はじめに|20代で投資を始めるべき理由

なぜ20代で投資を始めるのが良いのか?
20代は比較的リスクを取れる時期でもあります。人生の中で大きな責任が少ない時期であるため、リスクを取ってチャレンジすることが容易です。失敗を恐れずに様々な投資手法を試すことで、成功と失敗の経験を積み重ねることができ、それが将来の投資判断において大きな財産となります。
また、20代から投資を始めることで、将来のライフイベントに備えることができます。例えば、結婚や住宅購入、子供の教育費など、大きな支出が予想されるライフステージにおいて、事前に投資で資産を増やしておくことで、これらのイベントをスムーズに迎えることができるでしょう。
・少額から始めても大きな資産を作れる
・お金を増やすスキルが身につく
投資を始めないとどうなる?(機会損失のリスク)
もし投資をせず、貯金だけで資産形成を考えた場合、インフレによる資産価値の目減りが懸念されます。例えば、年2%のインフレが続いた場合、10年後には100万円の価値が約81万円になってしまいます。
インフレによる資産価値の推移
年 | 価値(万円) |
1 | 98.0 |
2 | 96.04 |
3 | 94.12 |
4 | 92.24 |
5 | 90.39 |
6 | 88.58 |
7 | 86.81 |
8 | 85.08 |
9 | 83.37 |
10 | 81.71 |
複利の力を最大限に発揮できる
20代で投資を始める最大のメリットは「時間を味方につけられること」です。投資の基本は長期運用による資産の増加であり、若いうちから始めることで「複利の力」を最大限に活かせます。
例えば、毎月わずかな金額を投資に回したとしても、20代から始めることで数十年にわたって複利効果が働き、最終的には大きな資産を築くことが可能です。
【ケーススタディ】少額から始める投資のシミュレーション
投資の期間が長くなるほど、複利の効果は大きくなります。
以下は、100万円を年利5%で運用した場合のシミュレーションです。

この結果から分かるように、最初の10年間では増加が緩やかですが、20年、30年と時間が経つにつれて、増加幅が大きくなります。
これは「利益が利益を生む」複利の特性によるものです。
短期間では効果を実感しにくいですが、長い期間続ければ続けるほど、複利の恩恵を受けられるようになっています。
20代から始めるおすすめ投資3選

20代から投資を始める方に向けて、おすすめな方法を3つ紹介します。
少額から積み立てられる「つみたてNISA」
つみたてNISAは積立投資をする際に利用できる少額投資非課税制度のことを指します。毎月100円から運用できるため、20代の方でも低資金で始めることが可能です。
つみたてNISAは上限額が年間40万円と定められており、なおかつ運用可能期間が20年です。しかし2024年度より新NISAがスタートし、年間120万円まで運用でき、なおかつ期間の制限はありません。ただし、運用上限額が1,800万円となるため、年間満額で運用した場合は、15年間までとなるため注意してください。
つみたてNISAの平均利回りはおおよそ5%前後となります。仮に5%と仮定すると以下の表の通りの資産になるシミュレーションができます。

ただし、つみたてNISAは元本保証されているわけでもなく、損失が生まれる可能性もあります。そのため適切な運用額で行うことが大切です。
デメリット:年間投資枠が40万円(2024年からは拡大)
40代で利益が受け取れる「iDeCo」
iDeCoは私的年金制度の一つであり、個人型確定拠出年金のことです。原則20年間は運用しなければ引き出すことができないため、20代から始めた場合40代で利益を受け取ることができます。
日本には国民年金や厚生年金などに加入する義務がありますが、将来「受け取れる年金が減る」「そもそも受け取れない」という年金受給問題を考慮して、私的年金にも加入する方が増えています。
平均して利回りは3%〜5%とつみたてNISAと比較すると低くなりますが、運用益の非課税はもちろん、掛金は所得控除することができるため、節税しながら投資できる方法として人気があります。
デメリット:60歳まで引き出せない

株式投資(個別株)
株式投資は、企業の成長を直接的に支える投資方法であり、個別企業の株式を購入することで、その企業の業績に応じた利益を得ることができます。20代の若い投資家にとって、株式投資はリスクもありますが、大きなリターンを狙える魅力的な手段です。特に、成長が見込まれる企業を長期的に保有することで、株価の上昇とともに資産を増やすことが可能です。
デメリット:市場の変動リスク
また、複数の企業に分散投資を行うことでリスクを軽減することが重要です。20代から積極的に投資に取り組むことで、経済的な自立と豊かな未来を築くための基盤をしっかりと築いていきましょう。
ETF・投資信託
ETF(上場投資信託)や投資信託は、20代の投資初心者にとっても手軽に始められる投資手段です。これらの金融商品は、複数の株式や債券などに分散投資することで、リスクを軽減しつつ市場全体の成長を享受することができます。
デメリット:手数料の発生
不動産投資
不動産投資も20代で始めるおすすめの投資の一つです。特に、サラリーマンとしての安定した収入がある場合、ローンを活用して不動産を購入することで、将来的な資産形成を図ることができます。
デメリット:リスク管理の必要性
不動産投資は他の投資に比べて初期費用が高いですが、その分安定した収入を見込めるため、長期的な資産形成を目指す20代には魅力的な選択肢です。投資信託やETFと組み合わせることで、リスクの分散と収益の最大化を図ることができます。
その他の選択肢(仮想通貨・FXなど)
また、20代から始める投資として、仮想通貨やFXも注目されています。これらは比較的新しい投資手段であり、特に若い世代に人気があります。
メリット:高いリターンの可能性
デメリット:高リスク、規制の不確実性
メリット:レバレッジ効果*、流動性の高さ
デメリット:高リスク、市場の影響
仮想通貨やFXは短期間で大きなリターンを狙うことができる一方で、リスクも大きいため、しっかりとした知識とリスク管理が求められます。20代の柔軟な思考と行動力を活かし、これらの投資機会を賢く活用して、資産を増やしていきましょう。
20代から投資を始めるメリットとは

20代におすすめな投資方法を3つ紹介しましたが、そもそも若いうちから投資するメリットにはどのような点が挙げられるのでしょうか。ここでは3つのメリットを紹介します。
若いうちから投資知識が身に着く
20代と若いうちから投資を始めておくと、投資知識が身に付き、将来的に投資だけで生計を立てられるほどになる可能性も高いです。
投資はすぐに始めても大きな利益を生み出すことが困難です。もちろん人によって短期間で成果を出す方もいらっしゃいますが、5年や10年と経験を得て自分なりのルールや投資方法を身に付けることが一般的です。
そのため若いうちから投資を行っておくと、知識だけでなく経験も身につくことができ、投資で成功する確率は高まります。
より豊かな生活になる
20代から投資をしておくと、40代50代となった時に資金が増えるため、より豊かな生活になります。もちろん投資で成功していることが条件ですが、20代や30代は結婚や出産などの費用が掛かります。
さらに子どもが大きくなるにつれて教育費なども必要となるため、会社の給与だけでは余裕を持った生活ができない家庭も多いです。
しかし20代から20年と長期投資を行っていると、利益も安定しているため、よりお金に困ることが少なくなるメリットが挙げられます。
自由に使えるお金の有効活用となる
特に独身の20代の方は自由に使えるお金も多いですが、投資に回せばより有効活用することができます。
独身のうちは自分の趣味に回したり、友人や彼女との時間にお金を費やすことが多いです。そのため結婚してから自由に使えるお金が減ったと感じる人もいらっしゃるでしょう。
しかし20代から投資を行っておけば、将来使えるお金も増えるため、有効活用できたことになります。
20代の投資でよくある失敗事例

20代で投資を始めると、お金を設ける事ばかりに注力して失敗してしまう方が良く見受けられます。そのため自身も該当しないようにもここでは3つの失敗事例を紹介するため参考にしてください。
ハイリターンな投資で資金が0円になった
FXや株式投資などハイリターンな投資方法はハイリスクであるにもかかわらず、多額の資金で投資してしまい資金が0円になってしまった失敗事例です。
投資の中にはほんの数か月で数万円から数百万円・数千万円にできる方法もあります。しかしそれらは全てハイリスクな投資であり、資金が0円になる確率の方が高いです。
もちろん資金管理を行えば損失を最小限に抑えることもできますが、経験と知識が求められる投資であるため、投資のプロでも難易度が高いとされています。
20代の方は自由に使えるお金が多いことから、何度もチャレンジされる方もたくさんおり、結果口座破産にもつながりかねないため注意してください。
短期的な利益ばかり狙ってしまった
投資を始めると短期間ですぐに利益が出ることを狙う人が多いですが、一方で損失が生じる可能性もあるため注意しなければいけません。
平成29年に金融庁が発表した「つみたてNISAについて」では、以下の画像の通り、保有期間5年未満であれば元本割れする可能性がありますが、20年以上保有し、他に資産形成と分散投資すれば100%利益が増えると公表しております。

引用|金融庁「つみたてNISAについて」
しかし20代の方はすぐに結果を出したいという気持ちが強くなり、短期間で取引してしまう方が多いです。その結果大きな利益にすることができず、資産が増えない状態が続きます。そのため短期取引を行うのではなく長期投資を行い利益の安定を図ることが大切です。
お金の動きが気になりメンタルに影響が出た
投資を始めると、毎日お金の動きばかりを気にしてしまい、本業にも支障が出る方も多くいらっしゃいます。
特に為替や株価、金利などが関係する金融商品の価格は、一日で大きく上がったり、下がったりを繰り返します。そのため大きな利益が出ることもあれば、損失額も大きくなります。
20代の方は常にスマホなどで投資の運用実績を確認したりなどをする方が多く、さらに大きな損失が出たことによってメンタルに支障をきたす方も多いです。
20代で投資を成功させるための心構え

ここでは20代で投資を成功させるための心構えについて解説します。
短期の値動きを気にしない
投資を始めると目先の利益ばかりを意識してしまいますが、先程もお伝えした通り、短期取引は損失が生まれる可能性も高いため、長期投資を心がけることが大切です。
数か月で数千円・数万円程度の利益が出たからといって利益確定を行ったり、損失が出たから投資を辞めてしまう方もたくさんいらっしゃいます。
長い目で運用すれば、多少の損失が生まれても、10年後20年後には大きな利益になることはよくあることです。
もちろん投資の種類によっては短期間で利益が出るものもあります。しかし短期間で利益がでるFXや株式投資などはハイリスクであるため、つみたてNISAやiDeCoなどの長期投資から始めるようにしましょう。
「無理なく続ける」ことが成功の秘訣
投資を行う際は「無理なく続け」ましょう。資金管理を徹底することです。具体的には「投資に回す資金」と「貯蓄に回す資金」に分けることです。バランスの目安は下記の通りです。
貯金:生活費3〜6ヶ月分
投資:月収の1%~10%
投資をする資金は毎月の収入から支出を差し引いた余剰金で行います。生活費3〜6ヶ月分の貯金を確保したうえで、バランスを取ることで安心して投資を続けられます。
投資に回す資金については、日本証券業協会が発表した「2021年度(令和3年) 証券投資に関する全国調査(個人調査)」にある「月々の収入から金融商品にまわす割合」を確認すると、以下の画像の通り、月収の1%~10%未満の方が多いです。

20代の平均月収は「令和3年度分民間給与実態統計調査」を確認すると、「20歳~24歳までは287万円」、「25歳~29歳までは404万円」であることから、投資に回す資金は2.8万円~40万円の間が多いということがわかります。
もちろん人によって収入が異なるうえ、支出額にも違いがあるでしょう。そのため毎月の余剰金を計算したうえで「貯蓄と投資」の割合を決めて資金管理を行うようにしましょう。
今日からできる最初の一歩

まずは一歩を踏み出してみることが大切です。リスクが低い方法で試しながら、投資に慣れていくことをおすすめします。今日から資産形成の一歩を踏み出してみましょう。
ステップ1:証券口座を開設する
証券口座を開設することは、投資を始めるための最初のステップです。
証券口座とは、株式や投資信託などの金融商品を購入・売却するための口座のことを指します。初心者の方は、まずはネット証券を検討すると良いでしょう。ネット証券は手数料が低く、操作が簡単なため、投資を始めるハードルが低いのが魅力です。
証券口座を開設する際には、自分の投資スタイルや目的に合った口座を選ぶことが重要です。例えば、頻繁に取引を行う予定がある場合は、取引手数料が低い証券会社を選ぶとコストを抑えることができます。一方で、長期的に資産を増やしたい場合は、取扱商品が豊富である証券会社を選ぶのが良いでしょう。
ステップ2:少額でいいので投資を始める
少額から始める投資を始める際、最初から大きな金額を投じるのはリスクが高いため、少額から始めるのがおすすめです。最近では、少額から投資できる商品やサービスも増えており、例えば、月々数千円から始められる積立投資などがあります。これにより、リスクを抑えながら投資の経験を積むことができます。
ステップ3:長期視点を持つ
基本的な投資知識を学ぶ投資を始める前に、基本的な投資知識を身につけることも大切です。投資に関する書籍を読んだり、オンライン講座を受講したりすることで、株式や投資信託の仕組み、リスク管理の方法などを学びましょう。また、経済ニュースに目を通すことで、マーケットの動きを知ることができ、より的確な投資判断ができるようになります。これらのステップを踏むことで、20代からの投資を安心して始めることができるでしょう。
20代向けの投資ツール・アプリ紹介

<おすすめの証券口座>
20代の方にとって投資を始める際に大切なのは、簡単に操作できるプラットフォームを選ぶことです。初心者にも使いやすいアプリやツールを活用することで、投資のハードルを下げ、スムーズに始めることができます。
(1)楽天証券
楽天証券は、初心者に優しいインターフェースと豊富な情報提供で人気があります。特に、楽天ポイントを利用して投資ができる点が魅力です。ポイントを使って少額から始められるため、初めての投資にも適しています。また、充実した情報収集機能や、株式、投資信託、ETFなど多様な商品を取り扱っているため、投資の幅を広げることができます。
(2)SBI証券
SBI証券は、低コストでの取引が可能であり、特に20代の投資初心者にはコストを抑えた運用が魅力です。取引手数料が安く、幅広い投資商品を提供しており、初心者から上級者まで幅広く支持されています。また、アプリの使いやすさや、豊富な投資情報を活用することで、しっかりとした投資判断ができる環境が整っています。
これらの証券会社を活用することで、20代の方でも効率的に資産運用を始められます。自分に合った投資スタイルを見つけ、資産形成の第一歩を踏み出してみましょう。
<おすすめの便利ツール>
(3)マネーフォワードME
マネーフォワードMEは、資産管理アプリとして多くのユーザーに利用されています。銀行、証券会社、クレジットカードなどを一元管理できるため、自分の資産状況をリアルタイムで把握することが可能です。予算管理や支出の見直しも簡単に行え、投資資金の捻出にも役立ちます。特に20代の方には、日々の家計管理をしながら効率的に投資資金を確保する手段としておすすめです。
(4)楽天ポイント投資
楽天ポイント投資は、楽天市場などで貯めた楽天ポイントを使って投資信託などの金融商品を購入できるサービスです。現金を使わずにポイントを投資に回せるため、投資初心者の20代にはリスクを抑えた投資方法として人気があります。ポイントを利用することで、日常の消費がそのまま投資活動につながります。
(5)WealthNavi
WealthNaviは、ロボアドバイザーを利用した自動運用サービスです。投資初心者でも簡単に始められ、質問に答えるだけで自分に合ったポートフォリオを提案してくれます。自動でリバランスを行ってくれるため、忙しい20代の方でも手間をかけずに資産を運用することができます。手数料も明確で、安心して利用できる点も魅力です。
まとめ

20代の方は20年などの長期投資となる「つみたてNISA」や「iDeCo」などの利益が安定する投資がおすすめです。
20代から投資を始めることで、30代40代となった時に投資に関する知識と経験が身に付き、自由に使えるお金も増えるメリットが挙げられます。金銭的な余裕がうまれると生活も安定するため、早い段階から投資を行っていたほうが良いでしょう。
とはいえ短期的な利益ばかりを狙うと損失が出た時に耐えられず、途中でやめてしまう方も多くいらっしゃいます。
さらに知識もなく始めると自分に合わない投資方法を選んでしまうことにもなりかねないため、専門家のアドバイスをもらってから投資しましょう。
ココザスではお客様に合った投資方法の提案だけでなく、基礎知識や資金管理の方法などのアドバイスを行っております。
また5年後10年後の投資戦略も一緒に考え、将来をサポートさせて頂きます。これから投資を始める20代の方は、ぜひ一度ご相談くださいませ。