状況に応じた対策を検討できます。

また、認知症などによって判断能力が低下すると、本人の意思に基づいた生前贈与や契約などが難しくなる場合があります。

相続対策を考え始めた段階で税理士に相談しておけば、現在の財産状況や家族構成に応じて、必要な対策を計画的に進めやすくなります。

相続税の負担を抑えるためには、財産を隠すのではなく、利用できる制度や特例を正しく活用することが大切です。

税理士に相談しながら、将来の相続を見据えて早めに準備を進めましょう。

まとめ

まとめ

今回は、タンス預金が税務署に把握される仕組みや、発覚した場合のペナルティ、申告していないお金がある場合の対処法について解説しました。

タンス預金は現金で保管しているため、税務署にはわからないと思われることもあります。

しかし、実際には過去の金融機関の取引履歴や所得・資産状況などを確認することで、その存在が把握される可能性があります。

また、タンス預金を相続税対策として隠しておくことは、節税にはつながりません。

申告が必要な財産を意図的に隠すのではなく、暦年贈与や生命保険など、法律で認められた制度を適切に活用することが大切です。

すでに申告漏れがある場合は、状況に応じて修正申告や期限後申告などの手続きを早めに検討しましょう。

さらに、生前から相続税対策を進める場合は、財産の整理や家族との情報共有、遺言書の作成なども有効です。

タンス預金の申告方法や合法的な相続税対策について悩んでいる方は、ファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

ココザスでは、経験豊富なファイナンシャルプランナーによる無料相談を受け付けています。

タンス預金の取り扱いや相続税対策について、財産状況や家族構成、ライフプランを踏まえた対策を検討したい方は、ぜひ相談してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

保有資格

・AFP(日本FP協会認定)

・2級ファイナンシャル・プランニング技能士

・第一種証券外務員

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