S&P500とナスダック100、自分に合うのはどっち?

S&P500とナスダック100のどちらを選ぶべきかは、投資の目的やリスクの取り方によって変わります。
安定性を重視したい人にはS&P500、成長性や高いリターンを狙いたい人にはナスダック100が向いています。
ここでは、それぞれの特徴や構成、向いているタイプを簡単に整理し、選ぶ際の参考になる情報を紹介します。
S&P500とナスダック100の特徴を一覧で比較
S&P500とナスダック100は、構成や値動きの傾向に明確な違いがあります。
以下の表で、基本的な違いを簡潔に比較してみましょう。
S&P500 | ナスダック100 | |
---|---|---|
構成企業数 | 約500社 | 約100社(非金融) |
値動きの特徴 | 上下のブレが小さく落ち着いた推移が多い | 上がるときは大きいが下落も激しい |
向いている人 | 値動きに慎重でコツコツ積み立てたい人 | 成長株の上昇に期待して、資産を積極的に増やしたい人 |
なお、S&P500とナスダック100の細かい特徴については、このあとの見出しで詳しく解説しています。
年代別の選び方|20代から50代までのケース別判断
20代・30代の場合は、ナスダック100を中心にした投資も検討してみてはいかがでしょうか。
この年代は、運用できる期間が長いため、たとえ価格が大きく下がっても市場の回復を待つ時間があります。
もし、価格の変動に強い不安を感じる場合は、S&P500で投資に慣れてからナスダック100を取り入れるのもおすすめです。
40代・50代の方には、S&P500を中心にした運用が向いています。
老後資金や教育費など資産の使い道が具体的に見えてくる時期のため、リスクよりも安定性を重視した運用が求められます。
ある程度リスクを取れる方であれば、ナスダック100を少額だけ組み合わせて、リターンの底上げを狙うこともできます。
引退を視野に入れる年代では、S&P500を軸にして、ナスダック100のような値動きの大きい商品は控えめにする運用が向いています。
60歳以降は、老後資金を実際に生活費として使い始める人も多く、資産を増やすことよりも、減らさないことが重要になります。
なお、S&P500やナスダック100とは少し性質が異なりますが、収入が限られる場合は現金や債券を活用する方法も有効です。
まず生活資金を確保しておけば、相場が下落しても必要な分を予定どおり引き出せます。
S&P500とナスダック100、買うならどの投資商品?

S&P500やナスダック100は、アメリカ企業の株価の動きをまとめて示す「株価指数」です。
株価指数そのものは“数字の指標”であり、直接買うことはできません。
実際の投資では、指数に合わせて値動きする投資信託やETFなどの金融商品を通じて資金を運用します。
ここでは、コストの違いがリターンに与える影響と、代表的な投資商品を紹介します。
信託報酬や経費率は長期で差がつく
長期的な資産形成においては、投資対象となる指数だけでなく、各商品のコスト構造にも目を向けることが欠かせません。
同じ指数に連動する商品であっても、運用コストによって手元に残る利益は変わります。
信託報酬(運用の手数料)や経費率(実質的な総コスト)は商品ごとに異なり、わずかな差でも長期運用では大きな差になります。
投資額が大きくなるほど、こうした手数料の違いは無視できないものになっていきます。
なお、信託報酬や経費率は、各ファンドの目論見書や運用会社のサイトで確認が可能です。
S&P500・ナスダック100の代表的な投資信託
S&P500やナスダック100に連動する投資信託には、信託報酬が低く長期運用に適した商品がいくつかあります。
以下は、個人投資家の間でも広く利用されている代表的なファンドです。
S&P500連動型
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 楽天・S&P500インデックス・ファンド
NASDAQ100連動型
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
- 楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド
- NZAM・NASDAQ100インデックス
これらの投資信託は、楽天証券やSBI証券などのネット証券で購入可能です(最低100円から積み立て可・購入時手数料も無料)。
一方、ETFでは、S&P500ではVOOやIVV、ナスダック100ではQQQなどがよく知られています。
ETFは市場でリアルタイムに売買できますが、為替や取引タイミングの管理が必要です。
手間をかけずに積み立てしたい場合は投資信託が適しているでしょう。
ナスダック100とS&P500の基本|指数の違いをやさしく解説

投資対象としてよく比較されるS&P500とナスダック100ですが、その構成や性格は大きく異なります。
こちらでは、各指数の定義と違いを順を追って紹介します。
S&P500とは?米国の大型株500社の代表的指数
業種はテクノロジー、医療、金融、小売など多岐にわたり、「アメリカ経済全体をまるごとカバーする」ようなイメージで捉えられています。
1957年に算出が始まり、およそ60年以上にわたって運用されてきました。
その間、短期的な下落はあるものの、長期で見ると右肩上がりの成長を続けており、このあと紹介するリターン実績にもそれが表れています。
また、銘柄の入れ替えや比率の調整が定期的に行われており、経済や産業の変化に合わせて構成が見直されています。
値動きが比較的おだやかで、リスク分散も効いているため、長期の資産形成における中核(コア)として活用されることが多い指数です。

ランク | 企業名 | ウェイト(目安) |
---|---|---|
1 | NVIDIA(エヌビディア) | 約6.97% |
2 | Microsoft(マイクロソフト) | 約6.33% |
3 | Apple(アップル) | 約6.11% |
4 | Amazon(アマゾン) | 約4.26% |
5 | Meta Platforms(メタ) | 約3.24% |
6 | Broadcom(ブロードコム) | 約2.69% |
7 | Alphabet A(グーグルA株) | 約2.52% |
8 | Alphabet C(グーグルC株) | 約2.36% |
※データ出典:Slickcharts(2025年9月5日時点)。
ナスダック100とは?ハイテク中心の成長株指数
ナスダック市場は、テクノロジーや新興企業が多く集まる市場であり、指数もその傾向を色濃く反映しています。
構成銘柄には、Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Meta、Teslaなど、世界的な大企業が名を連ねます。
これらの多くはS&P500にも含まれており、両指数の上位銘柄には重複が見られます。
とくに上位10社だけで指数全体のおよそ半分以上を占めており、構成はかなり偏っています。
そのため、ナスダック100はテクノロジー分野に強く連動しやすく、半導体やITなどの業種の影響を大きく受ける構造です。
1985年に算出が始まり、S&P500に比べると歴史は浅いものの、過去にはS&P500を上回るパフォーマンスを見せた時期もありました。
例えば2019年から2021年にかけては、テクノロジー企業の株価上昇が指数全体を押し上げる要因となっています。

ランク | 企業名 | ウェイト(目安) |
---|---|---|
1 | NVIDIA(エヌビディア) | 約13.14% |
2 | Microsoft(マイクロソフト) | 約11.89% |
3 | Apple(アップル) | 約11.49% |
4 | Amazon(アマゾン) | 約8.00% |
5 | Meta Platforms(メタ) | 約6.11% |
6 | Broadcom(ブロードコム) | 約5.09% |
7 | Alphabet A(グーグルA株) | 約4.75% |
8 | Alphabet C(グーグルC株) | 約4.44% |
※データ出典:Slickcharts(2025年9月5日時点)。
Nasdaq公式資料によると、2007年末〜2019年6月末までの約12年間における配当込み年平均リターンは以下のとおりです。
これらのリターンは魅力的に見える一方で、価格の上下幅にも目を向けておきたいところです。
ナスダック100は1年で20%以上変動することもあり、S&P500もおおむね15%前後の値動きがあります。
過去の実績は将来のリターンを保証するものではありません。
特定の市場環境や構成銘柄の影響を受けやすいため、今後も同様の成績が得られるとは限らない点には注意が必要です。
まとめ|S&P500とナスダック100、強みを活かした選択を

ナスダック100はリスクをとってでもリターンを優先したい人に、S&P500は価格変動を抑えて着実に資産を増やしたい人に向いています。
例えば「数年以内に使う予定のない余剰資金ならナスダック100」「10年・20年と時間をかけて育てたい資金ならS&P500」のように、資金の使い道に応じて選ぶことが大切です。
本記事を参考に、まずは負担にならない少額から始めるなど、自分に合った方法で投資に取り組んでみましょう。
迷ったら、専門家に相談を
お金や将来に関することは、一人で悩むよりも専門家に相談するのが近道です。専門家の視点からあなたの状況を整理し、最適な選択肢を一緒に考えることができます。
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