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学資保険がおすすめされない3つの理由
学資保険がおすすめされない理由は以下の3点です。
・返戻率が低い
・満期時まで出金できない
・インフレに弱い
ひとつずつ確認し、本当におすすめされないほどの理由なのかチェックしていきましょう。
返戻率が低い
学資保険は、総支払保険料に対しての返戻率が低いという点がおすすめされない理由の1つです。
返戻率とは、満期時に受け取る金額に対して総支払保険料を割り返した値であり、100%を超えていれば、支払った保険料よりもお金が増えて戻ってくることになります。
返戻率=(満期返戻金÷総支払保険料)×100
学資保険の返戻率は、おおよそ110%程度であるため、1割ほどしか増えません。
銀行の定期預金よりは増えますが、高利率とは言えず、新NISAや投資信託の方が、増えやすいです。
そのため学資保険で積立するより、他の資産形成の方が増やせるという考えの方も多く、おすすめしないと言われています。
満期時まで出金できない
学資保険は、途中で払い込んだ保険料を引き出すことができません。
イレギュラーな出費があった場合、学資保険を当てにすることはできず、満期まで支払い続ける必要があります。
やむを得ず学資保険から出金させるためには解約となります。
途中解約すると、返戻率が100%未満となる可能性があり、元本割れのリスクが高まるでしょう。
上記の理由から、原則満期時まで支払い続ける必要があり、出金の自由度は低い点がおすすめされない理由のひとつにもなっています。
インフレに弱い
学資保険はインフレに弱いというデメリットがあります。
インフレとは、物の価値が上がっていくことを指します。
例えば、ペットボトルの水の価値が100円で、10年後には300円になっているような状態です。
学資保険で、18年後に300万円を受け取れる契約をしていても、満期時には現在の300万円と同じ価値にならないリスクがあります。
特に大学の費用などが値上がりしている場合など、教育資金の相場がインフレする可能性もあります。
そのため、必ず学資保険は増えるとは言い切れないという注意点がおすすめされない理由の1つです。
学資保険のメリットとは
学資保険がおすすめされない理由を紹介しましたが、もちろんメリットも3点あります。
・万が一の時は保険料が免除となる
・節税効果がある
・元本割れのリスクが低い
加入で悩んでいる方は、ひとつずつ確認しておきましょう。
万が一の時は保険料が免除となる
被保険者が万が一亡くなってしまった場合や高度障害となった場合、それ以降の保険料の支払いが免除されます。
一般的に学資保険の保険料を支払うのは、家の主収入となっている夫です。
しかし、夫が事故や病気になってしまうと、学資保険の払い込みはおろか、残された家族の生活が困難になる可能性が高いです。
そのため、学資保険では保険料払込免除の制度が設けられているメリットがあります。
節税効果がある
学資保険で払い込んだ保険料は、生命保険控除の対象となり、所得税や住民税の節税になります。
生命保険控除とは、所得から差し引ける控除のひとつで、契約日によって以下の2種類あり、上限額が定められています。
・新制度:平成24年1月1日以降に契約した学資保険で、所得税は最大4万円、住民税は最大2万8,000円が控除される
・旧制度:平成23年12月31日以前に契約した学資保険で、所得税は最大5万円、住民税は最大3万5,000円が控除される
納税額から直接差し引かれるわけではなく、所得から差し引く控除のため、大きな節税にはなりませんが、節税効果がある点はメリットのひとつです。
元本割れのリスクが低い
学資保険は満期まで払込すれば、元本割れのリスクを抑えることができます。
途中解約すると、返戻率は100%未満となる可能性も高いですが、満期まで支払えばほとんどのケースでも元本割れする可能性は低くなります。
そのため、着実に教育資金を貯めることができるメリットがあります。
学資保険におすすめな人
では、学資保険に向いている人はどのような方なのでしょうか。
学資保険におすすめな人は以下の項目に該当する方です。
・計画的な貯蓄が苦手な人
・リスクを抑えたい人
・万が一の時に保険料払込免除でリスクを抑えたい人
自分が該当しているか、ひとつずつ確認しておきましょう。
計画的な貯蓄が苦手な人
学資保険は、毎月指定した口座から引き落としされるため、貯蓄が苦手な人におすすめです。
途中で引き出すことができないため、半ば強引に積立することができます。
自身の銀行口座に貯蓄していても、出金のしやすさからお金を使ってしまう方もいらっしゃることでしょう。
その結果、子供が大きくなったタイミングで大学への入学費用が足りないということにもなりかねません。
しかし、学資保険は長期間にわたって保険料を払い込み、満期まで出金できないため、計画的な貯蓄が苦手な人におすすめです。
リスクを抑えたい人
学資保険は、元本割れする可能性が低いため、リスクを抑えて増やしたい方におすすめです。
学資保険は満期まで保険料を払い込み続けることで、ある程度決まった金額の返戻金を受け取れます。
契約時に満期返戻金が決まっているため、資金計画が立てやすい特徴があるためです。
万が一の時に保険料払込免除でリスクを抑えたい人
学資保険は、万が一の時に保険料払込免除でリスクを抑えたい人におすすめです。
契約者に万が一があっても、残りの保険料の支払いが免除されるため、満期時に予定とおりの保険金を受け取ることが可能です。
もちろん何もないことが最も良いことですが、事故などはいつ発生するか分かりません。
残された家族にとっては、今後の生活についても色々と考えていかなければいけませんが、学資保険の保険料を支払わずに満期返戻金を受け取ることができれば、多少なりとも安心できるでしょう。
学資保険に加入する際の注意点
学資保険はリスクを抑えて堅実に増やすことができる特徴がありますが、以下の3点に注意しておく必要があります。
・加入タイミングは早い方が良い
・途中解約は損をする可能性がある
・不要な特約・保障を付帯しない
ひとつずつ加入前に確認しておきましょう。
加入タイミングは早い方が良い
学資保険は、満期となる年齢が決まっており、加入が早いほど月々の保険料を抑えることができます。
学資保険の保険料や、契約者である親と被保険者である子供の年齢によって異なります。
どちらの年齢も低い方が早い方が、保険料が安くなります。
つまり子供が生まれたタイミングで加入するのがベストです。
また、中には出産前(出産予定日の140日前)から契約できる学資保険も存在します。
いち早く加入することで保険料を抑えられ、返戻率も高まる特徴があります。
途中解約は損をする可能性がある
学資保険は途中解約すると損をする可能性があるため、無理のない保険料に設定することが大切です。
保険料を高くすることで、満期返戻金も大きくなります。
一方で、保険料が高額なうえに生活も苦しくなり、解約を余儀なくされる可能性もあります。
学資保険の保険料の目安は、一般的に1万円〜1万5,000円ほどです。
もちろん、満期返戻金を想定してから保険料を設定しても構いませんが、目標が高すぎて保険料が高額にならないように注意してください。
不要な特約・保障を付帯しない
学資保険に不要な特約や保障などを付けると、その分保険料も高額となるため注意しましょう。
学資保険に付ける特約としては、万が一の時に保険料の支払いが免除される「払込免除特約」が一般的です。
しかし、その他にも学資保険には以下のような特約があります。
・育英年金特約・・・契約者である親が死亡したり、所定の高度障害状態になったときに、育英年金を所定の期間、毎年受け取れるという特約。
・医療保険特約・・・子供が入院や手術をした場合に給付金を受け取れる特約
・傷害特約・・・事故や特定の伝染病で死亡した場合に保険金が受け取れる特約。
・災害特約・・・不慮の事故により傷害を受けた場合に保険金が受け取れる特約。
上記の特約を全て付帯すると、月々の保険料も高くなり、元本割れする可能性も高まります。
必要な特約だけを選び、最低限の学資保険で済ませた方が、より利回りの高い運用が可能です。
不要な特約や保障は控えるようにしましょう。
まとめ
学資保険がおすすめされない理由としては、返戻率が低く、満期時までに出金できない点が挙げられます。
しかし、学資保険は万が一の時にその後の保険料の支払いが免除となる払込免除特約を付帯することができたり、元本割れする可能性が低いなどのメリットがあります。
リスクを抑えて将来の子供の教育資金に充てることができるため、計画的な貯蓄が苦手な人におすすめです。
ただし、保険料が高額となると生活にも支障をきたす可能性があるため、不要な特約などを避け、早い段階から加入準備をしていくことをおすすめします。