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新NISAで債券が必要かは投資戦略によって決まる!リスク分散の重要性を解説

投資を始めるにあたって「できるだけ損をせず、確実に利益を得たい!」と考えている方も多いのではないでしょうか。

株式だけではなく、債券をポートフォリオに加えることで、リスクを分散できる場合があります。
また、新NISAを活用すれば、税制面でも有利に運用ができ、さらに効率的な資産形成が可能です。

本記事では、債券投資のメリット・デメリットや、NISAの枠を活かした投資戦略、リスク管理方法について解説します。
リスクをしっかりを抑えながら資産運用を進めていきたい方は、ぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

新NISAで債券は必要か?リスク分散と安定収益を得る方法

新NISAで債券は必要か?リスク分散と安定収益を得る方法

「投資リスクの軽減」や「堅実な利益」を優先したい方には、債券をポートフォリオに組み込むことをおすすめします。
ここでは、債券がどのようにリスク分散と安定収益に貢献するのか、その理由を債権のメリット・デメリットを踏まえつつ分かりやすく解説します。

新NISAに債権を入れるメリット:価格変動を抑えつつ利益を狙える

債券は株式に比べて価格変動が小さく、市場の動きが激しい時期でも堅実な運用が期待できます。

株式は企業の業績や経済全体の影響を受けやすいため、株価が大きく上下することがあります。
一方で、債券は政府や企業が発行しており、価格が比較的安定しているため、リスクが低くなりやすいです。

また、新NISAを利用すると、投資の利益が非課税となるため、得られるリターンが増える点も魅力です。
通常の投資でかかる税金(約20%)がかからず、その分を再投資に回すことができます。

例えば、100万円を投資して10%の利回りを得た場合、通常なら10万円の利益に対して約20%(2万円)の税金がかかります。
しかし、新NISAを使えば、この2万円がそのまま手元に残り、再投資できます。
その結果、税金分を取り戻すだけでなく、長期的には投資元本が増え、さらなるリターンが期待できるのです。

加えて、債券は定期的に利息が支払われるため、長期的な資産運用において一定の収益を見込めます。

債券のデメリット:金利による価格下落とリターンの限界

債券には、いくつかのデメリットも存在します。

金利が上昇すると、既存の債券価格は下落し、売却時に損失を被るリスクがあります。
金利が上がると、新たに発行される債券がより高い利率を提供するため、以前購入した債券の価値が落ちてしまうのです。

また、債券の利回りは株式よりも低いため、リターンに限界があります。
例えば、年利1.5%の債券を保有していた場合、インフレ率が3%に上昇すると、実質的なリターンはマイナス1.5%になってしまいます。
金額は増えても、物価の上昇によって得られる利益の価値が目減りしてしまうのです。

とはいえ、十分なリスク管理をすれば、上記のようなデメリットに対応することは可能です。
具体的な対策は、後ほど解説するので、参考にしてください。

債券のデメリットを理解した上で、リスク分散の一環としてバランスよく活用することが重要です。

新NISAをうまく活用する債券投資の方法

新NISAをうまく活用する債券投資の方法

新NISAでは、株式と債券を組み合わせたポートフォリオを構築することで、リスクを分散しながら安定的に資産を増やしていけます。
新NISAのつみたて投資枠、成長投資枠それぞれの特徴を理解し、目的に合った投資戦略を選択することが大切です。

成長投資枠を活用した債券投資法

成長投資枠では、「株式の成長性」と「債券の安定性」を組み合わせた戦略が効果的です。
特に、リスクを取って高いリターンを狙う場合に適しています。

例えば、株式投資信託70%、債券投資信託30%の割合で、株式の割合を多めにとる形です。
これにより、株式の利回りを活かしつつ、債券を組み込むことでリスクの軽減が期待できます。

つみたて投資枠を使ったバランス型ファンド選び

つみたて投資枠では、安定的な収益を確保しながら、長期的な視点で資産を増やす戦略が適しています。

例えば、株式50%、債券40%、リート10%といった割合です。
株式の割合を50%にすることで、リターンの成長を狙いつつ、債券でリスクを抑えていきます。
さらに、リートを10%加えれば、不動産市場にも分散投資が可能となり、バランスの取れたポートフォリオが実現できます。

つみたて投資枠では、少額から定期的に積み立てることで、長期間にわたり資産を着実に増やしていけます。

債券選びのポイントとおすすめ商品

安定した収益を狙いたい場合は、米国債券や日本国債がおすすめです。
どちらも政府が発行しているため、非常に信用力が高くなっています。
さらに、価格変動が少ないので、着実な利益も得やすいです。

なお、新NISAでは、直接債券を購入することはできません。
新NISAで債券投資を行う際は、債券を含む投資信託やETFを選ぶ形になります。

例えば、以下のような商品が選択肢として考えられます。

・Shares 米国国債 10年 ETF(IEF):米国債券に投資するETFで、米国政府の10年債に投資することができます
・eMAXIS Slim 国内債券インデックス:日本国債に投資する投資信託で、低コストで日本国債への投資が可能です

2025年1月31日​​時点での米国債10年の利回りが約4.5%、日本国債10年が約1.2%になっています。

※参照|SBI証券「マーケット

経済状況によって金利は上下しますが、米国債の利回りのほうが高くなる傾向です。

ただし、米国債券は為替リスクに考慮する必要があります。
円高に進むと、資産が大きく目減りする可能性があるためです。

一方、日本国債には為替リスクがないため、為替変動を気にせずに投資できる点が魅力です。
特に、株式で「オールカントリー」などの国際分散投資を行っている方にとっては、日本国債を加えることで国の分散が可能となり、リスクヘッジが図れます。

また、高いリターンを狙いたい場合は、企業債や高利回りを狙った債券投資信託を選択することが有効です。
例えば、アメリカン・ファンド ハイ・インカム債券ファンド(米国の高利回り社債に投資)は、リスクを取る代わりに高い利回りを得られる可能性があります。

企業債への投資は、発行企業の信用力や業績に基づくリスクを理解した上で選ぶことが重要です。

債券投資のリスク管理と対策法

債券投資のリスク管理と対策法

債券投資には「金利リスク」や「信用リスク」など、特有のリスクが存在します。
資産を着実に増やすためには、これらのリスクに対して適切な管理を行うことが重要です。
ここでは、リスクの概要とその対策について、分かりやすく解説していきます。

金利リスクの管理方法

金利が上昇した際に、債券の価格が下落するリスクを「金利リスク」と呼びます。

金利リスクに対処するためには、満期までの期間が短い債券を選ぶことが効果的です。
満期が短いと、金利が上昇しても価格に与える影響が小さく、リスクを軽減できます。
例えば、1〜2年の短期債券を選べば、金利上昇の影響を最小限に抑えることができます。

また、元本が早期に返済される点から、長期的な投資を目指す場合でも短・中期債権は有効と言えるでしょう。

信用リスクの管理方法

債券を発行した企業や政府が、定められた期日までに利息や元本を支払えなくなるリスクを「信用リスク」といいます。

信用リスクに関しては、債券を発行している企業や政府の「信用格付け」を確認することが重要です。
信用格付けとは、発行者の支払い能力を示す評価であり、信用格付け会社によって、AAA、AA、A、BBBなどの格付けがなされます。

信用格付けが低い債券(ジャンク債)は、発行者の支払い能力に不安があるため、デフォルト(債務不履行)リスクが高くなります。

一方、信用格付けが高い(AAA格付け)国債や企業債は、支払い能力が高いため、信用リスクが低くなります。
投資初心者は、特に高格付け(最低でもBBB以上)や安定した国が発行する債券を選ぶことがおすすめです。

投資割合の調整によるリスク軽減

ポートフォリオ内で債券の割合を適切に調整すると、リスクを効果的に軽減できます。

例えば、株式市場が不安定な時期に債券を増やすことで、株式の価格変動によるリスクを抑えられる場合があります。
債券の割合を増やすと、債券が安定したリターンを提供するため、リスク分散に役立ちます。

リスク軽減のシミュレーション

債権の割合を増やすことで、どれくらいリスクが軽減されるのか、具体的な数字で確認してみましょう。
計算方法は少し複雑ですが、数字はあくまで参考としてご覧ください。

前提

・株式投資信託: 期待リターン 7%、リスク 15%
・債券投資信託: 期待リターン 3%、リスク 5%

※リスク◯%というのは、価格が上下する幅の目安です。
例えば、リスクが15%だと、1年以内に株価が±15%の範囲で変動する可能性があるということです。
数字が小さいほど価格変動が少なく、リスクが低いことになります。

※株式投資信託の15%、債権投資信託の5%というのは一般的な数字です。
商品によって、数字の幅があります。

(1)株式100%(リスク15%)
株式だけに投資すると、リスクは高くなります。
価格の変動が大きく、短期的に大きな損失を出す可能性もあります。

(2)株式70%、債券30%(リスク10.61%)
株式の割合を減らし、債券を加えることでリスクが約10.6%に減少します。
これでも、株式の成長性を維持しながら、安定性を高めることができます。

(3)株式50%、債券50%(リスク7.91%)
株式と債券を半々にすると、リスクはさらに低下して約7.9%になります。
安定した運用を目指す方には、非常にバランスが良い選択です。

(4)株式30%、債券70%(リスク5.7%)
株式の割合をさらに減らし、債券を多く加えると、リスクは約5.7%に低下します。
これにより、リスクを大幅に抑え、安定的なリターンを狙うことが可能になります。

(5)債券100%(リスク5%)
債券100%に投資すると、リスクは最も低くなり、約5%のリスクとなります。
この場合、リターンは低くなりますが、安定した収益を得やすくなります。

まとめると、以下のようになります。

・株式100%:高リスク、短期的に大きな変動が可能
・株式70%、債券30%:リスク軽減、安定した成長
・株式50%、債券50%:バランスが良く、安定した運用が可能
・株式30%、債券70%:リスク大幅減、より安定的な運用
・債券100%:最低リスク、安定した収益

このように、株式と債券の割合を調整すると、自分のリスク許容度に合わせた運用が可能になります。

まとめ

まとめ

債券を新NISAのポートフォリオに加えると、株式の変動リスクを抑えつつ、安定的な収益を得られる可能性が高まります。
ただし、債権には金利リスクや信用リスクがともなうため、適切な管理が必要です。

投資戦略としては、成長投資枠やつみたて投資枠をうまく活用し、自分のリスク許容度に合った米国債券や国内債券を選ぶことがおすすめです。
本文の内容を踏まえて、自分に適した投資方法を選び、堅実に資産運用を進めていきましょう。

この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

保有資格

AFP(日本FP協会認定)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

第一種証券外務員

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